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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
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第49話

すこーし感想の内容について反映させました。

「まぁ、アイツの性格上、必ず問題を起こすから、そこまで嫌われるとは思えない───というか、アイツをボコボコにした事で感謝する街も出てくるだろうな」


とのレイシアの言により、何とか怒りを収めた僕は、まだ答えてもらっていない疑問があることに気がついた。




「そう言えば、恭香と白夜はどうしたんだ?」


そう、彼女たちが居ないのだ。


恭香や白夜はこっちに来たばっかりの頃から一緒にいるから、何だか近くに居ないのは変な感じがするのだ。



「あぁ、彼女たちか。君に話したのと同じ内容をそのまま伝えたら、「『よし、殺す』のじゃ」と言って去っていったぞ? くっくっくっ、古代種の追っ手とは、全く贅沢なものだな」



いや、贅沢過ぎるでしょ。


たったBランクの冒険者を捕まえる為に下界のトップクラスが動くなんて、相手側にとっては『悪夢』そのものだろう───ナイトメア・ロードもこれを知ったら号泣するのではないだろうか?



「それにしてもあのドラゴン娘はとんでもないな......あの時の威圧感と来たら、私が経験してきた中でもトップクラス(・・・)のものだったぞ?」



......トップ、と言わなかった事は、きっと言葉の綾だろう。うん、僕はそんな事を邪推したりしない男だ...














......まさか白夜より強い存在なんて、知らないよね?





僕の視界に映るはニヤニヤしているレイシアだった。





☆☆☆





数分後、二人が帰ってきた。



───とても悔しそうな顔をして。




「その様子じゃ、見つからなかったみたいだな?」


『ま、マスター!? お、起きてたみたいだね......』


どうやら僕が起きる前に全てを終わらせる(存在ごと消去する)つもりだったようだ。だが、その様子だと......


「う、うむ。全くもって気配が感じられんかったのじゃ。まさかここまで手掛かりが見つからんとは.....」



やはり見つからなかったようである。......それにしても、気配察知Lv.4の白夜でも見つからないだと......? アイツ、そんな能力持ってたか?


少し思い出すが、あまり思い出せない僕。

確か、『ショボイ』っていう感想しか出なかったし、恐らくはそんなスキルはなかった......であろう。



それにしてもあの傷(二箇所)を負ってそこまで遠くまで逃げられるものか......?


『うん、傷は治ったとしても、それでも"完治"という訳にはいかないでしょ? 主に二箇所ほど。それならまだ、遠くへは行ってないはず、と思って半径10キロを散策したんだけど......』


手掛かりすら見当たらなかった......というわけか。



「妙なことになってきたな......面倒な事にならなければいいが......」


眉間にシワを寄せて唸るレイシア。


全くの同感です。

もう会いたくも無いな、うん。




そんな事を考えていると、


あぁ、そう言えば。


と、こんな事をレイシアが言ってきた。


「領主のブリンドル侯爵がお前と話をしたいそうだ。暇な時で良いらしいから領主の館へ来て欲しい、との連絡を受けているぞ?」



え......僕って何かやらかしたっけ......?


「いやいや、アーマーの馬鹿をボコボコにしてくれた件について、だそうだ。『領主』という立場からではなく、『1人の人間』としてお礼がしたいらしいぞ? 因みに私個人(・・)としてもお礼が言いたいのだが......」


『流石にお二人共、公の立場として礼をするわけには行きませんからね。領主にギルドマスター、確かに彼との共通点はありますが、それでも責任を追求される立場ではありませんからね......』



所謂、『微妙な立ち位置』という事だろう。

どちらも彼の責任を直接負うような立場ではないのだ───まぁ、間接的には負うのだが。


「まぁ、そういう事だ。私も領主も、本来ならば堂々と礼をしても良いのだが───というかしたいのだが、やはりそれをよく思わない馬鹿(貴族)どもが居るのでな。今回は個人としてのお礼でしか済ませられないのだ。申し訳ないな......」


「いや、仕方ないでしょ、それは。如何にゴミクズの糞虫だったとしても、そいつを一人ぶん殴っただけで領主から堂々と謝礼を貰えるなんて、良く考えたらおかしいだろ?」



その通りである。


それに、今回の件について、僕は貸しにしておくつもりだ。役職についての貸しは受け継がれるが、個人に対しての貸しは永遠にその人物に貸したままになるのだ───正直、この人たちには貸しを作っておいた方が後動きやすくなる事も、後々にあるかも知れない。



それに何より『貸し』というものは、ほぼ絶対的な強制力をも持つからな。最悪、魔導で契約してもいい。





くっくっくっ、二人には必要な場面で働いてもらうとするよ───馬車馬のように、な?






鬼畜がそこには居たのだった。




後々に、領主とレイシアは後悔することになる。


『あぁ、あの時、普通にお礼をしていれば.......』と。





閑話休題。




それにしても、アーマー君をぶっ飛ばしただけなのに、これだけの有名人たちからの『礼をしたい』との言葉。彼は一体、この街で何をしてきたのか───きっとそれを描いた小説でも出したら大ヒットするのではないだろうか?


(もしくは一冊も売れないか、のどちらかだね)


うん、きっと後者になる気がするな───自分で言っておいて何なんだけれど。



「うん。用事はこれで全てなのだが、お前たちはこれからどうするつもりだ?」


どうする......ねぇ。


「まずは日光に慣れたいですね。切実に」


あえて考えないように、と描写はしてこなかったが、僕が外を歩いている時はちょうど真昼だった。


───つまりは吸血鬼にとっては、弱点に攻撃を受け続けながら歩いているようなものなのだ。



「正直、今の僕じゃ夜の50%も力が出せないよ。ずっとこんな状態でいる訳にも行かないし、まずはそこから始めるよ。それと並行して、領主への訪問、宿探し、ギルドの仕事、奴の殺害、と色々と進めていくつもりだね、今のところは」


つまりは今の僕じゃ、AAAランクと互角かそれ以下しか力が出せないのだ。その上、体調もすこぶる悪いのだ。まずはこの問題点について解決するのが優先だろう。



そんなことを考えていると、



「ほう、あの速度でやっと半分か......くっくっくっ、これはまた面白くなってきたな」







そう言って、不気味な笑みを浮かべるレイシアだった。











後に、僕は後悔することになる。




「この人に何で実力見せちゃったんだろう...」と。



恭香『それにしても、見逃しちゃったけど良かったの?』


ギン「くっくっくっ、アイツは仲間を集めると言ったんだぞ?」


恭香『う、うん?』


ギン「なら、その大切な仲間が壊れて、アイツは無事でいられるかな......? くっくっくっ」


恭香『あ、悪魔みたいな考え方だね......』



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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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