表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
82/671

第71話

「末長く宜しくなのですよ! 銀様!」



おや? いつの間にか結婚することになってる?



はぁ、僕だってこんな寸胴ボディに興奮するようなロリコンじゃないんだが.........。


いや、待てよ?


逆に考えみようぜ?


今までさんざんロリコンだと貶され、馬鹿にされ、気持ち悪がられてきた僕が、いきなり『は? 何言ってんの? マジで信じられないんですけど。僕って輝夜みたいなちょっと熟れた身体にしか興奮しないんだよね。ロリ如きが近寄らないでよ』とか言っても、「あぁ、きっと意識しちゃってるんだな」って思われないだろうか? いや、そうに違いない。


いやね、そんな事を思われるくらいなら逆にロリコンをアピールする迄は行かなくとも、『まぁ、僕ってオールラウンダーだから? 基本的には男と老婆以外は行けるんだよね?』とか言っておいても良いのでは無いだろうか? いや、きっとそっちの方が良いに違いない!



して恭香さん? どうせ聞いてるんだろ?


(.........なにさ)




ちょっと質問なんだけどさ......











この世界って......一夫多妻制?







(..................................うん、そうだよ?)




お、お前っ、今ホントのこと言おうかどうか迷っただろ!



(いや、何イケメンでもない癖に二人以上娶ろうとしてるの?ほんとに死ねばいいのに。いや、逆に聞くけど、なんで生きてるの? バジリスクに囲まれて死んでればよかったのに)



酷い言い草であった。


初期の元気一杯の恭香はどこへ行ったのだろう?




因みにこれが恭香の第一声。



『こんにちはー! あなたが私のマスターですか?』



あぁ、この頃は純粋で汚れ()を知らなかったんだな.....



(や、やめてよっ! そ、それ私の黒歴史なんだからっ!)


.........黒歴史を作るには少し若すぎないか?





そんな事を話していると、返事がない僕に不安を覚えたのだろうか? オリビアが悲しそうな顔をしながら話しかけてきた。



「あ、あのっ、だ、ダメなのですっ?」



「おいおい、良いに決まってるじゃないか! ふふっ、それじゃあ約束通り......結婚しよ......ぶへぇっ!?」



オリビアの顎を人差し指でクイッとして、その可愛らしい唇にキスをしようとすると、横から致死級のパンチが二つ(・・)飛んできた。



「って! 何故僕のプロポーズを邪魔する! 影化が間に合ってなかった確実に死んでたぞ!?」



だって胴体にに二つほど穴が空いていますもの。


───しかも内一つは心臓に直撃してるしね、これ。



「おいおい、ちょーーーっと調子に乗りすぎてんじゃねぇかぁ? ギン=クラッシュベルぅ、お前は俺の娘の初キスを奪おうとしたんだぞ? もうこれは国家に対する喧嘩だと受け取っていいんだよなぁ?」


「そうじゃぞ主様。妾という者がいながら他の女にうつつを抜かすとは.........もはや許しておけんっ! 去勢じゃぁぁぁッッッ!!!」



マジ切れしてる二人であった。




だが、




「おいおい、エルグリッド。お前の場合一国の王だろ? 勝てもしない喧嘩に民を巻き込むなよ? それに白夜。お前に関しては論外だな。僕のこと好きじゃないんだろ? じゃあ邪魔するなよ」



「「ぐっ、こ、この野郎っ!」」



完全論破である。



「クハハハハハハハハッ! ギン殿もそこら辺にしておけっ、オリビア本人が固まっておるぞっ?」



.........えっ?



