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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
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第52話

中二病ネームですね(笑)

今日、街に一つの噂が流れたそうだ。


───まぁ、噂というよりかは速報みたいなものだが。





その内容としては、こうだ。







今日の昼過ぎ、街のギルドに一人の男が現れた。



彼は漆黒の髪を持ち、装備すらも黒で統一されていた。


背中からは蝙蝠のような翼が。

腰からは悪魔のような尻尾が。

口からは鋭く尖った八重歯が覗いていた。



一件、体中が黒一色のように見えた彼だったが、体中の衣服に走る模様、それに、その瞳だけが赤く光っていた。


───()しく、光っていた。





誰もが最初に彼の髪の色に注目し、驚愕。


その後に彼の姿を見て、恐怖を覚えたそうだ。



ある者はその瞳に。


ある者はその服装に。


ある者はその雰囲気に。


そしてある者は、彼の体を纏う魔力量に。





正しく、それはSランクにも匹敵する風格であった。







だが、そんな中、彼にもの申した人物がいた。



その名はアーマー・ペンドラゴン。


───この街で知らぬ人は居ないとまで言われた馬鹿だ。




馬鹿は、彼を『弱い』と言った。


馬鹿は、彼を『悪い』と言い切った。


───そして何より、馬鹿は、彼を怒らせた。




それに対して彼は言ったそうだ。


『強さに自信があるなら決闘をしよう』と。



同時に、彼の身体からは先程とは比べ物にならない魔力が迸ったという───その魔力の奔流はこの街に住む人全員が感じられたとか。



それにすら気付かぬ馬鹿は、彼の決闘を受けた。








『執行開始だ』




そんな言葉と共に開始された、その決闘。







───その結果は馬鹿の惨敗で終わった。







その決闘の内容は正に圧巻。




黒い影が音も無く移動し、赤い瞳がその軌跡を描く。


気付けば馬鹿は地に伏していたという。



それでも止まぬ彼の攻撃。


───いや、それが攻撃なのかすらもわからない。



影が動けば馬鹿の身体が吹き飛ぶ。


赤い軌跡が流れれば鮮血が迸る。




再び地に伏す馬鹿。



それを見下ろす彼。



赤い瞳は爛々と輝いており、口元には凄惨な笑み。


風もない室内において、彼のコートだけが揺らめいており、それはまるで『影』そのものを纏っているかのようだった。









彼の、その姿は、



──影のようで、



──悪魔のようで、



──鬼のようで、



──人間のようで、



──暗殺者のようで、



──戦闘狂のようで、



──神のようだった。





そんな、矛盾を孕んだ存在。


それでいてSランク以上の実力を隠し持った存在。



冒険者たちは、彼の言葉(・・)を思い出し、畏怖と敬意を表して、こう呼ぶようになったそうだ。






『執行者』と。









そんなお話を聞いて、僕は思わず叫んでしまった。









「あんな事言わなきゃよかったよッッ!!!」




恭香の様子がおかしかった理由がやっと分かりました。






☆☆☆




あの後、そこにいる客たちに聞き込みをしたところ、僕の名前やアーマー君をぶっ潰したことも噂になっているらしいが、それでも一番は『執行者』という二つ名らしい。



『いや、ギルドに入った初日にCランクになって二つ名まで付けられるとか、歴史上一人としていないからね?』


とは、恭香の言。


よくよく聞けば、二つ名ってのは基本的にAランク以上になって初めて付けられるものらしい。Cランク開始だけでも珍しいのに、そのランクで二つ名まで来ると異例自体が無いらしい。



期せずしてギルドの歴史に名を残してしまった僕だった。





何だかんだで情報が得られたところで、丁度料理が運ばれてきたようだった。



「はいよ! 今日はオーク肉のステーキと黒パン、それに()野菜のスープだ! 一応この店もアイツ(・・・)からは迷惑受けてたからな。感謝祭ってことで豪華なメニューだっ!」



......アイツ、ここまで手を伸ばしてたのかよ。

あの筋肉相手によくもまぁ......。



「って、オーク肉!? オークってあのオークだよな?」





いつの日か、敬語を使うなどとほざいていた奴の姿は、最早そこには無かった。






咄嗟に頭浮かんだのは豚の頭をした緑色の人型の巨体であった。何故かその隣にはレイシアがいた。



......きっとエルフだからではないだろうか?


エルフとオークって、相性よさそうだし?



(いや、相性最悪だからね? マスターが考えていること、ホントにあるから、それって冗談じゃすまないからね?)



............まじですか。





そんな事を考えていたら、カウンターのおじさんが教えてくれた。



「あぁ、お客さんは迷い人だから分かんねぇのか? オークってのは豚頭で二足歩行の魔物だよ。Dランクの魔物でな? コイツを一人で倒せてようやく一人前、って言われてんだ」


「へぇー、Dランクかぁ......」


「ただな? オークってのは集団で行動するから、実際に戦うとしたらCランクくらいだと考えねぇといけないのさ」


「た、確かにそうかも......って、妙に詳しいな? もしかして元冒険者なのか?」



なんだか、ただの一般人にしては魔物について詳しすぎる気がする。いや、気の所為かもしれないけど。


と、そんな事を思って、おじさんに聞いてみたのだが、彼はなんだか嬉しそうな顔をして、


「おっ、やっぱ分かっちまったか? お客さん、鑑定スキル持ちなんだろ? 鑑定使ってみていいぜ?」





............なぜ鑑定持ちだと広まっている?



『きっとレイシアさんとの会話を野次馬に聞かれたんだろうね』


くっ、誰だよそんなの聞いた奴っ!




「わたしよぉーん♡」



『「.........」』



あれ、耳がおかしくなったのかな?


(いや、私もおかしくなったみたいだね?)


「オカマの声がいきなり聞こえたのじゃ......」


『「.........」』





うん、聞かなかったことにしよう。




「うん、分かったよ。『鑑定』!」




名前 エルビン(42)

種族 人族 (ハイヒューマン)

Lv. 428

HP 5200

MP 180

STR 6000

VIT 4800

DEX 2100

INT 80

MND 500

AGI 3600

LUK 26


ユニーク

剛拳Lv.3


アクティブ

闘気Lv.3

身体強化Lv.4


パッシブ

拳術Lv.4

体術Lv.4

馬術Lv.2

気配察知Lv.3

危険察知Lv.3

痛覚耐性Lv.2



称号

元Aランク冒険者 『剛拳』





「.........」


な、なんだこのステータス.....ブルーノより高いぞ?



そう、少し混乱していると、それに気づいたおじさん───エルビンが笑って話しかけてきた。



「俺はエルビン! 元Aランク冒険者、二つ名は剛拳だ! よろしく頼むぜ?」





この宿の店員だけで迷いの森の騎士たち全滅出来るんじゃないか、と、


そんな事を思ってしまった僕だった。


エルビンは騎士団長クラス!


因みにルーシィはもっと強いですよ?

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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