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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
52/671

閑話 その頃、王城にて......

閑話です。


ギンの条件とステータスについて。


新しい登場人物多数!?

ブルーノはギンたちにステータスを聞いた後、パシリアの街のギルドマスターのレイシアと、パシリアの領主であるブリンドル侯爵、それに王都にある王城へと向けて、彼らの条件とステータスについての手紙を送ったのだった。


『敵対してはいけない』と、付け加えて。



ギルドマスターへの手紙は副隊長に持たせて彼らを街まで送らせてある。その道程で彼らに渡してくれるだろう。

領主への手紙は後ほど、自分自身で届ければいい。


ただ、王城への手紙は、そう簡単にはいかない。


ここから王都までは馬車でも三週間以上の時間を要する。だがしかし、この要件は一刻を争うものであった───何しろ彼ら(特にあの従魔)はこの国を滅ぼせるだけの力を持っているのだから。



「今回ばかりは仕方ないな......」


彼はそう言って、執務室から出て歩き出す。


彼は緊急時専用の通信手段を使おうとしているのだった。

国からも『これは緊急時以外は使うな』と注意がされてある。それだけ危険を伴う手段なのだ。



「はぁ、コイツ(・・・)だけは使いたくなかったが......」



彼の目の前にはとある幻獣(・・)がいた。





種族 スピードグリフォン(半隷属)

Lv. 465

HP 2280

MP 18000

STR 1600

VIT 8000

DEX 16200

INT 14400

MND 3200

AGI 42000

LUK 69


ユニーク

疾風迅雷Lv.4


アクティブ

風魔法Lv.4

鑑定Lv.3

威圧Lv.1


パッシブ

並列思考Lv.1

魔力操作Lv.2

気配察知Lv.3

気配遮断Lv.2

魔力遮断Lv.1

危険察知Lv.2

風属性耐性Lv.3

アクロバティックLv.3


称号

変異種 疾風





それは、Sランクの魔物の変異種だった。




☆☆☆





場所と時は変わり、王都エルメシアにある王城にて。



「王よ、此度はどう言った御用で?」


そう、国王エルメス三世に問うは、人族の男。

白銀の鎧に身を包み、腰に煌びやかな長剣を差している金髪の男だった。描写だけならば何処かの馬鹿にも似ているが、あちらは偽物で、こちらは本物の『聖騎士』だった。


「確かに、このメンバーが集まるとは、かなりの大事のようですね......」


そう言ったのはローブを身にまとった魔族の女性。

彼女の身体から───ギンには及ばないながらも───大量の魔力が感じられた。魔力量は少なくともナイトメア・ロードと互角であろう。



それはともかくとして、


今注目すべきは、彼女が言った言葉について、だ。





今現在、国王は会議室にこの国の重鎮たちを集結させていた。



国王直属護衛団 団長 《惶剣》 アルフレッド


宮廷魔導師 序列一位 《魔皇》 マグナ・スプリット


王国軍 一番隊隊長 《黒王》 アーク・ブラック


王都ギルドマスター 《最強》 ガルム



彼らを筆頭に、公爵、侯爵、などの有力貴族が全員(・・)が一同に集結していた。


これはあまりに異常過ぎる事だった。



だが、それ以上の異常事態が発生した為、彼らはここに集められたのだったし、それは彼らも分かっていた───何かが起こっているのだ、と。




「今先程、迷いの森の警備にあたっていた三番隊隊長ブルーノから、スピードグリフォンによる手紙が送られてきた」


「「「──ッッ!?」」」



ブルーノは、判断能力においては並び出るものが居ないほど優れた人物であり、それを買われて三番隊隊長という座を任されたのだ。


その人物が緊急事態と、そう考えたのだ。

国が滅ぶレベルの危険が迫っているのかもしれない。

彼らはそう考えたのだ。



「兄貴っ! 一体なにが起こったってんだ!?」


そう王に聞いたのは彼の弟、エストランド公爵である。


エストランド公爵はブリンドル侯爵と昔から仲が良く、ブリンドル侯爵が領主を務めているパシリアが、迷いの森のすぐ近くにあるという事を、彼は知っていたのだ。親友が危機に陥っているかもしれない───そう考えた彼を責めることは出来まい。



「パシリアの街は未だ健在だ。可能性がある、と言うだけで確実な危険ではない......」


「おいおい、ならどうして三番隊隊長さんはそんな手紙を寄越してきたんだ? アイツはそこら辺はきちんと弁えている奴だったはずだが?」


そう、国王にタメ口で聞くのは《最強》の二つ名を持つギルドマスター、土精族のガルムだった。当然嫌な顔をする貴族はいるが、今この場に集まった面々は、何故彼がタメ口を許されるかを当然知っていた。そのため会話が途切れることもなく。