オリビアの方を見ると、


「け、けっこ......ぷ、プロポーず......? き、ききき、きす?.........わ、わわわ、私、ギン様に......結婚......?」


と、顔を真っ赤にして何事かを呟いていた。



「お、おいっ! も、戻ってこいオリビアッ! あんなヘタレに騙されるなっ! どうせ嘘に決まっているぞッッ!!」


エルグリッドもその様子に気づいたのか、肩を揺すって必死になって呼びかけているが、まるで反応はない。



「そ、そうじゃっ! 主様はチキンなのじゃっ! どうせさっきのも途中でやめたに......」


「はい白夜。お前、今夜も飯無しね。それに加えて公衆の目前で吸血の刑だから」


「なっ、なんじゃとぉっッッッ!?」



白夜の公開処刑が決まったのだった。





「......ってあれ、もう三時過ぎじゃないか?」


吸血鬼になって、身体の体調で時刻を計る、という荒技を身につけた僕である。



「それじゃ僕もそろそろ帰りたいんでね。この子も貰っていきますね? お義父さん(・・・・・)


「おい待て! テメェいま何て言いやがったッ!?」



そんな声も聞こえた気がしたが、僕はオリビアを抱えると、さっさと会議室の扉から出ていくのだった。






☆☆☆




あの後、





輝夜「笑い疲れたからギン殿の影の中に入って休むわ」



白夜「こ、公衆の前でっ......吸血っ!? わ、妾のあられもない姿が公衆にっ!? こ、興奮するのじゃっ! ......って主殿っ!? その魔法、妾も知らないのじゃが!? ぬわぁぁぁぁっっっ!!」→行方不明。



レオン『そこの青髪の少女は自分に任せるが良い。自分も修行せねばならぬ故、な?』





と、いうことになっていた。



僕の影の中に入って寝ている輝夜。


僕の新作魔法のあまりの威力にどこかへ消えた白夜。


僕に抱えられた途端に気絶したオリビアを背中に乗っけて歩くレオン。






............ちょっと自由過ぎないですか、従魔()たち?



っていうか、輝夜はいつの間に影魔法を共有してたんだ......?







「そ、それにしてもお前ってすげぇな......マジで国王様に喧嘩売ってたじゃねぇか」


そんな事を考えていると、マックスが話しかけてきた。


別に喧嘩売ってたわけじゃないんだがな.........



「僕本人にはその実力は無いけど、それでもこっちには二人ほど化物が居るんだぞ? 下手に出て舐められたりでもしたら、僕たちの得につながるとは思えないからな」


「うーん、俺にはよく分かんねぇかな?」



マックスはよく分からなかったようだが、もしあそこで敬語なんて使いまくってみろ?


『あれ、コイツって大したこと無いんじゃね?』


とでも思われるだろう。そんなことは僕も国も望んでなんかいない。最悪こちらを舐めた国が戦争を仕掛けてきて壊滅、なんてことにも繋がる可能性もある。


───それがエルグリッド以外なら、という条件は付くが。




まぁ、最悪、エルグリッドが裏切ったとしても魔導で無理矢理内容を変更すればいいし。


レベルさえ上げれば解除できそうだしね、これ。



(それを知ったらこの術式を書いた魔術師さんが泣いちゃうね......)



その魔術師も『魔導』を舐めてたんじゃないか?


───幾ら強くても『魔法』だろう、って感じでさ。




幾ら長命の人物でも魔導について詳しいことは知らないだろ?


(この大陸だと、レイシアさんと、王都のガルムってドワーフくらいじゃないかな? 魔導について詳しく知ってるの。二人とも七千歳以上だし)



..........期せずしてレイシアのおおよその年齢を知ってしまった。


(言っとくけど、レイシアさんってさっきのエルメス王よりも強いからね? しかも相性が良いから、あの二人が戦ったらレイシアさんの圧勝だと思うよ?)


えっ、あの気配察知と危険察知をもくぐり抜けるって.........絶対ヤバイ類のユニークスキルだろ、それ。


───あぁ、そう言えば彼女の眼もユニークだっけ......?



(エルメス王の場合は『動作予測』って言う、正直白夜ちゃんの『時空間魔法』よりも馬鹿げた能力があったけど、レイシアさんの『眼』は.........まぁ、うん。もっとヤバイってことだけは言っておくよ。因みに、強いひとでもユニークは四個くらいだから、マスターみたいなユニークスキルの数は異例だからね?)



........あれよりヤバいって......マジすか?



