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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
80/671

第70話

新登場人物+2名!


監視人の内2人ですね。


※名前が出るのは初めてですが、それでも作中に登場しています。予想してみてください。

あの後は大変だった。



気絶したエルグリッドとオリビア。


気絶どころか失禁してる白夜───超汚ぇ。


号泣する騎士達。


『ママぁぁぁ!!』の大合唱。


クハハハハハハッッ!! と腹を抱えて笑うOLさん。


どこからか溜息が聞こえる。




正にカオス。





めんどくさくなった僕は、彼らをそのまま放置して、たまたまその場に居なかった他の騎士達と訓練をしに出かけるのだった。





これぞ鬼畜の所業。






☆☆☆






二時間後。




「いやそれでさ、たまたまそのドラゴンをテイムしたら成功しちゃってさ、ハッハッハ」


「いやギン、それ普通じゃねぇからな?」


「いやぁ、俺もドラゴンテイムしてぇなぁ」


「......本当に欲しいならやるぞ?」


「ほ、本当か!?」


「但し食費が馬鹿みたいに多いのと、変態ドMなのを許容できれば、の話だがな? 今も外で失神&失禁してるぞ?」


「「い、いらねぇ......」」



まぁ、そんなこんなで、僕が仲良くなった騎士達と一緒にお昼を食べていると、




「ギンッッッ!! どこに行きやがったテメェっっ!!」


「もう怒ったのじゃぁッ!! 絶対ぶっ潰すのじゃっ!」


「ギン様酷いのですっ! もう許さないのですっ!」


「そのいきだぞ我が娘よっ! あの鬼畜を殺すのだっ!」


「クハハハハハハッッ!! 確かにあれは鬼畜だなぁッ!」


「「「うるさいっ!」」のですっ!」




というコント((笑))が聞こえてきた。




『皆、やっと起きたみたいだね』


何だかんだで僕と一緒に来ていた恭香。

ちなみにレオンも無事だったので一緒に来ている。



恭香曰く、あの場は輝夜にまかせよう、との事だった。



「けど、失敗みたいだね。どうする? 逃げる?」


『......どうしよ』


「がうっ!」


『「逃げるべきだぞ、主殿。白夜は怒ると面倒そうだ。正直、とばっちりが来そうな気がしてならない」って言ってるよ?』



がうっ、の一言にどれだけ意味が詰まってたんだ。




うーん.......どうしようかな?



「輝夜を味方につけて全面戦争か、和解か、逃げるか.........和解は面白くなさそうだから却下として......どうする?」




そんな事を考えていると、







「「「見つけたぞぉぉぉぉっっ!!」」」








......どうやら残された道は戦争だけのようだ。






☆☆☆





場所は変わって再び会議室。



その中に、僕のパーティに、エルグリッド、ブルーノ、そしてもう、すっかり正体がバレてしまったオリビアがいた。




「ふんっ、二度目はないぞっ!」


「全くなのじゃっ!」


「びっくりしたのですっ!」


「クハハハハハハッッ! やばっ、横腹がッ!クハハッ!」





何故こうなったか、というと、



結局は『さらに面倒な事になるから和解しよ?』との恭香の言葉で、泣く泣く和解することとなった。


そして成功してしまった。



「おい白夜。白い軍服の一部だけ黄色くなっているぞ?」


というネタも挟んでみたかったが、やはりというかなんというか、体の一部である軍服は濡れないようだ。



───はぁ、全くもって残念である。



(全然懲りてないよね)


それが僕だろう。

懲りて悪戯を止めるだなんて、僕らしくないじゃないか。


「そうだろう?レオン」


「がうっ!」



レオンだけは分かってくれているようだ。

───何言ってるか分かんないけど。


きっと、『ふっ、それがギン殿であろう?』とでも言ってくれてるのだろう。そうに違いない。




「こほん、それでは最初の話に戻すとしようか」



......そういやこの人から技なんにも盗んでねぇや。


「そんなことより、後でもっかい勝負しない?」


「断固として断るッ!!」


「えっ? 僕、まだ王様から技盗んでないんだけど」


「知らん! 何でテメェの強化を手伝ってやらないとなんねぇんだっ! 絶ッッ対に嫌だからなっ!」


「はぁ、仕方ないなぁエルグリッドは」


「「『「呼び捨てっ!?」』」」



あ、そういやこの人って国王だった。


「すまん、ついうっかり」


「ふ、ふん、プライベートだけなら好きにしろっ」


おや、おじさんのデレは欲しくないんだがな?


