第34話
ぴろりん!レベルが上がった!
ぴろりん!レベルが上がった!
ぴろりん!レベルが上がった!
ぴろりん!レベル......
「うはぁぁー、つかれたぁーー!!」
『こっちの方が疲れたよ.....』
ナイトメア・ロードの世界が崩壊し、元の大部屋へと戻ってゆく。そんな、自分のいる世界が崩壊してく様子はなんだか感慨深かった。
(ふむ? こ、これで良いのかのぉ? あ、主様っ? 聞こえておるかのぉ?)
おや? これは白夜の念話かな?
これで返事しないでイタズラするのも思いついたが、いきなり結界が崩壊し出したのだから、白夜もかなりの心配をしているのだろう。ここは素直に返事することにした。
(おう、きちんと聞こえてるぞ?)
(!? あっ、主様っ!? か、勝ったのかのぅ!?)
(おう、楽勝すぎて捕獲しちゃったぜ)
(ほ、捕獲っ!? よ、よう分からんが結界が完全に壊れ次第妾もそちらへ向かうのじゃ、しばし待たれよっ!)
その後。完全に大部屋へと戻ったのはレベルアップのインフォメーションがちょうど終わった頃だった。今回はボスであるところのナイトメア・ロードは倒していないので、流石に僕もLv.MAXにはなって無いんじゃないだろうか?
『いや、他にも沢山倒しまくってたよね? 鬼たちが』
「あ」
アイツら出てきた時は驚かせたくせに、なんか気づいたらもう全滅してたからね。なんという期待はずれ感ッ!
『百鬼夜行がチート過ぎるんだよ』
ま、まぁ、そうとも言う。
一応制限もあるから倒せるのはAAAまでなんだけどね...。
『まぁ、マスターの場合はLv.MAXになっても進化条件クリアして無いからまだいいんだけどねぇ』
「問題はアイツか...」
「主様ぁぁぁぁっっ!!! 恭香殿ぉぉぉぉっっ!!」
噂をすればなんとやら。
ちょうど白夜が大部屋へと入ってくる所だった。
「おお、白夜。なんか久しぶりな感じするなぁ」
「うむ? よう分からんが久しぶりなのじゃっ! それにしてもあの骸骨はどこじゃ? 捕獲したんじゃろ?」
よく分からないけど元気な白夜ちゃんでした。
☆☆☆
白夜にも、説明したが、
「あやつなぞ要らんのじゃ」
と、一言でバッサリと切って捨ててしまった。
話し合った結果、白夜が居ない状態で、かつ僕自身がピンチになった時のみテイムする、ということにした。まぁ、もう出番無さそうだな......。
『それより、まずは...』
「ステータス、だろ?」
僕は、自分のステータスと、白夜のステータスを確認することにした。
名前 ギン=クラッシュベル (19)
種族 吸血鬼族(真祖)
Lv. 789
HP 9300
MP 88560
STR 13600
VIT 12200
DEX 26200
INT 52400
MND 40400
AGI 29800
LUK 888
ユニーク
真祖
マップ
影魔法Lv.4
魔導Lv.1 (new)
アイテムボックスLv.2
影の王Lv.3
経験値3倍
吸血
眷属化
限界突破Lv.1 (new)
疾風迅雷Lv.2(共有)
アクティブ
創造Lv.2
鑑定Lv.3
威圧Lv.1
テイムLv.3
パッシブ
小剣術Lv.4
並列思考Lv.3 ↑+1
魔力操作Lv.2 (new)
危険察知Lv.2
全属性耐性Lv.3 ↑+1
混乱耐性Lv.3
痛覚耐性Lv.2
毒耐性Lv.1
アクロバティックLv.1
称号
迷い人 創造神の加護 死神の加護 魔導神の加護(new)
白銀竜の主 竜殺し 超越者(new) 魔導の神髄(new)
従魔
白銀竜プラチナドラゴン
名前 白夜 (1082)
種族 白銀竜プラチナドラゴン
Lv. 969
HP 52800
MP 34200