因みに僕のユニークスキル、全十二個。



ここから更に輝夜の『獄夢の世界』を共有する予定だから.........全部で十三個か。


確かに多すぎるな......。



───あぁ、ちなみに『神化』は無理でした。どうやらスキルを持っていても神格が無いと意味の無い物らしい。



あ、そういやレオンからも何かスキルを共有しなきゃな.........腕とか頭とか吹っ飛びまくってるし、物理耐性でいいかな。




そんな事を長々と考えいると、アイギスが気になることを言ってきた。



「それにしてもやはり噂通りですね。ギン様は」



そういや噂がどうとか言ってたな......?


「なぁ、アイギス? その噂って何なんだ? 僕、全然知らないんだけど......?」


「ええっ!? ぎ、ギン様、知らないんですかっ!?」


目を見開いて驚くアイギス。

すごい驚きようだな.........そんなに有名なのか?



「う、うん。それとアイギス、僕に様付けは要らないからな? 一応監視人っても仲間みたいなもんだろ?」



(向こうでもそんな感じに接してたら友達出来たんじゃない?)



...............そうかもしれない。




そんな後悔をしていると、




「ええっ!? ほ、本当に仲間......でいいんですか? わ、私みたいな女が.........こ、後悔とか......しませんか?」




と、アイギスが変な事を言ってきた。











おい、まさかお前もか?







も、もしかしてアイギスって.........







「後悔はしないけど........アイギスって、友達とか.......」



「い、いませんでした............」






.........このパーティには、『ぼっちしか集まらない』っていう類の呪いでもかかってるのだろうか?







パーティに神の髪でも使おうかと思い始めた僕であった。






────使い方分からないけど。





☆☆☆





「それで? マックスも知ってるのか? その噂って奴」



場所は変わって宿屋ダムダム。


あの後、宿屋に着いた僕は、影の中の輝夜を起こした後、オリビアとアイギスを泊まらせるために女性部屋を四人部屋へと変更した。因みにマックスは僕やレオンと同室である。


「..................あっちの部屋行きたい」


「おい、願望が出てるぞ?」



おっと失言。



「それで、なんだっけ? 噂の事だっけ?」


「なんで聞いた本人が忘れてんだよ......。あぁ、噂のことについてで合ってるぞ。俺も国王様直々に『恩をあの馬鹿に売りつけまくれ』って言われてるから、教えるのもやぶさかじゃぁ無いぜ?」



.........エルグリッドは、僕が恩を返す男に見えるのだろうか?


だとしたら眼科、もしくは脳神経外科の病院に行くことをオススメするけれど...............ホント、大丈夫か?



「ふーん、それで? 噂って何?」


「お、おう、本当に知らねぇんだな......。俺は基本的に情報収集も得意だからなるべく詳しく教えて.........やりたい所なんだがな、もう、何も調べることが無いくらい簡単な噂なんだよ」



............調べる所がない?


単純明快、という事だろうか?



「まぁいいや、それで、どんな噂なんだ?」







「『"執行者"ギン=クラッシュベルが、"理の教本"と"神童"の白銀竜だけでなく、今度は"滅亡の使徒"に、"神獣"まで仲間に加えたらしい。しかもナイトメア・ロードにいたっては進化済みで、ランクEXにまで到達したらしい』という噂だ」




.........まじ?




「しかも『執行者と白銀竜に至っては進化直前であり、理の教本はこの世の全てを語る』なんて噂も流れてたぜ? 完全にデマな情報だが、............その顔を見ると正解みたいだな......」



「ってええっ!? さ、最初のはまだ冒険者が広めたって言えばわかるけど、二つ目に関してはもう対策のしようが無いじゃないか!」


「無いな、完全な作り話だ。それでいて真実だったんだから笑えねぇんだがな.........」




や、やばくないか? それ。





いや、何がやばいって.........







「恭香の噂を聞きつけた貴族とかが何かしてこないかな......?」






─────考えすぎ、で終わればいいのだが。

何だか嫌な予感が......

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