......どっちかって言うと輝夜のデレが欲しい。




って、あれ......なんだかこの反応.........






ま、まさかっ!?





「まさかっ、エルグリッドって友達いないのか!?」


ガタッ!



「お前ッ! ぶっ殺すぞ!?」


「クハハハハハハッッ! お主も同士かっ!」


「おおおっ! こんな所にも同士がいたのかのぅ!?」



友達が居ない、の単語に反応した二人に、エルグリッドは捕まってしまった。ご愁傷さまです。



「なぁっ!? お、お前らもかっ!?」


「クハハハハハハッッ! もちろんだ同士よっ!」


「我らは仲間なのじゃっ!」




......この世界にはぼっちしか居ないのだろうか?



そんな事を思った僕だった。




(いや......そんなことは無いはず....なんだけどな?)


恭香でも断定出来ないようであった。





閑話休題。





「こほん、話を戻すぞ?」


一変して王様モードのエルグリッド。



「まずひとつ、お前たちに対する契約だが......」


『基本的にはお互いを害さない、という契約でしたよね?』


「うむ、その通りだ」


そう言ってエルグリッドは一枚の紙を出してきた。



「これは我が国の最高峰の魔法使いが契約魔法を付与した契約書でな? 破ると死ぬように出来てある」


......なんてモン持ち出してるんだ、この人。



「これで俺とギン、二人の間に絶対的な契約を施す。こちらとしてもお前の従魔───本来は白夜だけだったのだがな───はかなりの危険分子だ。特にそこの輝夜とやらは洒落にならん。そこは了承して頂きたい」


「......僕はいいんだけど、まぁ、内容次第だよね。見せてもらってもいいか?」


「あぁ、くれぐれも破るなよ?」


うん、それ位は分かってるさ。



僕は受け取った紙を恭香にも見えるような位置にもってくる。


『どれどれ?



《契約書》


①お互いに敵対行為を取らない。但し、相手からの敵対行為があった場合、許可があった場合、人命を助ける場合(犯罪者を除く)は除く。


②エルメス王国は、ギン=クラッシュベル及び、その仲間に対して一切の命令権を持たない。但し、上記の人物が法やルールを犯した場合は別である。


③エルメス王国は、ギン=クラッシュベル及び、その仲間に対して、3名の監視を付ける。人命に関わる場合、もしくは監視人が許可をした場合以外は、常に監視を付ける必要がある。


④エルメス国王の配下及び、ギン=クラッシュベルの配下の者が、主の許可を得ず相手を害した場合、被害に遭った方がそれらの者を裁く権利を得る。


⑤この契約の解約、及び変更は、エルメス国王及びギン=クラッシュベルの二名の間においてのみ可能である。


⑥この契約における《敵対行為》とは、相手に直接的、及び間接的に害をなす行為の事を言う。


⑦齟齬が発生した場合には、王都の王城にて会議を執り行う。


ってなってるね』



「うーん......最後の⑦、会議っても相手側は全員国の奴らなんだろう? 信用出来るわけがないじゃん」


「うーむ、その場合はお互いの人数を合わせて執り行う、と記して置こうか......それでどうだ?」


『まぁ、それなら大丈夫ですけど......失礼を承知で聞きますけど、意訳してきた馬鹿な貴族とかが私たちにいちゃもんを付けてきた場合には、その場で抹殺してもなんの問題もない、ということでいいですね?』


「あぁ、その内容にもよるが、基本的には問題ない」


基本的には......ねぇ。

何だか曖昧な言い方だな......。



「その監視人とやらが僕たちの行動についてこれない場合はどうするんだ?」


「急ぎで無いならば連れて行かねばならんが、人命救助の場合、もしくは人命の危険が危ぶまれる場合はその場に置いてゆくがよい。それに加えてそいつらが許可した場合だな」


「監視人が僕たちの行動にいちゃもんを付けてきた場合。もしくは僕達を止めるために襲いかかって来た場合は?」


「武力行使、及び抹殺を許可する」


『その人たちが国の命令で動いていた場合は?』


「俺が命令を与えたならば俺が死ぬだろう。それ以外ならば、その命令を与えた元凶を探し出し、お前達に差し出そう。それでも足りぬなら俺の首も、な? まぁ、その逆もまた然り、という事だが」



え、要らないんですけど?



