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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
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第82話

調査依頼開始!

こんにちは、とうとう不老不死になったギン君です。



と言っても、血が全損状態だったり、心臓に銀の弾丸撃ち込まれたりとかすれば死ぬらしいんだけどね。


まぁ、絶対的な弱点には対応出来ないけど、ぶっちゃけ頭蓋の中身をぶちまけられても死なない体になりました。






そんな僕は今、何をしているかと言うと。




「それでは、これよりパシリアより東に位置する山の、魔物の生態調査及び討伐を行います!」



そう、茶髪ロングの絶壁女が声を張り上げる。


───そう、皆のフランちゃんである。



集まった冒険者と共にフランの演説......説明や鼓舞と言った方が正しいかな? まぁ、それを聞いていた。



「これより私たちは東の山───今より通称"東山"───へと乗り込み、魔物の大量発生及び繁殖の原因を探るとともに、その魔物達の駆逐を行います。最後に何か質問、疑問のある方はいませんか?」



.........よし、聞くだけ聞いてみるかな。


「はい、いいかな?」


「......はい、執行者君」


名前で呼んで欲しかったよ.........。

まぁ、今回に限って卑しい気持ちは無いのだが。



「そこまでは列を組んで行くのか? それとも先に行けるのであれば先に行っても構わないのか......今回はどっちだ?」



そう、ほかの冒険者が居る場合、僕の新スキルの実験がしにくいのだ。空間支配とか、神影とか、色々とやばそうなのが盛りだくさんなのである。


そう思って聞いたのだが、答えは案外、呆気ないものだった。



「いいわよ? 先に行っても」


「.........へっ?」


「正直、私たちじゃあなたに付いていけそうにないしね。あなたが先行して敵を減らして、どれくらいの緊急事態かをこっちに伝えてくれれば先に行ってもいいわよ?」



つまりは先遣隊として山に突っ込んで暴れてこいってことだな?



「.........まさか全部倒しちゃったりしないわよね?」


いやいや、さすがに無理だって。


「僕は吸血鬼だからね。夜なら山ごと吹っ飛ばせば良いんだけど、昼間じゃ全滅は無理だよ。はっはっは」



「「「「「ええっ!? 吸血鬼だったのっ!?」」」」」



「......俺は山ごと吹っ飛ばすって理論の方を驚きたいんだがな.........」







まぁ、そんなこんなで僕の正確な噂が広まってゆくのだが、この時の僕はまだ知らない。







☆☆☆






「よし、行くぞマックス」


「.........はっ?」



それでは出発しようとマックスに声をかけたのだが、何故だか凄い顔で返事をされてしまった.........何故だ?



「俺にお前の速度について行けってのか? 絶対無理だろ、馬車みてぇな乗り物(・・・)でもないと.........」


「いや、それなら大丈夫だぞ?」


「えっ?」



マックスは今『乗り物で行くなら大丈夫』と言ったのだ。


.........ならば試すしかないでしょッ!!



「さぁレオンッ! 変形No.4 移動モードVer.バイクだっ!」



「がうっ!(任せておけいっ!)」




そんな頼もしい返事とともに、僕の指輪になっていたレオンが変形し始める。


あまりの光景に唖然とする冒険者たち。



グニョグニョと指輪が少しずつ形を大きくしてゆき、その体積を増やしてゆく。


その指輪は少しずつ形を変形してゆき..........




そして数秒後。



漆黒のボディに赤いラインの入ったかっこいいバイクが、そこにはあった。と言うかこれもレオンだが。


───ちなみに、そのバイクの体積は明らかにレオンより大きく見えるが、成長するまでは中身を空洞にしてやりくりしているらしい。




「よし、行こうかマックス」


「ってはぁっ!? な、なんだよこれっ!?」



あぁ、この世界だとやっぱり分からないかな......。



「簡単にいうと、レオンと同じかそれ以上のスピードの出せる最大二人乗りの乗り物だ。ほら、これ被れよっと!」


そう言って自作のヘルメットを投げて渡す。

流石にそれは頭に被るものだと分かっているのか、ワタワタしながら頭にかぶるマックス。


───それにしても凄い出来具合だよな、これ。

ブレーキにアクセル、座る部分のクッションまで完全再現しているとは思わなかったよ.........。



「か、被ったけど......俺どうすりゃいいんだ?」


「あぁ、僕の後ろに乗ってくれ。後ろの方にクッションみたいなのあるだろ? そこに座る感じ」


「こ、こうか.........?」



僕の後ろに座って腕を腹に回してくるマックス。


.........あぁ、初めての二人乗りは輝夜とが良かった。

はぁ.........まったく、儚い夢だったぜ。



「そ、それじゃあ発進するよ?.........ぐすっ」


「......なんで泣いてんだテメ......ってうわぁぁぁぁっっ!!!」




まるでそこに、儚い願望を置き去りにするかのように爆走し始めるレオンバイク。





さぁ、目的地は東山だっ!