「今すぐの危険ではない」


その言葉に、思わずホッと息をつく貴族たち。

ガヤガヤと「何故そんな事にグリフォンを...」「三番隊隊長を任せたのは間違いだったか?」「仕事を放棄してここへ来たのだがな......」と話し始める貴族たち。





だが、 と国王は続ける。



───安心するのはまだ早いと言わんばかりに。







「下手をすると、確実に(・・・)この国が滅ぶ程の危険だ」



瞬間、会議室の中を静寂が包む。




誰もが耳を疑った。


あの聡明な王が、『確実に』と言ったのだ。


それは、ここにいる面々でも太刀打ちできぬ『何か』をブルーノが伝えてきた、と言うことを示す。








「......おい、あの街にはレイシアが居たはずだが? あの女は俺ほど強くは無いが、それでもSSSランクの強さはあるはずだ。アイツでもどうにも出来ねぇのか?」


と、ガルムがその静寂を破る。


「不可能だ」


「──ッッ!?」



国王はそれに即答する。

ガルムもまさか即答されるとは思わなかったのか、思わず言葉を詰まらせる。彼とレイシアとは5000年来の付き合いだ。それだけ彼女の強さを誰よりも知っている彼は、『太刀打ちできない』と断言されるとは思わなかったのだ。



「......王よ、失礼を承知でお聞きしますが、それは本当でしょうか?」


「ええ、確かにそれが本当なら、かなりの危険だと思うのですが......」



アルフレッドやマグナも信じられないようだ。

彼らは昔、レイシアに弟子入りをしていた事がある。

それだけ彼女の強さを知っているのだ。それだけ驚きも大きいのだろう......



「あぁ、本当だ。今よりブルーノから送られてきた手紙を読み上げる。良く聞いておけ」



そうして国王は、その手紙を読み始めたのだった。




☆☆☆




その手紙の内容に、その場にいた全員は思わず頭を抱えそうになる。



普通、これ程の条件をいきなり突きつけて来たのならば、即、国家反逆罪で逮捕されるだろう、それか完全に無視される───当たり前だ。


だが、今回ばかりは別だ。

今回の相手は本気で国を滅ぼせるだけの力を持っていた。


このギンという迷い人だけでさえアルフレッドと互角だ。更にその従魔に関しては、ステータスだけの強さでも全力のガルムと互角。スキルを使われたら相手にならないだろう。


嘘のステータスの可能性も考えたが───ブルーノも隊長格だ、まさかステータスを大幅に測り損ねるなど、そんな事はしないだろう。



と言う事は、このステータスは嘘ではない、という事だ。頭も抱えたくもなる。





「......その条件を呑むしかねぇだろうなぁ」


ガルムのその言葉に数人の貴族が彼をキっと睨みつける。だが反論はない。恐らくは彼を怒らせてしまうと、それはそれで国の危機に陥ると分かっているのだ───そもそも、全力での近接戦闘においては白夜と互角、という時点でかなり馬鹿げてる。



「ですね、ギンって方は多分『魔導』の使い手でしょうし」



「「「「──ッッ!?」」」」


あまりの衝撃発言に絶句する貴族たち。


この国の宮廷魔導師最強であるマグナ・スプリットでさえ、未だたどり着けていない、伝説の『魔導』を使用するなど、それこそ本当ならば、無理矢理にでも国に引き込みたいものだ。まぁ、そういう事をするな、という彼からの条件なのだが。



「うむ、マグナ殿もそう思われるか?」


そう問うは一番隊隊長、アーク・ブラック。

どうやら彼もそう考えていたらしい。



「この魔力量、あまりにも多すぎるもの。恐らくは使用可能だと思うわ。従魔の方が強さは格上だけれども、厄介さは断然こっちの方が上でしょうね......」


「ま、まさかマグナ殿がそこまで言うとは......かなりの危険性でござるな......」


思わず喉を鳴らすアーク。



だが、その言葉に異論を示す奴らがいた。


「ま、魔導使いだと...!?」「迷い人とはいえ相手は平民だぞ!? そんな奴が魔導など......」「ど、どうにかして我らが傀儡に出来ぬものか......」「いっそ不意打ちにでもして......」


