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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
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閑話 一方、女子部屋では

ガールズトーク勃発!?


ほぼほぼ恋愛系です。

これは、ギンとマックスが夜の草原でドンパチやっていた頃のお話である。




「クハハハハハハハハッ!! それではガールズトークとしゃれこもうではないかっ!!」


寝間着姿のOLさんがそんなことを叫びだした。


───彼女は着替えをどこから出したのか。永遠の謎である。



ちなみにその時、女子部屋の中には輝夜を始めとした、白夜、オリビア、アイギスの四人が揃っていた。



そんなことを叫び出したOLさんに向かってテーブルを挟んで向かいにいるオリビアが



「で、でももう夜の一時なのですよ? こんな時間には寝ないとダメだって教わったのです」


ちなみに一日二十四時間の考え方は、前の代の迷い人が広めたものであり、今では、元々普及されていた鐘の音での三時間単位の合図と共に多くの人に普及されているのである。



「確かにオリビア......さんは王族ですからね。そういう教育がされていて当然ですね」


オリビアからも『様付は嫌なのですっ』と言われてしまったアイギスが戸惑いながらも、それでいて少し嬉しそうにそう言う。きっと友達ができて嬉しいのだろう。


───ちなみに彼女は輝夜から見て右側の席に座っている。




「クハハハハハハハハッ! オリビアよっ! そんな事では我らには付いてこれんぞっ!? 今からするガールズトークには全員参加なのだっ! クハハハハハハハハッ!!」



※隣の部屋から苦情は来てますが、全て無視しています。



「そ、そうなのです? わ、わかったのですっ! 少し眠いけど......私も参加するのですっ!」


「わ、私も加わりますねっ!」


「クハハハハハハハハッ! 後は白夜だなっ! のう白夜! これからガールズトーク......」



輝夜はそんなテンションで白夜へと話しかけたのだが、



「むぅぅぅっ! 妾は眠いのじゃっ! そんなもの知るかッ!」


寝ぼけ眼のまま布団に潜り込んだ白夜に、ピシャリと断られてしまう。



だがしかし、



「はぁ、仕方ないな。これは我ら親友同士(・・・・)の友好を深めるためのものだったのだがな.........仕方ない。我らはまだ親友では無かった(・・・・・・・・)、ということであろうな」


「「「しっ、親友!?」」」



ガバッと起き上がる白夜。


席から立ち上がるオリビアとアイギス。




ぼっちしかいない女子部屋であった。




「うむ、致し方ない。我が楽しみに(・・・・)考えていた話題が幾つかあったのだがな。白夜が参加しないというならば致し方ない。本当に致し方ない」


悲しそうな表情を浮かべてそう言う輝夜。


───コイツもまた、詐欺師の才能を持っているに違いない。



「ぬっ、ぬぐぅぅぅぅぅっっ!! そ、そんなこと言われても妾は知らんのじゃっ! 勝手にすればいいのじゃっ!」


布団とかぶり直してまだ渋る白夜。




ニヤリ。


そんな効果音が付けられるような笑みを浮かべた輝夜。



彼女はここで、奥の手を使うことにしたのだった。





「残念だ、誠に残念である。だが致し方ないなっ! 恭香が居ない今だからこそ(・・)話せる内容だったのだがっ! 仕方ないっ、三人で話し合おうではないかっ!」




ピクッ。




少し反応する白夜。





「き、恭香ちゃんが居ない今だから......です?」


「そ、それはどんな.........」



彼女たちは、皆恭香に対してとある共通のイメージがあったのだ。



────ギンに一番近しい人物、というイメージが。



もちろん仲はいいが、それでもそのイメージだけは抜け落ちない。


そんな恭香が居ない今だからこそ話せる事。少なからずギンに対して好意を持っている彼女たちが気にならないわけがない。







そうして輝夜は、話を切り出した。








「誰が主殿の側室に相応しいか、という......」





「それじゃあ始めるのじゃっ!」


「眠気なんて吹っ飛んだのですっ!」


「はいっ! 話し合いましょうっ!」






(計画通りッッ!!)




