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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
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第81話

チートへの第1歩!?

あの後、ネイルや冒険者の説得ものお陰か『後でじっくり聞かせてもらうからな?』という目のまま静かになった三人組。



「それでは他に、質問などございますか?」


挙手する者は居ない。


結構略してたからわからないかもだけど、ネイルの説明はかなり詳しかったのである。僕だって気になったのは先程の最高ランクの事だけだったしね。



「それでは、以上をもちまして説明会を終了させて頂きます。では、現在が八時半ですから、一時間後の九時半に東門へ集合してください。それとギンさんはギルドカードの更新がございますのでお残り下さい」


「ん? あぁ、分かったよ」


.........更新の間に大鎌でも作成しようかな。




そんなことを思っている時のことだった。






「おいガキ! さっきから黙って聞いてりゃテメェ何様のつもりだぁっ!?」



先程から黙っていたフランパーティの三人のうちの唯一の男性が突然怒鳴り出した。


僕様ですけど? とは言わなかった。



「ん? 何かアンタに直接(・・)被害があったのか?」


「ぐっ、糞がぁッッッ!! バカにしやがってぇっ!!」



今までの彼の言動を観察するに、沸点が低く、喧嘩っ早く、そしてプライドが高い。まぁ、そんな奴だろうと推測できた。


そいつが僕みたいなガキのたった一言で『気に入らねぇから言ってるだけだ』と認めざるを得なくなった。



ならやることは一つであろう。




「もう知らねぇっ!! ぶっ殺して............は?」


「いま、剣、抜いたよね?」



彼は自分の席に立て掛けてあった超巨大な大剣を手に取ると、僕へと向かって斬りかかる.........つもりであったのだろう。


だが、今は指先一本すら動かせないであろう。


────もちろん、恐怖で、なのだが。




「いやさ、僕だって我慢したんだぜ? 部屋に入ったらいきなり子供扱い。実力差も測れねぇ奴が何を偉そうにしてやがる?」



今現在、僕は彼の大剣よりも一回り大きな(・・・・・・)大剣を彼の眉間スレスレの所で止めているのだ。


その大剣は片刃のものであり、峰の方はありとあらゆる機械(・・)で埋め尽くされていた。柄から刀身までが黒く染まっており、機器系は全て赤色で着色されていた。



───それはまさに異形。


この世界において、存在すらしていない"科学"技術の髄を集めて製造されたものであった。





と言っても、レオンなのだが。




レオンの変形No.2、ソードモードVer.大剣、である。


僕が魔導と創造で砂製の模造品を作り、それをレオンに覚えさせた、というわけだ。今のところNo.5まであって、それぞれにVer.があるから、何だかんだで十の変形を覚えているレオンである。


───教える先から覚えるんですもん、仕方ないじゃないですか。




ふと気付けば、先程の男は顔を青くして震えているところだった。


まぁ、こんな見たこともないような化け物じみた大剣が自分の命を握っているのだ。仕方ないことでもあるさ。



「僕は寛容だからね。一度目は許すよ、基本的には(・・・・・)。だからあんたも今回は許すけど、せめて相手の実力くらい察した方が、........生きやすいぞ?」





僕はそう言ってレオンを指輪(・・)に戻すと、再び椅子へと腰掛けるのだった。






............なんか小便臭くないか?





☆☆☆





「さ、さっきはごめんなさいっ!」



ギルド職員が彼のお小便を掃除し、他の冒険者が『やっぱり執行者に喧嘩売っちゃぁダメだな』みたいな顔をして部屋を出ていく中、フランがもう一人の女性を連れて謝ってきた。


───やっぱりこの人、根は良い人なんだろうな。



「いや、いいよ別に。さっきの男はともかく、あんたは僕に剣を向けた時点で力量差は分かってたみたいだし、避けられるって確信してやった事でしょ? 褒められたことではないけど」


そう、あの突きには迷いはなかった。

それはただの人殺しの快楽主義者か、相手の力量を信用しているかのどちらかだ。


それに加えて、仮にも彼女もSランク。そう考えると間違いなく後者だろう。



「うぐぅっ.........よ、よく分かったわね、本当にBランクとは思えないわ.........私より圧倒的に強いじゃない」


「ええっ!? こ、ここ、この人ってフランちゃんよりも強いのっ!?」


何故か驚く隣の女性。

多分だけどさっきの男よりランクは低そうだ。


「えぇ.........って、さっきの動き、見えたの?」


「み、見えなかったけど......フランちゃんなら勝てるかなぁって。今まで私が見た中ではフランちゃんって一番強いからさ......」


「案外呆気なかったわね、私の最強説。ここに私よりやばい本物の化け物がいるわよ? ......あっ、そう言えばあなた、名前は?」


.........コイツ、名前も知らない奴に対して『化け物』とか言ってるぞ? 大丈夫か?



