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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
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第85話

「クハハハハハハッ! 我らの戦いはッ!」


「まだ始まったばかりなのじゃっ!」


『.........いや、まだ最終回じゃないからなね?』




※真面目にまだまだ続きます。

「.........何してんの? お前ら」




いつまで経っても返事がなかったから『あれ、嫌だったか?』と、心配になりながらみんなの方を見ると、何故かギルドの中の人たちが全員こっちを見て固まっていた。


.........なにこれ、気持ち悪すぎて立ったまま失神したとかだったら、僕、部屋に引きこもるけど?



『い、いや、ギン(・・)があんな笑い方したの、初めて見たから.........』


「え、そんな気持ち悪い笑い方してたか? ちょっとショックなんですけど.........よし、もう二度と笑わねぇ」



そんなことを言った時だった。




「へぇ、君ってそんな笑い方出来たんだねぇ......くふふっ、私惚れちゃってもいいかなっ?」



そんなことを言いながら普通にギルドに入ってくるスーツの女がいた。






と言うか、ロキだった。





『なぁっ!? こ、狡知神様っ!?!?』



「「「「「「こっ、狡知神!?」」」」」」



.........最高神がこんな所に来てもいいのだろうか?



「くふふっ、ゼウスがね?『今回はある程度までの干渉を許す.........でも、その神は許さない。.......懲罰五億年に拷問二億年追加......わかった?』って言ってくれてね? しかも雷霆持出してきたからねぇ.........。まぁ、というわけである程度の干渉まではゆるされたんだよん♡」


さ、さすがゼウス.........拷問二億年とか、僕だったら耐えられないなぁ.........。


────しかもあんな万物破壊兵器持ち出すとか.........やばすぎるだろ。





僕個人としてはこのまま吸血に入って始祖の器に魂を馴染ませたかった所なのだが、そう上手くいくわけもなく。





「って、お主が狡知神かっ!? よくもっ! よくも我らが主の唇を奪ってくれたなぁっ!?」


「そ、そうじゃっ! 許さんのじゃっ!!」


「許さないのですぅっ!」


「み、皆さんっ!? あ、相手は狡知神ですよッ!? 確かに許せないですけど流石に相手が悪いですよっ!」



.........相手くらいきちんと選んでくれないかな?



「おい、最高神が出張ってくるほどの自体なんだぞ? 少しは落ち着いて.........」



「「「うるさいっ!」」」




ぶちっ




.........へぇ、僕に喧嘩売ってんのか、テメェら。


くっくっくっ、いい度胸じゃねぇか。




「『召喚! グレイプニル』ッッ!!」



瞬間、僕の左掌から発射される銀の縄。


対象は白夜、輝夜、オリビアだ。僕に喧嘩売りやがった愛す価値もねぇ馬鹿どもだ。


───ちなみに何故だか複数本召喚できた。........原型はどうなってんだろうな、この縄。



「「「なぁっ!?」」」


突如自分に向かって放たれた、高魔力の縄に驚愕する三人。


だか、やはりというかなんというか、輝夜と白夜は何とか逃げ出せたようだ。ちなみにオリビアは亀甲縛りで放置。




「な、何をするのじゃっ!? そ、それにその武器は何なのじゃっ!? とんでもない魔力......ぬわぁっ!?」


「我の全魔力よりも圧倒的にっ!? ......くうっ!?」


「ほっ、解けないのですぅっ!」



逃げ惑う白夜と輝夜。


身じろぐが全く動けないオリビア。


更に増える縄の数。




「くっくっくっ、僕に喧嘩を売ったことを後悔させてやる」




計八本の縄が奴らを追い詰める。




(今だっ!『エアロック』!)




空間支配Lv.1

『エアロック』

空間そのものをその場に固定する能力。

その空間を蹴って空中移動したり、盾にしたり出来る。

敵にもよるが、相手の空間そのものを固定し、動きを封じることも出来る。



という超チート技だ。


魔法じゃないから無詠唱ってのもいいよね!


───ちなみに詠唱に関するスキルというのは無いらしい。ゼウス曰く『創造神が......創るの忘れた』との事。


.........もう半分ボケてんじゃねぇか? あの爺さん。





閑話休題。





次の瞬間、一瞬だけ止まる、二人の動き。



「よしっ! 今だっ!」



止まっていたのはほんの一瞬だったが、それでも今の僕には充分だった。




「ぬがぁぁぁっっっ!?!? ほ、解けんのじゃぁぁっっ!? し、しかも強い......はぁ、はぁ、ぬぅ.........興奮してきたのじゃぁ.........」


「なっ、なんだこの縄はっ!? ま。まさか破壊不能かっ!? これまた厄介なものをっ!?」



案外簡単に捕まった二人。


まぁ、それだけグレイプニルの性能がいいってことだろう。



だけど、まぁ、




「冗談抜きで、少しやりすぎだぞ馬鹿ども」



最高神相手に本気で殺気を向ける馬鹿なんて、うちのパーティには居なかったはずだが?