心の中でガッツポーズをするOLさんが、そこには居た。






☆☆☆





「それではまず、主殿に対しての好意をハッキリさせておこうか。話はそれからであろう」


一変して真面目な声を出す輝夜。

ライバルを選定するのだ、真面目にもなるだろう。



「まず、我からだな。我は好きだぞ? 結婚してギン殿の子を孕んでも良いくらいには愛しておるつもりだ」



「「「な、なぁっ!?」」」


あまりのハッキリとした物言いに、思わず顔を赤く染める一同。



それを見た輝夜は、


「ふっ、これくらいで照れているようならば、お主たちは我のライバルにはなれそうにはないか。クハハハハハハハハッ、心配して損したわっ!」


そう言って、とーーーーっても嬉しそうに笑うのだった。


───ちなみにこれも演技である。






ぶちっ






何かが切れる音がした。それも三つ同時に。




「は、はいっ! わ、私もギンさんのこと大好きですッ!」


右手をあげてそう宣言したのは、顔を真っ赤にしたアイギスだった。



「ほぅ、アイギスはまだ主殿と出会って一日も経っていないであろう? なぜ惚れたのだ?」



容赦の無い輝夜。



「え、えっと......最初に意識したのは私が審判をした時で.........最初はルールの説明をしたのに返事をしてくれない嫌な人、ってイメージでしたけど......何だか戦ってる時の笑顔が忘れられなくて.........そ、それで、な、仲間だって、言ってくれて.........す、好きになっちゃいましたっ!」



顔を真っ赤に染めてそう言うアイギス。



「クハハハハハハハハッ!! お主は我がライバルに相応しそうだなっ! 他の腑抜け二人とは大違いだっ!」



ぶちっ



またも鳴る音。今回は二つだった。




「わ、私もギン様のこと好きなのですっ!」


次に手をあげたのはオリビアだった。


「私はぎ、ギン様にぷ、ぷぷ、プロポーズされた時にっ、そ、そのですね.........あの、き、キスしそうになった時から意識しちゃったのですっ......そ、そしたら、何だか.........そ、その好きになっちゃったのですぅ......」


その言葉を聞いて満足気に頷く輝夜とアイギス。


「流石はオリビアさんです! それにしてもあれは意識しちゃいますよねぇ.........」


「うむ.........あれは少しやり過ぎではないかと思ったが.........もしかして主殿はオリビアの事が好きなのではないかっ? クハハハハハハハハッ!」


「そっ、そ、そそ、そんなわけないのですよっ! わ、私みたいな胸のない(・・・・)女の子は.........きっと好きじゃないのです.........」


オリビアは今にも泣きそうな顔をしながら、オリビアの胸を見てそう言った。



グサグサッ!



期せずして、アイギスの心に軽傷を、白夜の心に重傷を負わせたオリビアであった


「確かにな.........主殿は我がこの姿を初めて見せた時、我の胸ばかりを凝視しておったぞ? 我、顔なんて一瞬しか見てくれなかったからショックだったのを覚えておるわ.........」



グサグサグサッ!



こればかりは演技でもなんでもないただの独白だったのだが、演技よりも彼女たちの心に重傷を負わせてしまったのだった。



「じゃ、じゃが? あ、主様はロリコンじゃし?」


「そ、そうなのですッ! 街中でもちいさな女の子ばっかり見てるのですっ!」


「そ、そうですねっ! 恭香さんだって八歳児.........」




「「「「はっ!?」」」」



そこで、彼女たちは気づいてしまった。





「わ、我としたことが.........最大のライバルの存在を忘れておったようだ.........」



そう、何よりも注意せねばならないのが恭香なのだ。

常にギンの隣を維持するあのお役立ち大図鑑。


それに加えて恭香の気持ちも、彼女自身はうまく隠しているつもりなのだろうが、恋する乙女たちからすればバレバレであったのだ。



「き、恭香ちゃんは手強いのですぅ........」


「い、いや! きっと何か方法はあるはずですっ! 諦めてはいけませんよ! 皆さん!」


「そ、そうじゃ! まだ諦めるには............何故三人揃ってこっちを恨みがましいような目で見てくるのじゃ?」




輝夜、オリビア、アイギスは思った。


『あれ? コイツ、一人だけ何にも言ってないよね?』と。




「はぁ、腑抜けがまだ一名ほど居たようだな......」


「ちょっとがっかりなのですぅ.........」


「白夜さん............」



「な、なんじゃっ!? わ、妾が何かしたというのかッ!?」


目を泳がせながらもそう言う白夜。



「いや、何にもしてないから言っておるのだ。いや、な? 我らからしても白夜が主殿のことを好いているのはモロバレと言うか暗黙の了解と言うか、まぁ、本人にもバレておるしな?」