「はぁ、誰がおっさんの首なんているかよ馬鹿」


「ふん、俺だってお前の様な馬鹿に首など差し出したくもないわ。実力が無ければ先程ので国家反逆罪でとっちめているさ」


「あぁん? お化けが怖い王様が何を言ってやがる?」


「あぁ? 実力の足りねぇガキが。そっちこそ何様だ?」


「クハハハハハハッッ! 似た者同士だなぁっ!」


「「誰が誰と似てるって!?」」


「クハハハハハハッッ!!」


「主様はほんとお子ちゃまじゃのぅ! カカッ!」



「『「............」』」





『......うちのパーティが迷惑かけるかもしれないので、その際は罰金だけで勘弁して頂きたいのですが......』


「......まぁ、程度によるさ。この三人、特にそっちの従魔二人は酷そうだから、まぁ、多少は勘弁してやる」


「僕が数えられていたのは少し癪だが、正直有難いよ」



「「なっ、なにぃっっ!?」」






まぁ、そんなこんなで、僕たちは契約を執り行ったのだった。




「あぁ、今の映像と音声は記録してるから、もし何かあった場合は使わせてもらうよ?」



と、付け加えて。




こういう時も役に立つ『お役立ち大図鑑』である。






☆☆☆






「ハッハッハ! それではお楽しみの、監視人の発表であるぞぉっ!!」



王様モードから脱却し、妙にテンションの高いエルグリッド。


.........あの顔、何か企んでやがるな?



「......監視人の事、俺も知らないんですが」


と、ブルーノ。


「ふははっ、そりゃあ書かなかったからなっ!」



正に傍若無人。


これでいて下手に頭が切れるからタチが悪い。



「それで? 三人もついて来るんだろ? 全員が男だったら覚悟しておけよ?」



全員が男だったら戦争をおっぱじめるかもしれない。

何故、女騎士という単語が思い浮かばなかったのか、と。

そんな疑問を持ちながら。



「くっくっくっ、お前ならそういうと思ってな? 実は内二人は女にしておいたぜ! 感謝しろよ? この糞野郎」


「おいおい、何ならここで戦争をおっぱじめてもいいんだぜ? あぁ、お前には首なし死体の方が有効か、ハハハッ............」









「「.........話、進めるか」」



最早喧嘩しても何の得にもならないと学んだ僕達だった。






「それで、一人目だがな? お前と仲良く話してた騎士から一人を選出したのだ。さぁ! 出てこいっ!」



そんなエルグリッドの合図と共に会議室の扉から現れたのは、灰色のツンツン頭をした黒目で身長180センチ前後の細マッチョだった。


「お、お前っ! マックスじゃないか!?」


「よ、よう、何か選ばれちまったわ」


そう、僕が食堂で話していたうちの一人であり、白夜の事を『いらねぇ』と賞したうちの一人でもある。



「とりあえずは男性枠は騎士マックス、ということに決定した。俺の独断と偏見だがな」


「って言うか、マックスはいいのか? お前だって友達とか彼女さんだとか......」


「.........いねぇよ」


あ.........。





僕たちのパーティに新たなぼっちが加わったのだった!