───何だか人名みたいだよね、東山って。






☆☆☆







そして三分後。








「.........もう着いちゃったな」


「はぁ、はぁ......ゴホッ、そ、そうだな......ゴホッ」



時速300キロ以上出してたら何だかあっという間に着いてしまった東山。



「それじゃ、レオン。No.1 ライオンモードVer.機械、お願いするわ」


「がうぅっ! (了解したのである。油断はしてはならぬぞ?)」


「誰が油断なんてしてるように見える?」


「思っきし本気じゃねぇか.........」


まぁ、そりゃあ執行者モードだし? でっかいデスサイズ持ってますし? 銀色の縄もってますし? 本気かと聞かれれば、たしかに本気だけどさ......




「これ、アダマスの大鎌じゃないからな?」


「......はっ? それマジか?」



そう、これはアダマスの大鎌ではないのだ。

良く見ると刃の部分が赤くないし、放っている魔力量からして、天と地ほどの差がある。




───なにせ、それはレプリカなのだから。







アダマスの大鎌(レプリカ) 品質SS

執行者が保有するアダマスの大鎌のレプリカ。

ミスリルの大鎌を芯に、外をブラッドメタルで覆うような構造になっており、魔力順応度だけならば本物にも及ぶ。

破壊不能属性付与。





というわけだ。


最硬金属と呼ばれている『アダマンタイト』の祖である『アダマス』。その硬度はかのブラッドメタルすらも上回る。


───あのゼウスでさえ知らない......いや、解明すら出来ていない超絶希少金属なのだ。それも頷ける。



だが逆に、その魔法順応度はブラッドメタルには及ばない。



軽さや硬度は圧倒的にアダマスが、


その他すべてはブラッドメタルが優れている。



まぁ、簡単に言えば"天界二大金属王"という事だ。





まぁ、それでどういうことかと言うと、



「ブラッドメタル使ったせいか、レプリカなのにめっちゃ強いのができちゃった」


ということである。



───まぁ、本物の方は神様自身が作ってるせいか常識外な性能で、このレプリカと比べると、本当、月とすっぽんなんだが。



でもまぁ、確実に国宝級のアイテムなのだが。




「それじゃ、やっと酔いも治まってきたし、始めますかっ!」



気付けば僕の体に残っていた僅かな酔いは無くなっていた。


レオンも最初の頃の機械の身体に戻っており、マックスも完全に体調を戻して、魔剣を召喚済であった。



ははっ、この山の住民(魔物)が、可哀想に思えてきた。







「さぁ、正義執行だ」





☆☆☆





そんな感じでカッコつけて山に入ったはいいが.........







山に入ってすぐ、僕はその異変に気付いた。






マップが統合された空間支配のスキルは山全体の敵の分布を捉えることが出来た。


それどころか、敵の形すらも把握することが出来、その姿形や筋肉の付き具合、更には魔力から大体の強さを測ることが出来るのだ。


───確かにこの効果は素晴らしい。レオンのバイクの時だって空間支配で風が来ないように出来ていたし、かなりのお役立ちチートであろう。







だからこそ。



凄い能力だからこそ分かることもある。








(あー、冒険者の皆、聞こえてる?)



僕はすぐさまフランたちへと念話を取ることにした。


何故かって?




(そ、その声ギンくんか!? こ、これは......)


(念話だけど、ちょっ今は驚くの黙ってね、真面目に洒落にならなさそうだからさ......)



.........正直に言って、今回は洒落にならん。


輝夜と()が戦ってもどっちが勝つかは五分と五分────いや、これはただの願望だ。奴と輝夜では輝夜が圧倒的に不利だろう、恐らくは勝てない。もちろん僕や白夜じゃ、勝負にすらならない。




(あ、あなたがそこまで言うほどの脅威なのっ!?)


(うん、今から言うことをしっかりと覚えて、街まで全速力で帰って伝えてね)



なるべく冷静に、それでいてしっかり伝えねばなるまい。





──────でないと、街......いや、大陸が滅びる。








「敵の数、少なくとも一万以上(・・・・)。特にこの群れのボスは間違いなくEXランク(・・・・・)だ。街まで伝えて全冒険者と全騎士、そして僕の従魔に出動要請。分かった?」




こちらと向こうで息を呑む音が聞こえる。







────今回ばかりはヤバイかもな.........。

想定外の異常事態!?


主人公たちはこの事態を乗り切れるのかっ!?

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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