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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
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第65話

ブラッドメタルは全部レオンに食べられた訳ではありません。ほんの一口です

ライオネル。




またの名を、神獣ゴッドイーター。



───神を喰う者。




何故、そのような名前をつけられたのか。






それは単純に、彼らが神よりも強いからである。




もちろん全ての個体が神より強いわけではない。


───もしそんな自体に陥ってしまったら、天界は破滅するだろう。



だが、確実に神を超える個体が現れるのも事実。



そういった個体は、子孫を残す際に、一体何を食べさせるであろうか?



能力が高く、強く、そして特異なもの






────そう、神だ。




親は神を狩る。狩って、狩って、最も強かった神を生まれてきた子供に食べさせる。




するとその個体(子供)は、親よりもさらに強くなる。


元々のスペック───才能が。




親が強ければ子は強く、


親が弱ければ子も弱く。




同じ種族の間でも生まれながらにして強さに圧倒的な隔たりが生まれる個体。





だが、それでも確実なことがある。






着実に、代を重ねる度に強くなるのだ。



いずれ、神にも届くほどに。







そうしてつけられた名が、神を喰う者。




───神獣ゴッドイーター、というわけだ。





☆☆☆





と、特異進化ッ!?



そんな疑問も虚しく、レオンは漆黒の光に包まれてゆく。




『最初に口にした物の能力を受け継ぐ』



恭香の言葉が思い出される。




僕は、その言葉を聞いた瞬間、幾つかの候補が頭に浮かんだ。



ひとつ、品質SSSの魔石。


圧倒的な魔力を保有する、最高峰の品質の魔石。

ナイトメア程ではないにしても、確実に僕の全魔力よりは多くの魔力が入っていることであろう。




ひとつ、品質SSSの神の髪。


どんな怪我、呪い、状態異常でも治す、最高の万能薬。

入手した手段としては褒められたものではないが、それでもその効力は最高神の呪いすらも無効化する。




そして最後に、品質EXのブラッドメタル。


変幻自在にして、強度に魔力耐性、魔力順応度と、全てにおいて既存の金属を遥かに上回る。正に反則───チート───いや、言い表すならば『ジョーカー』、理の外にある存在。




恐らくは口にするとしてもこの三つの内のどれかであろう。



───まぁ、その他にも品質SSSのコートやナイフ、品質errorという恭香まで居るし、死神のオーブだって品質EXなのだが......まぁ、何となく選ばないだろうと思えた。まぁ、勘なのだけれど。




生まれながらにしての超絶魔力か、



全てを癒す、圧倒的回復能力か、



それとも────






『やっぱりブラッドメタルだったね......』


レオンが口にしたのはブラッドメタルだったのだ。




横目で見ていたのだが、レオンの歩みに迷いは無かった。


きっと、ライオネルには、能力の高いものを喰う本能のようなものがあるのだろう────きっと、最初に僕を喰おうとしたのも、僕の潜在能力を鑑みてのことだったに違いない。


潜在能力だけは(・・・)、このパーティの中でも一番の自信があるしね、創造神の加護あるし。......まぁ、逆に言えば、それだけ今は弱いって事なのだけれど。.........自分で言ってて悲しくなってきた。




「くっ、恭香君! こ、これは大丈夫なのかッ!?」


レオンを中心に吹き荒れる漆黒の光と風に、思わずと言った感じで叫ぶレイシア。


『うーん.........たぶんSSSランクだろうね。Lv.1の状態で』



「「「「や、やっぱり...?」」」」



レイシア、ブルーノ、ルーシィ、エルビンの声が重なった。




「うむ......この進化が終わったとしても、妾とこのイタイ奴が居れば楽勝なのじゃがな......というか、主様でも勝てるぞ? まぁ、生まれた直後ならば......な?」


「くっ、クハっ、クハハハハハハッッ!! 素晴らしい! 正直ヤバすぎて我でもドン引きだ! クハハハハハハッッ! .........私、大丈夫かな......?」



きっと、白夜とナイトメアが言いたいのは『成長させたら手に負えんぞ?』ということだろう。



......あと、ナイトメア、キャラぶれすぎ。





そんなことを考えていたのだが......





「ぐっ!? か、風強くないっ!?」



レオンを中心に吹き荒れる風が更に強さを増す。


漆黒の光が更に膨れ上がる。



「うっ、目がっ!」


な、なんて光量だ! 下手したら太陽より眩しいぞ!?