何処の世界でも貴族は貴族。

己がチンケなプライドを優先して上位に立とうとする。

それが、どんなに危険な相手に対しても......だ。





だが、そんな馬鹿なことを話している貴族たちに、ブチ切れた人物が一人いた。



「てめぇらッ! 状況分かってんのかッ!? 下らねぇプライドなんて持ってたら国が滅びるぞッッ!!」


大声で怒鳴りあげるガルム。

因みに彼の威圧スキルはLv.4である。



だが、彼に怒鳴られる事を良しとしない貴族のプライド。


「平民風情がッ! 我は侯爵であるぞッ!! 今この場で死刑にしてやろうかッッ!?」


そう怒鳴り返すはキューリップ侯爵。

彼も頭に血が上っているのだろうが、それでも王の御前であることを完全に忘れている。きっと馬鹿に違いない。



「あぁんっ!? テメェ、相手がどれだけ危険か分かってんのか!? オメェが勝手にそんな発言して国が滅びたらどう責任取るつもりだ!! えぇ!?」


「この平民風情がッッ!!」


罵倒のバリエーションが少ない。

それしか馬鹿にできることが無いのだろう。



だが、二人の言い争いに口を挟む人物がいた。


「確かにかつてない国の危機ですね。彼らを暗殺出来るならそれに越した事は無いのでしょう」


アルフレッドだ。


本来、彼はこういう乱暴な考え方はしない平和主義者なのだが、それでも国の危機ならば手段を厭わない人物だ。


その言葉を聞いて気を良くしたキューリップ侯爵は、更に言葉を重ねようとするのだが......



「ですが、もしも失敗したら確実に国が滅びるでしょうね。いえ、もしも暗殺を提案した人物なんて判明したらギン君とやらは確実にその人物のみを惨殺するでしょう」


アルフレッドのその言葉に突如顔色を悪くする馬鹿(キューリップ侯爵)。だが、すかさず反論をしてくる。


「わ、我は侯爵! この国の貴族だぞっ!? 平民如きが我に逆らって、ただで済むわけが......」



「ただで済むから話し合いしてんだろうが、この馬鹿が」


イラつきを隠しもせずそう言うはエストランド公爵。


「コイツらはこの国に喧嘩売っても勝てるだけの戦力整えてんだよ。しかも両方が種族進化の一歩手前だ。これから更に強くなるだろう。お前、そんな奴ら相手に喧嘩売ろうとしてんだぞ? もしもそれで怒りでも買ってみろ、兄貴も俺も、土下座をしてでも赦してもらおうとするさ。その主犯者を引っ捉えて引き渡したとしても......な?」


格上の公爵にそう言われて思わず国王を見る馬鹿。


「うむ、異論は無いな。その時は俺が自ら頭を下げよう」


そう、即答するエルメス三世。

やはり賢王の噂は正しかったようだ。


「くっ! しかしッ! このままでは我らの威厳が...」



「それにしても、やはりブルーノの判断は正しかったようです。でないと国が滅んでいた可能性も十分に考えられますし......」


アルフレッドの言葉に、思わず言葉を詰まらせる馬鹿。先程まで馬鹿にしていたブルーノが正しかったのだから、それも仕方の無いことだ。



「それとも何か? 国王()に逆らうか、キューリップ侯爵よ?」


その言葉を聞いたキューリップ侯爵は、顔を真っ青にして


「も、申し訳ございませんッッ! そ、そんなつもりでは...」


「ならば疾く失せよ。俺の目の前であの様な失態、二度目はないぞ?」


「──ッッ!? わ、分かりました......」


キューリップ侯爵は顔を伏せながらもその会議室から立ち去るのだった。



「はぁ、本当に馬鹿な奴も居たもんだ。コイツら相手に逆らうとか、プライドがどうとか言ってる場合じゃねぇだろ......」


その場に居る貴族の八割方が頷いている。

頷いていない連中は、悔しいが認めている、認めているが頷いていない、逆らおうとしている馬鹿、の三通りだろう。瞬時に顔を覚えるエストランド公爵であった。



「それにしたって、この条件をそのまま飲めって言っても国のメンツが立ちやしねぇ、こっちからも幾つか条件を出すんだろ?───ブルーノもそこら辺は釘を刺していてくれていると思うが......どうするんだ?国王よ?」


そう、国王に問いかけるガルム。


「うむ......彼処には俺の愛しのオリビアが居る。断腸の思いだが、オリビアを彼らの監視につけよう。後は使者でも送って不可侵条約でも結べばよいかな? まぁ、個人に対して『条約』というのも変な話だがな」


前半がかなりぶっとんでる王様。

やはりコイツも親バカらしい。


「まあ、そんな所だろうな......」



「うむ、それではそういう事としよう。今回のことについては下級貴族たちにも追って連絡をとるつもりだ。それでは解散!」





そんな感じで王城でと会議は幕を閉じたのだった。









それがとある事件のきっかけになるとも知らずに。

ガルムは完全に近接戦闘特化です。

スキル無しの白夜と互角って時点でどうかしてるとしか思えませんね。




アーク・ブラック

アルフレッド / ギン

マグナ・スプリット

ガルム

白夜



っていう感じです。(現在)

何気に化け物じみた連中ですね。


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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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