「僕はギン。さっきギルドカード渡したからもうすぐBランクになる冒険者だね。よろしくな」


「では私も改めまして、Sランク冒険者『双突』のフランよ。よろしくお願いするわ」


「わ、私はマールです! ギルドには一ヶ月前に入ったばかりの新入りですっ! よ、よろしくお願いします!」


「.........えっ、先輩じゃないですか」


「「ええぇっっ!?!?」」






まぁ、こんな感じで、僕は二人と出会ったのだった。








「.........あぁ、今日は影が薄い日なんだな、俺」



「.........いや、マックスの事は忘れてないって」






☆☆☆





あの後、ギルドカードが更新されるまでの間、四人で色々と話し合った。



するとどうだろう、どうやら彼女達は『雀蜂』という女性三人組のパーティを組んでいたらしいが、そのもう一人が


『ぱっ、バシリアっ!? あ、あんなところ二度と行きたくないわよっ! アーマーとかいう奴に頭撫でられるのは嫌なのっ!』


とか言って渋ったらしく、代役としてテキトーに壁役の人を募集したらあの男が現れた、との事だった。



────もしかして、彼の噂の武勇伝


『SランクをGランクと間違えて一緒に依頼へと連行し、自分が足を引っ張ったにも関わらず相手の頭を撫でる』


の被害に遭った人ではなかろうか?


しかも元々この街には、商隊の護衛をして来たのだとか。

確かその噂の人も領主に街の護衛を頼まれてやって来たって言ってた気がするし.........ご愁傷さまでしたね。


その滞在地でアーマー君と出くわさないことをお祈りします。




あぁ、ちなみにさっきの男は既にパーティから解任したらしい。




「それにしても執行者ねぇ、少しくらいなら噂も聞いたけど、私はゴリマッチョのおじさんかと思ってたわ......」


「そりゃあ執行者って噂は、ギンっていう名前とコイツがやらかしてる事ばっかりが先行してるからな。黒髪だってことも有名だが、まぁ、その二つまでじゃねぇよ」


「し、執行者ってギンくんの事だったんですねぇ......」



何だかんだで盛り上がる三人(・・)


.........ぼっちはこういう会話に混ざるのが苦手なのだ。


あぁ、恭香やゼウスとお話がしたい。



そんな事を考えていると、どうやらギルドカードが更新し終えたらしく、ネイルがこちらへと向かってくるのが見えた。



「ギンさん、こちらがBランクのギルドカードになります」


「おう、ありがとう......って、なんか銀色になってんだけど? なにこれ、VIPカードみたいな?」


「あっ、それはランクによって色が変わる仕様になってるんですよ。Dランク以下は白、Cランクは銅、Bランクは銀、Aランクは金、Sランクが虹、SSランクが黒、SSSランクに関しましては個別になっておりますね」


「へぇー.........」


何だかあんまり考えてなかったけど、結構凄いものなのかね、ギルドカードって。

今までよく見てこなかったが、良く見ると裏面に偽装されたステータスとか乗ってるし.........後で編集しとこ。



「っていうか、僕一回しか依頼受けてないのに、大丈夫なのか? ランクなんて上げちゃって」



「「「.........えっ?」」」


先程まで騒いでた三人の声がピタッと病む。



「前回の依頼はSランク以上の指名依頼でしてね......。ただでさえかなり上位ランクの依頼ですし、さらに討伐対象のバジリスクが予定数の三十倍です。山を吹き飛ばしてしまったことと含めてもかなりのポイントが入ったんですよ? 多分ですけれど、この依頼でAランク確定ですね」



「「「.........はっ?」」」



またも声が重なる三人。

......何ですか? リア充してますよアピールですか?


ちなみに、ギルドがポイント制だってのも僕は初めて知ったのだが......ま、まぁ、聞き逃してた可能性も否めないよね。


と言うか、僕個人としては早くランク上げるのには賛成だ。でないと強い魔物と戦えないし、鍛冶屋でも良質な金属が買えない。なによりも、アイツら(・・・・)に負けたくない。


───頭に浮かぶのは、白夜、輝夜、それにレオン。勇者の面々に、ルーシィ、レイシア、エルグリッド。死神ちゃんにエウラス.........そして、ゼウス。




「分かった。そんじゃあ行ってくるわ」


「あっ! ちょっと待てよっ!」






何処か考え方が変わった────強くなる貪欲さが遠慮をしなくなった、とでも言うのだろうか?




そんな気分を味わいながらも、僕とレオン、マックスは東門へと向かうのだった。





☆☆☆





九時少し過ぎ、僕たちは東門前まで到着した。


ギルドで少し、時間を取られたことに加えて、マックスの装備一式の調達──騎士の鎧は動きづらいらしい──や、女子達への一応の報告などを済ませたらこの時間になった。



ちなみに女子部屋からは返答はなかった。


全員居るの分かってんだけどなぁ.........。





「そんじゃ、ちょっと早く着いちゃったし、新しいスキルでも試そ......」


「......おい、流石に戦闘用スキルじゃねぇよな?」


「いや、東門が人通り少ないからって言っても、流石に街中でぶっぱなしたりはしないよ。うん」


「.........ならいいけどよ? それでなんのスキルなんだ?」


「いやさ、全能神からスキル二つも貰って来ちゃったからさ」


「.........は?」




今回試してみるのは『スキル統合』だ。


実はこのスキル、僕はゼウス家の本棚で内容を見たことがあったのだ。その時に『こんなスキルあったらいいのになぁ』と考えて(・・・)しまった。


だからこそゼウスは僕にこのスキルを授けたのだろう。


───私たち.........友達だから......?


