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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
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第51話

いつもより遅れました。

申し訳ないです。

あの後、僕たちは宿屋に(無理矢理)泊まることにした(させられた)。そして彼女──どうやらルーシィという名前らしい。きっと偽名だ──と色々と話をしたのだが......



『まさか、Lv.4の光魔法使いが貴女だったとは......』


恭香が驚きの声を上げる。



流石にこれは僕もビックリだ。

レイシアが話していた魔法使いの正体がこのゴリマッチョだなんて、一体誰が考えるだろうか?



「ふふ、これでも私は色々できるのよ? 近接戦闘ならオーガ位までは素手でボコれるし、魔法を使えばAAランク位までなら勝てるかしら......?」


やはりコイツはやばかった。


素手でオーガをボコれる時点でかなりの実力者だし、AAを倒せると豪語───っていうか、実際に出来るのだろう──できる時点でかなりやばい。少なくともブルーノよりは強いだろう。



「うむ、それよりもじゃ。この宿は一体、どうやって使うのかのぅ? まだ何も説明されてないのじゃが」


「あら、そうだったわね」


ごめんなさい♡、と言って、彼女は説明を始めた。



「まず、この宿についてだけれど、この宿は朝食と晩飯を込みで、一泊1000Gよ。因みにお湯は別料金よ♡」


そう言えば値段すら聞いてなかったな。

これが詐欺だったら危なかった、と思った僕。


因みにこの『お湯』と言うのは、身体を拭くために必要なお湯のことだろう。やはりというかなんというか、この世界でもお風呂は貴族のような金持ちしか所有していないそうで、この街では領主の館ととある大商人の自宅にしか無いそうだ。




「朝食は朝の三の鐘から四の鐘の間、晩飯は七の鐘から八の鐘の間に取ってくれるかしら? 基本的には、それ以外の時間帯は受け付けないことになっているわ」


この、○の鐘、というのは時間のことを指している。


一の鐘が午前零時に。


二の鐘が午前三時に。


三の鐘が午前六時に。


四の鐘が午前九時に。


五の鐘が正午に。


六の鐘が午後三時に。


七の鐘が午後六時に。


八の鐘が午後九時に。



それぞれの時間帯に街の中心にある時計塔の鐘が鳴るらしい。まぁ、三時間間隔で鐘が鳴ると思ってくれればいい。


今回で言えば、朝食は六時から九時まで、晩飯は十八時から二十一時までに食べろ、という事だろう。


「食堂はそこの右の扉の先にあるから、時間になったら来てちょうだい。席は決まってないけど、荒事だけは止めてちょうだいね♡」


「イエスマム!」


きっと、ここで荒事を起こせば、地獄を見ることになるだろう。僕は目の前の彼女を見て、そう思った。





そんなこんなで話が進んでいき、僕たちの部屋の話になった。



「それでね? 三人の部屋の事なんだけど......」


彼女はそう言って言葉を濁した。


ん? 何か不味いことでもあったのだろうか?



「何かあったのか? 別に泊まれないなら別の宿に...」


「あぁ、それは大丈夫よ? というか、逃がさないわ♡」



ちっ、やっぱ逃げられないか......




まぁ、それはいいとして、本当はどうしたんだ?


そんな事を聞くと、彼女は申し訳なさそうな顔をして、



「ごめんなさいね。今は二人用の部屋しか無くて....」



と、言った。


はぁ、そんな事か......


「いや、僕はこんな白夜(お子様)に発情しないから大丈夫だよ」


断言してやった。


僕はロリコンではない、と。



「なんじゃとっ!?」


何故か驚く白夜だった。



「あらそう? なら問題ないわね。それじゃあこれが鍵よ。21号室だから、二階の一番奥の部屋ね」


そう言って彼女は僕に鍵を渡してくる。

何故かハートマークのキーホルダーが付いており、そこには『21』と数字が書いてあった。



「それじゃあこれで一応の説明は終わったかしら? 因みにもうご飯は食べれるわよ?」


気付けば外はもう暗くなっていた。


「それじゃ、定番の質問と行きましょうか! ご飯にする? お風呂にする? それともワ・タ......「飯にします。それじゃあ、また。」......んもぅ、テレ屋さんなんだからぁ♡」


そもそも風呂ねぇだろうが。




そんな事を思いつつも僕は食堂へと足を運んだのだった。





☆☆☆




ギルドの酒場や、他の街の至ることろでは『アイツが居なくなった』という理由で宴を開いていたため、ここもそうなのかと思っていたのだが......



「あれ、ここはそこまでうるさくは無いな?」



確かに宴は開いていた。


だが、他に比べて、まだ限度というものを分かっている騒ぎ方だった───そして、何かに怯えているようにも見えた。



......も、もしかして、コイツらって...



『きっとルーシィさんに怯えてるんだろうね』


......やっぱりそうか。



何だかどこまで騒いでいいのか伺っている様子がある。

カウンターにいるおじさんも、ウェイトレスのお姉さんたちも、何処かビクビクしている様子だ。


───どれだけ怖がられるんだ? あの筋肉。



そんな事を考えながらも、僕は空いているカウンター席に座る───というか、そこに二つ席が空いているだけで、他には空きは見受けられなかった。


どうやら真面目に大人気な宿らしい。



「いらっしゃいませ! ......もしかして迷い人の方ですか?」


座るとほぼ同時にカウンターのおじさんが話しかけてきた───どうやらこちらはノンケっぽい。



「えぇ、僕は迷い人ですが......」




ガタガタガタッッ!


大人数が椅子から立ち上がる聞えた。






あれ、僕って......なんかやらかしたっけ?


後ろを振り返る勇気もなく、



(恭香、後ろの方どうなってる?)


と、恭香に見てもらうことにした。

───因みに恭香は360度どこでも見渡せるのだ。



すると、恭香は、


(全員立ち上がってマスターを凝視してるよ)


と、念話を送ってきた。


ぜ、全員かよ......

もしかして僕の噂広まってるのかな......?


(.........)



......あれ?






少し様子の変な恭香が気になっていると、一人の男性が話しかけてきた。



───しかし、その内容は僕の予想外のものだった。










「も、もしかして、アンタがあの『執行者』か......?」






.........へ?

執行者......とは?

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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