☆☆☆





あの後、僕は芋虫三匹を引きずって宿屋へと向かっていた。

後ろには呆れ顔のマックスとレオン、少し微妙な顔つきのアイギスが付いてきていた。


───ちなみにロキは『可能な範囲で街に結界張ってくるね? 魔物だけを通さないやつ』と言って出て行った。まぁ、天界の絶対的なルールを破るわけにもいかないからそれくらいしか出来ないのだろうけど、それでもSランク以下は通さないって言ってたし、充分だろう。




あと、あの後に領主も来る予定だったのだが、どうやら住民の避難に忙しいらしく、『すべて任せます』との連絡が入った。


───無責任とも考えられるが、それだけエルグリッドが信頼されているのだろう。いや、この場合は僕もか。



ちなみ現在、芋虫状態のオリビアの事だが、


『娘の恋愛は応援するさ、お前が相手ってのは少し癪だがな。貴族共も黙らせる。だがそれで最高神に喧嘩を売るような娘に育てた覚えは無いぞ。少し頭を冷やせ』


と、エルグリッドも激怒していた。.........アイツって真面目にブチ切れたら静かになるんだな。





───恋愛は万能薬にも麻薬にもなる。



そう、昔読んだ本に書いてあった。

恋愛相談を受けた際に読んだ本だ。




そんな感じで言い訳はできるが、それでも今回は勝手な想像で暴走したコイツらが悪い。


確かに恋愛は大切だが、それで世界を三秒で滅ぼせるような相手に殺気を飛ばすなど、馬鹿のやることだ。


───まぁ、少し反省しろってことだ。



「はぁ、大好きだって言ったけど、白夜、輝夜、オリビア。三人に関してはあれは一時撤回だ。少しはアイギスを見習え」


「......わかった」


「うむ......やりすぎたのじゃ」


「お父様が怒ってたのですぅ.........ぐすっ......」



どうやら反省してるみたいだし、フェンリル来る直前まで反省させて、それくらいで許してやるかな?



そんなことを考えていると、いつの間にか宿に着いていたようだ。




もちろんそこには誰の姿もなく、いつも居る筋肉やエルビンも市民の避難や魔物への対策に出払ってしまっているようだ。




「それじゃ、少し血をもらうんだが..............白夜と輝夜、どっちがいい?」


血を吸わなければならないのだが、どちらから吸えばいいか迷ってしまう。まぁ、僕個人としてはどちらでもいいのだが。



そんなことを思った時だった。



「すまない、今回は我.........私から吸って貰えないだろうか? どうやらまだ頭に血が登っているようでな。このままでは迷惑をかける」


そこにはいつに無く真面目な表情の輝夜が居た。


やはり長く生きている分だけ自分の行動が恥ずかしいのだろう。まぁ、黒歴史みたいなものか。少し違うけど。



「.........白夜、今回は輝夜にするよ」



だけどまぁ、流石にここまで言われては仕方あるまい。


白夜からも返答はない。渋々だが了承したという事だろう。



「マックスかアイギス、多分だけど進化が始まったら僕、意識失うと思うから.........うーん、今が朝の十一時だから......午後三時くらいになったら無理矢理にでも起こしてくれない?」


この4時間を魂を始祖の器に定着させるために使って、あとの数時間を新しく覚えるであろうスキルに充てればいい。



「おう、野郎に起こされるのはアレだろうからアイギスに起こしに行かせるから安心して気絶してろよ」


「ちょっ!? マックス、あなた何を言ってるの!?」



ははっ、そりゃ安心して準備できそうだな。



「あぁ、何なら人化した恭香でもいいんだぞ? どうせもうすぐ変身スキル会得出来るんだろ?」


『ふふっ、私のグラマラスボディはフェンリル戦が終わってからのお楽しみだからねぇ。今回はアイギスさんに譲るよ』



グラマラス.........ねぇ。


まぁ、それまでに服装でも考えていてくれればいいさ。



「あと、白夜。罰としてオリビアを連れて最古代種に進化してこい。何を相手にレベル上げするかは任せるが......お前の事だからすぐ終わるだろ?」


僕は白夜とオリビアのグレイプニルを解きながらもそう命令する。白夜のレベルは最近は確認してないけど、きっと進化直前に違いない。


───僕の従魔である以上、バジリスク戦やエルグリッド戦の経験値が多少は入っているのだ。そうでなければおかしいだろう。


ちなみにオリビアは進化中の白夜の護衛役だ。


頭を冷やすには丁度いいだろう。



「.........うむっ、分かったのじゃ! カカッ! とんでもないグラマラスボディに成長してくるのじゃ! 楽しみに待っておれよ主様っ! ほれ、行くぞオリビア!」


