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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第二章 冒険者編
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第45話

彼だけのいない街......ひゃっほー!

※アーマー君は死んでません


今回はギルマスの名前とギルドカードについてです。

「そこまでッ!」


ギルドマスターの声で決闘が終了する。




「救護班っ! 早くそいつを運べっ! でないとすぐに死んでしまうぞっ!」



彼女の声に応じて、ギルドが予め用意していた救護班がそいつの元へと駆けてゆく。



そいつとは皆さんお分かりの通り、勿論アーマー君のことであり───鼻、頬、顎などの顔面の骨粉砕。あばら骨は全て骨折。幾つかは内蔵にも刺さっているだろう。因みに両腕両脚の骨は勿論粉々である。あぁ、そう言えば彼の息子も戦闘不能にしておいた。彼の子供とか、嫌な予感しかしないからね......。


まぁ、こっちの医療技術(魔法)ならば命は取り留めると思うが、それでも顔面と股間だけは執拗に攻撃した為、光属性Lv.4のオールヒールでも治らないだろう。まぁ、治るとしたら真祖以上の吸血鬼の血──吸血鬼の血は治癒能力を持っている──を浴びるか、エリクサーなどの万能薬でも無いと不可能だ。


流石はギルドマスター。こんなヤツ相手にも一応は心遣いをしているらしい。器が大きいねっ 誰かと違って...



そんなこと思っていると、




「おい! ギン!」


そう言ってズンズンとこちらへ歩いてくるギルマス。

ついでに後ろの野次馬たちも付いてくる。


と言うか、気づけば僕は囲まれていた。


全員が僕を、じぃーっと見つめている。言葉はない。







は、はは、流石にやり過ぎたかな......?


なんだか怒られそうな気がするな......。


と、思っていたら......






「よくぞ!よくぞやってくれたッ! 私は感動したぞっ!」



どうやら用件は真逆だったらしい。

ギルドマスターの一言を皮切りに、僕の決闘を見ていた冒険者たちが一斉に話しかけてきた。


「おいあんた! スゲェじゃねぇかっ!」

「私は何が起こってるのかすら分からなかったわっ!」

「下手しなくともAランクより強いんじゃ......」

「迷い人ってこんなに強いのかっ!?」

「いや、普通の迷い人は現れたときは一般人と同等の強さでしないぞ? 確かに鍛えたら強いがな?」

「「「へえー流石は長生きして......」」」

「殺されたいのか?」

「「「すいませんでしたッ!!!」」」

「それにしてもだっ! やっとアイツが居なくなったんだ! 街の平和が取り戻されたぞっ!」

「いや、まだアイツは死んじゃいない! ギルド追放になったとしても、まだ、この街に......」

「いや、流石にワシも怒ったのでの。今回を持って彼は街から追放することにしたぞ?」

「「「マジか!? ......って領主さまっ!?」」」

「よっしゃーっ!!今度こそ平和だぁぁっ!」

「「「うぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!!」」」

「今日は宴だあっ!」 「期待の新人も入ったしね!」

「うふふ...可愛らしい、ぼ・う・や♡ いやんっ!」

「よし! 酒場を予約してくるぜっ!」

「私はこの件について街中に連絡してくるよっ!」

「「「宴だぁぁぁぁっっっ!!!」」」




途中からなんだか普通の会話になってるし......


それに、やっぱり領主と変態(オカマ)は居たんだな......オカマよ、僕の前に姿を現したら即潰すからな?


「いやんっ♡ 激しいわっ!」


......聞かなかったことにしよう。




「それにしても凄い嫌われようですね.........アイツ、一体何をしたんですか?」


「冒険者の足を引っ張ったり、街に極悪犯罪奴隷を放ったり、他国の王様を暗殺しようとしたり......と、まぁ。数えればキリがないな......」


予想以上にやばい奴だった!!


ほかの街でも迷惑かけなきゃいいけれど......

まぁ、迷惑をかけたとしても、顔は潰したから今回よりももっと酷い目に遭うだろう───まぁ、それで反省なり何なりをしてくれれば儲けものだな。



まぁ、そんなこんなで僕の長い戦いは終わったのだった。




☆☆☆




「それじゃ、お前のギルドカード作るから少し待っていてくれ」


そう言い残し、ギルドマスターは受付のカウンターの中へと入っていった。......そう言えば名前聞き忘れたな。




僕たちは、ひとまず酒場の一角にある机に座ることにした。


「それにしても、あそこまで僕の嫌いなタイプを詰め込んだような人間、本当に存在したんだな......」


『今回は本当にびっくりしたよ...。マスターのあんなに怒ってる姿初めて見たもん......』


「こ、怖かったのじゃ......」


はっ!?


これはまずい、そう思った時にはもう遅かった。


恭香は冗談半分だけれど、白夜は本気で怖がっている。今だって、僕のコートの裾を握りながら震えてるし......。



「ご、ごめん白夜! ほら! も、もう怒ってないぞ?」


「......本当?」


「う、うん! 僕はもう怒ってないよ。ほら、いつも通りの僕だ。だからもう怖がらなくてもいいんだぞ?」


「.........うん!」


※会話相手は白夜です





おい、白夜さんや。




口調が可愛すぎやしませんかっ!?



何この口調っ!? 超絶可愛いんですけど!!