STR 42200
VIT 32200
DEX 61400
INT 40600
MND 42000
AGI 102000
LUK 310
ユニーク
時空間魔法Lv.4
限界突破Lv.1
ダメージカットLv.4 ↑+1
疾風迅雷Lv.4 ↑+1
忠誠心Lv.4
変身Lv.1 (new)
真祖(共有)
アクティブ
念話Lv.1
火魔法Lv.3
風魔法Lv.3
光魔法Lv.3 ↑+1
複合魔法Lv.1 (new)
威圧Lv.4
パッシブ
爪術Lv.4
竜鱗
並行思考Lv.1 (new)
気配察知Lv.4
全属性耐性Lv.4
痛覚耐性Lv.4
状態異常耐性Lv.3
呪い耐性Lv.3
称号
竜神の加護 闘神の加護(new) 神童 耐え忍ぶ者
超越者 ギンへの忠誠 魔の深淵(new)
色々と聞きたいことが満載なのだが、それでも僕は、真っ先に聞きたい事があった。
「......何このステータス?」
僕も白夜もほぼ2倍になってる。場合によってはそれ以上のものもあるし......。バグかなんかですか?
『やっぱり格下相手だと上限まで行かなかったね......今回のステータス増加は、マスターの場合は壁突破のせいかなぁ? 白夜ちゃんは...』
「ぬおぉぉぉ!? 闘神様まで妾に加護をっ!?」
『っていうことだよ』
僕はステータスだけなら骸骨野郎と互角に。
白夜は確実にSSSに入っただろう。
※まだ進化してませんよ?
僕たちのパーティ大丈夫かな......?
このパーティの将来が心配になると同時に、このダンジョンを出たらステータス隠蔽をしようと心に決めた僕だった。
☆☆☆
まず、1つずつ見ていこうか。
魔導神の加護
魔導神の加護を受けた証。
魔力超強化。
魔力操作のスキルを会得。
(INT,MNDの成長率上昇極大、MPの大器晩成)
P.S. ブラッドメタルは好きに使いなさいな。
魔導の神髄
魔法を極限まで極めたものの証。
魔導のスキルを会得。
魔導
世界の理に直接介入する技能。
レベルに応じて介入できる大きさが変わる。
ユニーク以外の魔法スキルが消失する。
闘神の加護
闘神の加護を受けた証。
全てのステータス超絶強化
(大器晩成型)
「うん、称号系はまだ理解出来るさ。まぁ、魔導神のP.S.とか闘神の加護とか内容ブッ飛んでるけれど。うん、まだまだ許容範囲だよ」
僕もだいぶ基準がおかしくなってきたな。
ただ、何だろう。
1つだけ見逃せないのがあるぞ?
.........うん。
「魔導って何だあぁぁぁぁっっ!?!?」
魔法スキル全部きえちゃったんですけどぉぉっ!?
水と風に、付与と複合さえも消えたんだけど?
なにこれ、イジメですか? そうなんですか?
『ま、マスターっ、ひとまず落ち着こうよっ!』
「そ、そうじゃぞっ、落ち着くのじゃっ!」
「くっ! ふぅー、まぁ、そうだな...」
本気で何なんだこれは?
理に介入? ......よく分からないな。
「恭香? この"魔導"ってのは何なんだ?」
僕はまだ、この時知らなかったのだ。
僕がさっきまでさんざん馬鹿にしていたものが、影魔法や時空間魔法以上のチートだということに。
『やっと落ち着いたみたいだね...。魔導っていうのは、この世界の全ての理に介入できる──簡単に言えば何でも出来ちゃう──っていう魔法......いや、技能って言うのかな?』
...は?
な、何でも出来ちゃうって......え?
「...もしかしてチート?」
『もしかしなくてもチート。過去も含めると魔導の神髄まで到達した例は片手で充分に足りるからね......。』
「は、はは、ははははっ......」
僕は一体どこへ向かってるんだろう?