「えっ!? ま、待ってなのですよ白夜ちゃん!」




いや、お前は絶対グラマラスボディにはなれないよ。


そもそも千年経ってその胸なんだから、もう諦めた方が良いのでは無いだろうか?



そんなことを言おうとしたが、その頃には二人の姿は無かった───恐らくは時空間魔法を使ったのだろう。






「それじゃ、僕たちも始めるか。あんまりエロい声出すなよ?」



そう言うと近くの空き部屋に入って、ベットに腰かける僕。一緒に入ってきた輝夜は僕の太股の上に乗る形だ。


───お胸様が僕の目の前にあるんですけど、なにこれ、吸血ってこんなにエロい行為でしたっけ?



「クっ、クハハッ、我を誰だと思っておる? 我がエロい声なぞ.........ひやぁ!?」



何だか強がっていたので、お試し、ということで牙を突き立てるために首筋を少し舐めただけなのにこの声.........白夜よりやばそうだな。頑張れ僕の理性。



「.........それじゃ、行くぞ?」


「なぁっ!? ち、ちょっと待つ......んんっ!?」



カプリと首筋に牙を突き立てる。

身長差があるから白夜よりかは噛みつきにくかったが、それでも輝夜は胴が短いので、案外簡単に吸血することが出来た。


.........おっ? 白夜の血は野菜ジュースみたいな感じだったけど、輝夜の血はフルーツ牛乳みたいな感じだな。酷い例えだけど。



「んぁあっ、ひぅっ......んっ...んっ、あっ、あるじどのっ!? こ、これはっ!?」



冗談抜きでやばい声で喘ぎ出す輝夜。


やはりというかなんというか、チキンなマックスは部屋から逃げ出し、ウブなアイギスは両手で顔を覆っているが.........うん、指の隙間から見てるよね。ちなみに恭香とレオンは我関せずと言った感じだ。


(だってこれ、別にやましい行為じゃないでしょ?)


ま、まぁそうだな。

───お胸様はめっちゃ当たってるけど。



胸が僕の肩に押し付けられ、輝夜の両腕と両足が僕の胴体をガッシリとホールドしている。耳元で聞こえる嬌声に、輝夜の身体からは女性特有ないい匂いがした。


※吸血です。



.........これ、大丈夫なやつなんだろうか?




そんなことを考えている最中も吸血は続いていた。


「んんっ!? ......ひぅっ! .........ま、まだ、んんっ.........終わらんのかっ?......んぁっ」


「あと少し......かな?」


「んあっ、......んっ、あっ、あっ......ひぅっ!?」



ロキ曰く、『三十秒くらい吸えば進化出来ると思うよ? ただ、吸いつくして殺しちゃったりしないようにね?』との事だった。今でやっと二十秒前後だからもう少し我慢してほしいのだけれど............。



「んぁぁぁっ!? あっ、あるじどのっ! た、たの......ひぅっ! げ、限界っ......んっ、んぁあっ、ひぅっ......」




我慢だっ! 頼むからもってくれ僕の理性ッ!





そして数秒後。



「よし! 終わったぞ輝夜っ! .........って大丈夫?」



そこには顔を真っ赤にしてピクピクと痙攣している輝夜の姿があった。



「も、もう.........お嫁に行けない......」


「誰ももらってくれなかったら僕が貰ってやるよ」


「.........おい主殿、今の本当だろうな?」





あぁ、貰い手ならたくさんいると思うけどな。




そんなことを言おうとした。


たが、その言葉は僕の頭の中に流れたインフォメーションによって掻き消されてしまったみたいだった。





ぴろりん!進化条件を満たしました!

ぴろりん!レベルが上がりました!

ぴろりん!Lv.MAXに到達! 進化条件を全て満たしました!


ぴろりろりん!これよりギン=クラッシュベルの種族進化を開始します!







そうして、僕の意識は闇に沈んで行くのだった。







「そんじゃ......進化してくるわ」



───最後にそんな言葉を残して。

次回! 新らしい登場人物がっ!?


皆さん(多分)お待ちかねのあの種族ですよ?


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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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