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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
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第68話

急展開!?

エルグリッドを加えた僕のパーティは駐屯基地へと到着した。





のはいいのだが、






「え、えええ、エルグリッドお......様! こ、ここ、こちら粗茶ですがっ! よ、よよ、宜しければ......」


「おう! すまねぇなブルーノ(・・・・)!」


「って、な、なんでこんな所に来てるんですかッ!?」


「おう! グリフォンに乗っかって来たら途中で落ちちまってな? 仕方ねぇから歩いてきたってわけよ! ハッハッハ!」


皆さん(・・・)は知っているのですか?」


「んなわけねぇじゃん?」


「「「「.........」」」」



そこには、会議室の上座(・・)に堂々と座っているエルグリッドと、彼の横に立って緊張しまくりのブルーノが居た。



ちなみに今現在、会議室の中には、エルグリッド、ブルーノ、オリビア、それに加えて位の高そうな騎士達、そして僕たちが居る、という状態だ。


───上座に座って誰にも注意されないどころか、その上座に座るべきブルーノからお茶を入れてもらってるとは......一体何者だ?



騎士たちはブルーノ以上に緊張しているのか、顔を青白くして席に座っている。何だか、『俺、ここに座ってていいの?』みたいな雰囲気を感じる。


チラッとオリビアを見ると、何だか彼女だけは、緊張と言うより驚愕、という感じだ。



うーん、鑑定では貴族系の名称は見当たらなかったからな......一番隊や二番隊の隊長......にしても何か称号があるはずだし......本当に何者だ? この人......




そんな思考に没頭していると、エルグリッドの指に、紫色に光る指輪があることに気づいた。






───そして、それが魔力を発していることにも。





まっ、まさかっ!?





直感スキルが、とある真実を告げていた。





(『鑑定』ッ!)






偽装の指輪 品質SS

ありとあらゆる者からステータスを隠蔽する指輪。

鑑定のLv.5、もしくはそれ以上のユニークスキルでなければその隠蔽を見破ることは出来ない。






ま、まさか......騙されたッ!?




「ぬ? おお、ようやく気づいたようだな、執行者(・・・)よ。それにしても、良くもまぁあんなテキトーな称号を信じたな! ハッハッハ!!」


エルグリッドは笑ってその指輪を外し、



「俺が誰か知りたいのだろう? いいぜ? 見ろよ(・・・)





明らかに僕のことを知っているであろう、その言動。


ブルーノや騎士達の緊張。


オリビアの驚愕。



───そして、オリビアと同じ水色の髪。






幾つかのピースが最悪の展開を予測する。





そして......






(か、『鑑定』!)







名前 エルグリッド・フォン・エルメス(398)

種族 人族(亜神) (王族)

Lv. 783

HP 60960

MP 30900

STR 46400

VIT 19200

DEX 31900

INT 29400

MND 19400

AGI 58800

LUK 160


ユニーク

王の威光

召喚魔法Lv.4

魔闘気Lv.3

動作予測Lv.3

限界突破Lv.1


アクティブ

水魔法Lv.4

風魔法Lv.3

鑑定Lv.3


パッシブ

近接戦闘Lv.3

並列思考Lv.4

複合魔法Lv.2

馬術Lv.3

礼儀作法Lv.5

気配察知Lv.4

危険察知Lv.5

気配遮断Lv.2



称号

エルメス王国国王 神童 SSSランク冒険者『魔拳』超越者 魔の深淵









やっと、現状に理解が追いついたのだった。







☆☆☆





「.........何故国王様がここに?」



やっと絞り出した言葉がそれだった。



「いやな? どっかの誰かさんが、バカみてぇなステータスと酷ぇ条件を送ってきやがったから、俺が直々にその交換条件を伝えてやろうって思ってな? まぁ、手紙でも送ったけどよ」



馬鹿なんじゃないだろうか?


いや、この人絶対馬鹿だろ。



まず、王様なのに僕より強いってどうなんですか?

それって護衛の意味、無いですよね?


しかも戦う武器が拳って........あれ、この人に教えてもらおうかな、格闘戦。



(マスター? 流石にそれは不味いんじゃない?)


......だけどこの人、めっちゃ近接戦闘強いんだぞ?


(いや、でも王様......)


この人僕より強いんだぞ? しかも接近戦だけなら僕が負けるわけないじゃないか!


(......はぁ)





「......それで? そちらからはどのような条件が?」


恭香と念話をしながらも話を進める。



「うーむ、幾つか決めてきたのだがな? ひとつ、この中の騎士を数人(・・)お前たちの監視に付けること、ひとつ基本的にはお互いに不干渉を貫くと契約する、それに加えてもうひとつ、今考えついたのだが......」



こ、この人っ! きっと会議でもして決めたのであろう内容を一瞬で変更しやがった!? な、なんて奴だっ!?


(まぁ、それでもかなり聡明らしいよ? これだけやっていてそんな噂が立つって事は......かなりの人物なんだろうね)



だ、だけど......大丈夫なのか? こんなことしてて。


(いや、大丈夫なわけないじゃん。きっと今頃、王宮では大騒ぎだろうね、また(・・)王が失踪した、って)



ま、また.....? この人ほんとに大丈夫なんだろうか?





そんな僕の疑惑も知らず、エルグリッドは意気揚々と最後の条件を告げた。










のだが、








「お前、俺と戦え!」





僕は確信した。



この人の部下は、きっと苦労人に違いない。









その頃、王宮でアルフレッドがくしゃみをしただとか。







☆☆☆





午前十時過ぎ、迷いの森の駐屯基地、訓練場にて。





「そ、それではルールを発表します!

①攻撃用の魔法の禁止。

②相手の殺害は禁止。

③降参・気絶・審判の合図があった場合は試合終了。

④魔導具の禁止。

⑤二人以外の乱入の禁止。

以上です! 準備は宜しいですか?」



その中心に立つ赤髪の女騎士さんがそう告げる。


その女騎士さんを挟んで僕とエルグリッドが対峙している、という図になっており、こちらから見えるエルグリッドは満面の笑みを浮かばていた.........戦闘狂か?


────まぁ、僕も人のこと言えないのだが。



「あぁ、いい感じのルールじゃねぇかっ!」


大声をあげるエルグリッド。


まぁ、確かに、攻撃魔法なし、魔導具なし、天気は晴れ、と来たら僕には彼を害することは不可能に近いだろう。


というか、良くもまぁ、騎士たちが許したよな、この試合。



(さっき『なに? ()の命令が聞けぬというのか?』って脅してたよ? マスターに隠れて、だけど)



......何してんだよ国王。





だけど、まぁ。









念願の接近戦で戦えるんだ! ナイスだぜ国王!




(......はぁ、何だか似てるよね、二人って)




恭香のそんな独り言も聞こえたが、






「それではッ! 試合開始っ!!」






そんな、女騎士さんの合図と共に試合が始まったのだった。








────格上相手への、太陽の下での挑戦が。

エルグリッド・フォン・エルメスでした!


次回! 果たしでどうなる!?

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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