「なぁっ!? ば、バレとるのかっ!?」


「知ってたのですっ!」


「わ、私も............」


「逆に聞くが、バレてないとでも思っておったのか? 恐らくもう街中の人たちが知っておるぞ?」


「なぁっ、なにぃぃぃぃぃっっっ!?」


白夜が町中を飛び回った際に会う人会う人にギンのことを話していたのだ。まるで恋する孫を見るかのような暖かい目で見られるのも当たり前であろう。



「ぬ? そう言えば白夜はどういう感じで主殿と出会ったのだ? 一番長い付き合いなのは間違いなく恭香であろうが、それでもこの中で二番目に信頼されておるのは間違いなくお主であろう?」


「なぬっ!? そ、そうなのかッ!?」


「そうもこうも無いわ。我もある程度は信頼を寄せてもらってはいるが、それでもまだお主からしか吸血してないだろう? それはまだ我はそこまで気を許せる仲にはなってない、とう言うことに他なるまい」



ギンの心の中検定、というものがあったのなら、きっとこういう感じになるだろう。



恭香→一級

白夜→三級

輝夜→準一級

オリビア→五級

アイギス→四級



間違いなく輝夜はギンの思考を知り尽くしている。


────本人がそれを知らないのは幸か不幸か.........。




輝夜の言葉に気を良くしたのか、


「カカッ! 仕方ないのぅ、妾と主様の馴れ初めを教えてやるとするかのぅ! そう、あれは四日前くらいのことじゃっ!」


「.........我ももうすぐ吸血してもらえそうだな」


「何じゃとぉぉぉぉっっっ!?」








まぁ、そんなこんなで夜は更けてゆくのだった。





☆☆☆





『うわっ! ほ、ほんとに女子部屋に転移しちゃったよ.....』



「「「「なぁっ!?」」」」




四時過ぎ、恭香が創造神の転移魔法陣によってこの部屋へと転移してきた時、まだ奴らは起きていた。



『あれっ? やっぱり(・・・・)起きてたね。もう四時過ぎだから早く寝なよ? ふふっ、ま、今日くらいは別にいいかなっ?』


いつになく機嫌のいい恭香。



((((まっ、まさかっ!?))))



嫌な予感が頭を過ぎる女子組四人。




「......おい恭香よ。お主が転移してきたことに関してはこの際目をつぶろう。だからせめてこれを聞かせるのだ、主殿と何があった?」


目の下にクマを作った輝夜が恭香に問い詰める。


────何故だろう、途轍もない威圧感を感じた。



『あぁ、皆でマスターのお嫁さん候補を決めてたんでしょ?』



「「「「なっ、何故それをっ!?」」」」


すべて見透かされていたことに驚愕を隠せない一同。



『いや、ね? 私は世界で起こっていることを一時間前のことまでなら全て知れるんだよ。三時過ぎまでは皆で私のこと話してたみたいだからねー。ふふっ、ご苦労様ですっ♡』



「「「「な、なぁぁぁぁっっっ!?」」」」




理の教本の本気を舐めていた四人であった。




一応彼女は、アダマスの大鎌やグレイプニル等の神器と同じ品質errorのアイテム────というか神器そのものなのだ。


最近ではかなりのダメ出しを受けているものの、それでも神器のスペックを全てサポートに回しているのだ。それくらいできて当たり前であろう。




そんな恭香は皆へととある希望を与える。



『でも、まぁ、マスターは二人以上(・・・・)娶る気満々らしいから、安心してみんなで(・・・・)相談していいんじゃない?』



───ッッ!?



思わず目を見開く四名。




だが、




「そ、そうなのかッ!? お、おいみんなっ! 主殿は二人以上娶って.........? おい恭香? いま、『みんなで』って言ったか? そ、それはどういう.........」




輝夜は嫌な予感に冷や汗を流す。




それは他の三名も例外ではなかったが、







彼女たちの予感は確信に変わる。









『ふふっ、私を第一夫人にしてくれるって♡』





「「「「ぬぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!?!?」」」」





「「「「「「うるせえぞっ!!!!」」」」」」



「「「「す、すいません................ううっ......」」」」













こうして彼女たちは朝を迎えるのだった。


次回からゼウスとのお話ですね。


神様の事とか、まぁ、色々です。



※輝夜のギンに対する呼び方が『ギン殿』になっておりましたので『主殿』訂正しました。すいません。

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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