かなり戸惑いを感じながらも、僕は酒場の椅子に座ったのだったが、白夜は僕の裾を握っていた手を離すと僕の隣に座った───そして僕の右腕に抱きついてきた。


なんだかとても嬉しそうにしている......のはいいのだが。




(恭香さんや。白夜はいつからこんなに積極的にはなったんだ?)


僕の記憶の中では、白夜はもっと奥手な、と言うよりシャイな女の子だったはずなのだが......気のせいだったか?



(うーん......多分だけど、マスターがブッチした姿を見て、白夜ちゃんは『主様じゃないみたいだ』とか思ったんだと思うんだ。それに、何処か遠くへ行ってしまう、そんな気がしたから白夜ちゃんは抱きついてるんじゃないかな?)


それは同時に恭香の思いでもあったのだが、なかなかどうして鈍感な彼は気付かない───これだけで気付け、と言うのも酷な話だが。



それよりブッチってなんだよ、ブッチって。


(ブチギレるの略だね)


恭香は変な略し方するんだねぇ......。



「おいおい白夜。あまりにも積極的過ぎやしないかい?」


「ん? 何がじゃ?」


ちっ、口調戻りやがったっ!

まぁ、こっちはこっちで可愛いんだけれど。



「お前、そんなことしてると......」


「ギンの事が大好きな女の子にしか見えん、そういう事だろう? くっくっくっ、道理でこんな上位の存在をテイム出来てるわけだ」


と、何かを手に持って戻ってきたギルドマスターが、僕の言葉を横取りしてきた。


「なぁぁぁぁっっ!?!?」


瞬間、顔を真っ赤にして僕から離れる白夜。



......おい、今のは僕でも見えなかったぞ?


「......今のは私でも見えなかったぞ? この娘は一体、どんな敏捷値してるんだ......?」


ぎ、ギルドマスターでも見えなかったのか......。やっぱり白夜は圧倒的だな......。



だが、そんなの全く気にもせぬ奴が居た。



『あるぇ? 白夜ちゃん? お顔が真っ赤だよぉ?』


煽り口調になっている恭香だった。



「う、うるさいのじゃっ! 妾はそんなつもりじゃ...」


「分かってるって。まぁ、お前が心配しているような事は無いから安心しろ、あったとしてもその時は恭香も置いていくから安心しろよ」


『えええっっ!? ひ、酷くないっ!?』


「あはは、冗談だよ冗談。うん、冗談だ。」


『全然冗談に聞こえないのは気のせいかな......』


「ふん! 妾はずっとついていくから関係ないのじゃっ!」



まぁ、何とかなったかな?

白夜もなんとか元に戻ったようだ。


そう、一応の満足をいると、


「話は終わったか? ギンのギルドカードを渡したいんだが......大丈夫だろうか?」


あ、すっかり忘れてた......。


「すいません、ギルドマスター。ところで僕のランクって幾つになったんですか...?」


「あぁ、それならCランクだよ。ギルドでの最高の開始ランクがCランクだからな、不満だったか?」


「いえ、別にもっと低くても良かったのですが......」


別に最下位ランクからスタートでも良かったのに。

Gから少しずつ頑張って行く、って言うのもなかなかどうしてそそる物がある。


「て言うか、ギン。初対面の相手にならまだしも、私相手にそんな気持ちの悪い敬語、必要ないぞ?」


「きっ、気持ち悪っ......」


まさか、良かれ良かれと思って使っていた敬語を、気持ち悪いなどと言われてしまうとは......。


「そもそも僕はギルマスの名前も知らないんですよ? いきなり敬語をやめろと言われても......」


流石に名前も知らぬ相手にタメ口って言うのも良くないだろう。そう思って言ったのだが......


「へ? もう鑑定済(・・・)かと思ってたぞ?」


「いやいや、この前鑑定して痛い目に遭って...」





............は?




なぜこの人は、僕が『鑑定』のスキルを持っていると、知っている?



僕は偽装したステータスには、そのスキルを入れているし、




確かにブルーノにはステータスは教えた。







だが、スキル(・・・)までは教えていない。




「ま、まさか......貴方も鑑定スキルを...?」


「くっくっくっ、少し違うのだがな? 似たようなものだ。実際には偽装していないステータスも見えているぞ?」



───ッッ!?



まさか神様の加護もッ!?




そう焦った僕だったが、





「だが、何故だか称号だけは見えなくてな......。お前は何か、そういう類の最上位のユニークスキルでも持っているのか?」



は......?

見えない...って、僕はそんなスキル持ってないぞ......?


(恐らくは死神様が何かステータスに仕込んでいたんだろうね、そんなこと出来たのは死神様だけだし......)



あぁ、なるほど。今度は死神ちゃんかぁ......。

確かに僕に会った神様なんて彼女しか居ないもんな...。



「さぁ、どうなんでしょうね......」


「うーむ........私の()を誤魔化すなぞ、普通は不可能なのだがな......」


あぁ、そう言えば。そう彼女は続けた。



「私の名前の話だったな? 私の名前は、レイシア、と言う。これからよろしく頼むぞ? 期待の新人君?」




ギルドマスター───レイシアはそう言って微笑んだのだった。





レイシアさんでした。


彼女の『眼』とは......?



次回、恐らくは閑話(王都編)です

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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