そんな事を思った僕であった。
☆☆☆
僕が瞳孔の開ききった目でボーッとしていると『マスター? それだと死んでますよ?』うん、知ってる。
とにかくボーッとしてると、白夜がこんなことを言い出した。
「それで、じゃ。ここから先にはどうやって進むのじゃ?」
あ、確かに。
ダンジョンだなんて言うくらいなのだから、ダンジョンコアとかそういうの無いのかな? 魔導銃作るのに少なくともSランク以上の魔石が必要なんだよなぁ......もうさっきの骸骨から取っちまうか?
そんな事を考え始めるていると、
ゴゴゴゴゴゴゴッと、またもや地震が。
「主様っ! 今度は注意するのじゃぞ!」
「ああ、わかってる! 恭香も気づいたことあったら教えてくれっ!」
『うんっ、わかったよ!』
その揺れはここの部屋の扉が開いた時ほど大きくはなかったが、それでも変化はすぐに訪れた。この部屋の最奥、そこの壁が崩れさり、その奥からは...
「か、階段...?」
上へと続く階段が現れたのだった。
「な、なぁ、2人とも? これって行くべきかな...?」
「行くべきじゃろうなぁ...」『だよねぇ...』
なんだかとっても気が進まないが、仕方ないかなぁ...? この嫌がらせダンジョンの事だから罠は無いにしても、『残念!さっきのはラスボスの前の中ボスでしたー!!』とかありそうで怖いんだよな...。仕方なく階段に近づくも、今回は危険察知が働かない。うん、流石にそれは無かったか。
「危険ではなさそうだけど、もしかしたらこの先にこのダンジョンを作った張本人とかが居るのかもしれない。一応注意してすすもうか」
『...そうだねー』
「分かったのじゃっ!」
なんだか恭香の気のない返事が気になるが、僕たちは気を引き締めて階段へと足を踏み入れるのだった
が、
「「あれっ?」」
全員が乗り込んだところで、ふと階段の感触が無くなった。直後に感じるほんの少しの浮遊感。そして...
「何で階段じゃなく坂になってるんだぁぁぁっ!!!」
「い、入口が閉じてるのじゃぁぁぁっ!!」
『くっ、しかもローションがっ! 本当に嫌がらせだらけのダンジョンだねっ...』
僕は下り坂をローションまみれになりながらも、このダンジョンへ来てからのことを思い出していた。
道中に出てくるのはレベルの低いゴブリン。
にも関わらず中ボスはいきなりAAクラス。
次の部屋へ移動しようにも道のり詐欺。
最後の中ボス戦での精神攻撃。
そして先程のラスボス戦でのSSSランク。
そして今回の下り坂トラップ......。
もう、おうち帰りたい......。
☆☆☆
数分後、僕たちはやっとローション坂から開放された。
「痛ってぇ...これ、常人なら死んでんじゃないか?」
「うぷっ、うぅ、酔ったのじゃぁ...」
『......』
あの後、僕たちを乗せた下り坂はまるでジェットコースターのように僕たちを縦横無尽に滑らせたのだ。その合間合間に訪れる角度90度の崖。忘れた頃にやって来るローションの追加。そしてどこかで聴いたことがあるような笑い声......。恭香が途中からこんなんだった理由がやっと分かりました。
「くっくっくっ! やっぱオメェらおもしれぇなっ!」
目の前で僕たちを見下ろす一人の人物。
その声は前に一度聞いたことのあるものだった。
「と言うかよぉ? なんであの骸骨捕獲されてんだよっ! せっかく俺様が造ってやったダンジョンのボスに任命してやったのによぉ...。また新しいヤツ連れてこねぇといけねえじゃねぇかっ」
その人物は......
「え? お前って女だったの? 死神さん?」
人物じゃなくて神物でした。
ダンジョンマスターは死神(♀)っ!?
死神さん再臨です!