あまりの光量に、思わず腕で目を隠す。



が、



「「目がっ、目がぁぁぁぁあっ!!!」」


......馬鹿が二人ほどやられてしまったようだ。




「って言うか、恭香!? これって大丈夫なのかっ!?」


『た、多分大丈夫だとは思うんだけど、確実に、とは言えないよね。まず、ブラッドメタルを食べたライオネルなんて今まで居なかったし。というか、そもそもブラッドメタル自体、何故こんなところにあるのかどうかも疑問だよね。この金属自体そもそも天界にしか無いはずだし。うん、きっと死神様がなにかやって.........』


「.........つまりは?」



『神様でも知らないこと、私が知るわけないじゃん』



い、言い切りやがった!


理の教本とかいう大それた名前の癖にっ!



『......でも、恐らくはもうすぐ終わると思うよ? 他の全ての魔物からとったデータを統合して予測してるから、外れることはあんまり無いと思うんだけど.........』




どうやら、恭香のその予測は正しかったようで、恭香がそう言い終わる頃には、変化が起きた。





突如、際ほどまで膨れ上がっていた光が爆発したのだ。


その光と風は、熱量のない『ダークエクスプロージョン』のようでもあり、僕や白夜、ナイトメアでさえ辛く感じる程のものであった。





しばらくして、光と風がピタッと止んだ。




恐る恐ると言った感じで、レオンの居た方へ目を向ける、






そして、その先には......








「.........食わせるもの、間違えたか?」


『......そうかもしれないね』





僕と恭香はその先に居た進化したレオンを見て、そう思った。



思わざるを得なかった。





何故ならば、






そこには、漆黒のボディに深紅の瞳、










───を持つメカメカしい(・・・・・・)ライオンのロボット(・・・・)が居たのだ。




その姿は正に、








「ただの超精密なAib○じゃねぇかっ!!」




の、一言に尽きたのだった。






☆☆☆




あの後、レオンが既に従魔となっていることに気づいた僕たちは、ひとまず集まってもらった冒険者と騎士たちにお礼をすることになった......、




のだが、




「「「「「「「かっ、可愛いっ!?」」」」」」」



冒険者と騎士の大合唱。






彼らの視線の先には、黒い毛並みにモフモフの鬣、深紅の瞳をした一頭の子ライオンが居た。



───形状変化を使って元に戻ったレオンである。



最早、形状変化とかじゃなく変身スキルでは? とも思ったが、鑑定した結果としては、こうだった。





名前 レオン (0)

種族 ブラッドギア・ライオネル

Lv. 1

HP 90800

MP 6500

STR 10200

VIT 94000

DEX 1200

INT 3100

MND 94000

AGI 12000

LUK 1200


ユニーク

形状記憶(new)

形状変化(new)

魔力順応Lv.5(new)


アクティブ

風魔法Lv.1(new)

闇魔法Lv.1(new)

威圧Lv.1(new)


パッシブ

疾走Lv.1(new)

気配察知Lv.1(new)

気配遮断Lv.1(new)

危険察知Lv.1(new)

物理耐性Lv.5(new)

全属性耐性Lv.5(new)


称号

神々の血を継ぐ者(new) 天賦の才 ギンの従魔(new)









確かにステータスならば、僕の方が勝っている。



だが、実際のところ、白夜でも接近戦での勝ち目は薄い。それほどまでに、防御に特化したステータスをしているのだ。


まぁ、確かに土魔法とかで埋めたら楽勝なんだろうけれど......




「やっぱり成長したら......少し心配になるな」



Lv.1でSSSランクの下位にいるのだ。


成長し、経験を積めば、確実にナイトメアクラスの怪物になるだろう。




「カカッ、妾も油断出来なくなってきたのぅ...」


「クハハハッ、もう既に我に負けておるではないかッ!」


「ふん、調子に乗るでないぞ? この金髪キンが」


「クハッ! 悔しかったら我を超えてみよ、銀の仔竜よ。クハハハハハハッッ!!」


『喧嘩したらマスターに嫌われるかもよ?』


「「何いっ!?」」


「あぁ、お前らのことなんて大っ嫌いなんだからね(棒)」


「な、なんじゃとッ!?」「な、なんだとッ!?」




僕は足元に寄ってきたレオンを愛でながらも、そんなテキトーなことを言う。








はぁ、僕も強くならなきゃな。










そんなことを思った。





と言うか、思わざるを得なかった。


次回、ナイトメアの名前決めです!

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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