とでも言うのだろうか、あの少女は。




それで、だ。このスキルの詳しい内容について、既にいくつか調べて終えていたのだが、簡単に言うと『スキルの融合、そしてパワーアップ』だ。例えるなら、耐性系幾つか→状態異常無効 みたいなものだ。


まぁ、チートってわけさ。





それじゃあ行ってみようか!



ということで、かるーくマックスやレオンにも説明して、三人で、どれにする? これとこれがいいのである! いやこれじゃね? とか言い合って十分と少しで、僕は完全に進化した。





その結果、どうなったかと言うと.........






名前 ギン=クラッシュベル (19)

種族 吸血鬼族(真祖特異種)

Lv. 799

HP 12300

MP 102560

STR 20600

VIT 20200

DEX 34900

INT 90400

MND 54400

AGI 40800

LUK 899


ユニーク

正義執行Lv.1

万物創造 (new)

神影Lv.1 (new)

空間支配Lv.1 (new)

スキル統合

特異真祖 (new)

魔導Lv.1

雷神風神Lv.1 (new)

アイテムボックスLv.3


アクティブ

鑑定Lv.3

テイムLv.5

念話Lv.1

演技Lv.1


パッシブ

刀剣術Lv.1 (new)

総合格闘術Lv.1 (new)

並列思考Lv.3

魔力操作Lv.2

超直感Lv.1 (new)

物魔耐性Lv.1 (new)

状態異常耐性Lv.1 (new)

損傷耐性Lv.1 (new)

混乱耐性Lv.3


称号

迷い人 Bランク冒険者 (new)『執行者』全能神の寵愛 創造神の加護 死神の加護 魔導神の加護 狡知神の期待 ロリコン 白銀竜の主 獄夢の主 神獣の主 竜殺し 超越者 魔導の神髄 詐欺師


従魔

白銀竜プラチナドラゴン

ゴッドオブ・ナイトメア

ブラッドギア・ライオネル






おやっ?







おやおやっ?








............種族、変わってるんですけど?



───今のところ、何か変化があるように思えないけど.........これって大丈夫なんだろうか? 前回の身体の再構成みたいな痛みがあるなら戦闘どころじゃないし.........



まぁ、レオンもマックスも居るし、動けないほどじゃあないだろう。現時点で何も無い時点で大丈夫そうだが。




........それで、スキルの方はどうなった.........?


テキトーに混ぜちゃったからとんでもないことになって無ければいいけど.........








万物創造(創造+神器作成)

材料さえ揃えばどんな物でも創れる。

───それが例え生命であっても。



神影(影魔法+影の王)

ありとあらゆる影を支配する。

極めれば神にも届きうる能力。



空間支配(マップ+深夜の処刑場+威圧+アクロバティック)

空間を支配する能力。

地形を知り、相手を知り、それを支配する。

極めれば神にも届きうる能力。



特異真祖(真祖+経験値3倍+吸血+眷属化)

吸血鬼族の真祖の特異種のみが持つスキル

以下の効果を併せ持つ。

超回復、変身Lv.4、不老不死、吸血、眷属化、経験値5倍



雷神風神(限界突破+疾風迅雷)

雷鳴と暴風を纏い身体能力を爆発的に上昇させる。

物理攻撃する度に、相手へと風と雷のダメージを与える。



刀剣術(小剣術+刀術)

ありとあらゆる刀剣を扱える能力。

長剣、大剣、小剣、大太刀、小太刀、刀など。



総合格闘術(体術+拳術+蹴術)

近接戦闘のプロフェッショナル。

身体を扱う戦闘においての能力向上。



超直感(直感+危険察知)

ありとあらゆる危険、自体を事前に察知する。

その直感は戦闘でも役に立つ。



物魔耐性(物理耐性+全属性耐性)

物理攻撃、魔法攻撃の両方に対する耐性。

極めれば『.........今、何かしたか?』と、頭でフルスイングの大剣を受け止められるようになる。



状態異常耐性(毒耐性+石化耐性)

全ての状態異常に対する耐性。

極めれば『ぬ? この味.........王水だな?』とかやれるよ。かっこいいねッ!



損傷耐性(痛覚耐性+出血耐性)

身体への全ての傷に対する耐性。

痛みはより薄く、出血はより少なく。

極めれば『ふん! お前如きに俺の血は流す価値もない』とか言って攻撃を受けることとか出来るよ、やったね!








やったね! じゃねぇよッ!!










────後の僕は語る。




「僕がチートになったのは間違いなくこの日からですね」 と。

どんどんチート化して行きますよ?


次回、急展開!?

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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