「じゃじゃーん! それでは女性枠の発表だぁっ!」


「テンション上がり過ぎて気持ち悪いぞ? 国王」



見た目四十代、精神はジジイのエルグリッドが、満面の笑みを浮かべながらはしゃいでる姿は、実に、実に気味が悪かった。



「くっ......まぁよい。それでは入れっ!」



またも、似たような合図で会議室に入ってきたのは、いつか見た赤髪セミロングの女騎士さんであった。紫色の瞳に、身長としては170センチ前後だろうか? .........テンプレな『くっ殺』って感じじゃ無さそうだ。実際、味方がオークにヤラれてる所なんて見たくもないし。




「それでは、自己紹介を頼む」


「は、はっ! わ、私はアイギスと申します! 味方を守ることに関しては自信がありますっ! よ、よろしくお願い致します!」




.........。




「この糞ジジイに脅されたりしてない?」


真っ先に疑うことであった。



「おい、今なんつった?」


「さぁな? それで、ほんとに脅されてたら引き受けなくてもいいからね?」


「い、いえっ、あの噂の執行者殿の旅に同伴できるのです! 私は強くなりたいため、自分で立候補致しました!」


そ、そうですか......。


噂の内容が気になるが、まぁ、後で聞いておこう。



「まぁ、どうして強くなりたいかは知らないけど......僕達についてきたとしても強くなれるとは限らないぞ?」


「いえ、恐らくはついて行くために自然と強くなる気がします!」


な、何か小馬鹿にされてないか?


「俺も同感だ」


同意するマックス。




「......僕の日常って、そんなに激しくないぞ?」


『つい先日もバジリスク三十体に囲まれている瀕死になった人が何を言ってるのさ。まだ血だって殆ど無いんでしょ?』


......バレてた?



「っていうか、おい。今、聞き捨てならないことが聞こえたんだが、バジリスク三十体に囲まれたって......昼間のことか? って言うか吸血鬼の癖して血がない状態で俺とやり合ってたのか!?」


「ま、まぁ......って言っても動ける程度には血は回復してるから大丈夫だって、多分だけど......」




「.........マックス、アイギス。死ぬんじゃないぞ?」


「「はっ! 強くなって来ます!!」」



はぁ.........信用されてねぇなぁ、僕。


(いや、当たり前だって)


......以後、気を付けます。






まぁ、そんな事を恭香と念話していると、






「ハッハッハ! それでは注目の、最後の監視人の発表であるっ! さぁっ! 奴の目の前に出てくるのだっ!」



どうやらエルグリッドが最後の監視人を発表するようだ。




だが、





「......女騎士さんで、もう知り合いなんて居ないぞ?」



先程、奴は『女性枠が二人』と行ったのだ。

つまりは次に扉から入ってくる人も女騎士さんの訳だ。




まぁ、たしかに? あの時(・・・)気絶してた騎士さんのうちに何人か女騎士さんも居たことは居ましたよ? え? あぁ、もちろん適切な対処をしましたとも。まず鎧を取ってから、一応全員に心臓マッサージを施したよ? まぁ、もちろん心臓が動いてる可能性を考えてソフトタッチな心臓マッサージをね? いや、決してやましい気持ちなんか無いし、正直興味もなかったのですがね。仕方なく心臓マッサージ......




(捕まればいいのに......)





はい、揉みました、すいません。





でもさ、僕だって人間だもの。


仕方ないじゃないか。



(ほんとに死ねばいいのにね......この変態)



ロリっ子ボイスで『死ね』と言われました......




ちょっと興奮したのは秘密。






まぁ、そんな話を恭香と頭の中でしている間も、僕の視線はずっと扉に向いていた、





が。





「って、最後の一人は誰なんだ? さっきから誰も入って来ないじゃないか?」



そう、誰も入ってこないのだ。


もしかして拒否られたとか?

ぷっ、なんだよ、王命も大したことは.......






「ハッハッハ! 何を言っている!? 目の前に居るではないかっ!」






.........え?







「はあ? 目の前に.........って、まじ?」







僕は目の前の人物を見て、思わずエルグリッドに聞き直してしまった。








だって、コイツは......、










「あぁ、大マジだ。俺の()をよろしく頼むぞ?」






僕の目の前には、満面の笑みを浮かべた第二王女、オリビアが居たのだった。





「あぁ、任せとけお義父さん(・・・・・)



「おいっ! 今なんつった!?」




マックス、アイギス、それにオリビアでした。


アイギスは決闘の時の審判さんですね。



※主人公は控えめに言ってもクズですね。

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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