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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第六章 聖国編
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ギンの決意

 それから数週間が経ち、やっと僕の身体から『悪鬼羅刹』の後遺症が抜けた頃。

 僕は訓練室で木の短剣を振りながら、ふと、このままではいけないような、そんな感覚を感じていた。


「レベルとステータスもアスモデウス、フカシとの連戦にケリュネイアのテイムで高くなってるし、スキルレベルも上がってる」


 そう、確かに僕はかなり強くなってきているだろう。

 だがしかし──


(果たしてこのまま行って、あの高み(・・・・)に届くのか⋯⋯?)


 そう、どこか漠然と、このままの成長速度じゃ母さんやグレイス、最高神の上位数名や、その上のゼウスや世界神。彼らに追いつく前に成長限界を迎えてしまうのではないか。そんな気がするのだ。

 確かに僕には様々な力が備わっている。


 全世界最上位の神器、炎十字(クロスファイア)

 神王ウラノスの代名詞、常闇のローブ。

 敗北知らずの最強の矛、神剣シルズオーバー。

 円環龍ウロボロスの魂が宿る、災禍(ヘイルテンペスタ)

 時間すら刈り取る大鎌、アダマスの大鎌。

 ありとあらゆる存在を捕縛する、グレイプニル。

 世界で唯一混沌に対抗できる力、開闢(ジ・オリジン)

 空間を司る最高峰の魔眼、月光眼。

 原初の神のみが使用できるとされる、原始魔法。

 そして何より──この身に宿る、影の力。


(何一つ⋯⋯、何一つとして、僕はこれらを、使いこなせてなんか無い)


 そうだ。

 考えても見ろ。

 最高位の神器の、聖獣白虎の力はこんなものか?

 神王ウラノスの代名詞は、この程度の能力か?

 ウルの本来の力は、あのゼウスよりも劣っているか?

 ゼウスから受け継いだあの二つの武器は、サブウェポン程度の力しかないのか?

 あのユニークスキルには、ソレしか能力が無いのか?

 月光眼の能力は、空間を把握するだけの便利能力か?

 原始の魔法は、果たして魔導と同程度のものなのか?


 この影の力は──この程度のものなのか?


 その答えはすぐに出る。

 否──断じて否だ。

 僕は何一つとして力を使いこなせていない。

 スキルレベルこそ上がっているが、僕は新たにできるようになった、言うなれば『それらの新天地』へと足を踏み入れていない。

 今の僕はきっと、スキルが使いやすくなり、出力も上がり、熟練しても尚、最初から使える能力だけしか使用していないようなものだ。

 例を挙げるとすれば、影魔法で言うところの『影刺』だけしか使っていないようなものだろうか。

 影縫いも、影分身も、影潜も、百鬼夜行も、蒼影牙も、影纏も、ヘルプリズンも、悪鬼羅刹も、使えるのに使わない。

 ──否、使えることを知らない。


 そんな状態は使い慣れているとは言っても、決して使いこなせているとは言わないだろう。


 なればこそ、僕が今すべき事はなんだ。

 白夜と輝夜へと言った通り、港国オーシーにでも行って和やかに過ごすのか?

 こうして一人、ただ黙々と訓練を続けるのか?


 ──違うだろう?


 きっと、僕が今すべきことは──



「⋯⋯よし、決めた」



 僕は一人そう呟くと、踵を返して歩き出す。

 果たしてこの選択が吉と出るか凶と出るか。

 そんなのは分からないが、日本にはたしかこんなにことわざがあったはずだ。


 ──思い立ったが吉日。


 なればこそ、この選択はきっと『吉』となるのではなかろうか?




 ☆☆☆




「「「「旅に出る!?」」」」


 僕は荷物をまとめながら、皆のその言葉を否定した。


「いや、正確にはちょっとした人⋯⋯じゃないや、神探しだよ。そのついでにちょっとこの大陸中を探し回ろうかと思ってさ」


 そう、僕が決めたこととは単純明快。

 僕の力を知り尽くしているであろうあの人物を探し出し、グレイスから教わったような『戦い方』ではなく──今度は『力の使い方』を教わろうという訳だ。

 まぁ、アレ(・・)を使えば一発で連絡がつくような気もしないでもないが、幾つか事前に寄っていく場所もあるしな。

 僕は長期保存のできる食料と生活に最低限必要なものをその『金宝竜の皮袋』へと入れると、その口をきゅっと紐で閉じた。

 するとどうやら今になって僕が本気だということに気がついたのか、事前に知っていたであろう恭香は黙し、その他の白夜たちが騒ぎ出した。


「ちょ、ちょっと待つのじゃ! 主様は強いじゃろう! なんでわざわざそんな⋯⋯ッ!」

「そうだぞ主殿よ! 我らは未だ弱く、頼りないのかもしれないが、そんなものは更にもう一段階進化すればいい話! この先があるかは分からぬが、それでも我らはやり遂げてみせるぞ!?」

「ふむ⋯⋯、その通りであるな。だが、主殿がわざわざそんなものを作ったということは、それはつまり主殿も本気だと言うことであろう?」


 白夜、輝夜、レオン。

 この世界に来て最も付き合いの長い三人が口を開いた。

 白虎と輝夜はかなり不満そうだが、僕はレオンの言葉にしっかりと首肯した。


「あぁ、今回ばかりは曲げられない」


 そう、僕はこの決定だけは覆すつもりはない。

 クロエ、常闇、ウルの力に関しては本人に聞けばいい話だし、ウルに至ってはその他の力についてもかなりの情報量を持っているだろう。

 だがしかし、彼女をもってしても『影』に関しては例外だった。

 なにせ、


『影⋯⋯ですか。影について私の知っていることは、実体がなく、触れることも出来ず、全てのものに存在するありふれたモノ、と言うくらいですかね? 私自身、影魔法という存在自体、あの方と戦って初めて知りました』


 ──との事だった。

 輪廻転生を司る⋯⋯って言ったらなんだかケリュネイアを想像してしまうが、それはともかくとして。

 あの円環龍ウロボロスでさえ使い方を知らないとなると、それはもう本格的に僕の独力では限界しか見えてこなくなる。

 だからこその言葉だったが、


「わ、私は反対なのですっ!」


 意外にも、一番強い反対意見を僕へと告げたのは、あのオリビアであった。


「ど、どうせギン様のことです! 皆で頑張ればいいって言っても聞かないのです! 一人で行っちゃうのです! それは嫌なのですっ!!」


 よく見れば彼女の目尻には涙が溜まっており、彼女が言った言葉は、一言一句違うことなく全て正しかった。

 だからこそ僕はそれを否定しなかった。

 フカシは──アルファは僕をこう呼んだ『誰も信用出来ない、賢いだけの凡人』と。

 信用はしている⋯⋯つもりなんだ。力も借りたい。けれども、それには少しばかり今の彼女らは──弱すぎる。

 なればこそ、僕がそれらをカバーできるほど、強くなるしかないじゃないか。


「そうだな、確かに僕は大勢で行くつもりなんて毛頭ない。一緒に行くとしても、たまたま同じ相手に用があったりする奴だけだ」

「なら⋯⋯っ!」


 僕は、オリビアが口を開こうとしたところで、そのおでこをトンっと指で押した。

 この実力(ステータス)差だ。とっさに身構えることの出来なかったオリビアは思わずたたらを踏み、キッと僕を睨もうとして、


「僕としばらく会えない気がして寂しいのか?」

「なぁっ!? ち、ちち、違うのですよっ!」


 図星すぎる僕の言葉に、その顔を真っ赤にして叫びだした。

 僕も鈍感ではない⋯⋯と言ったらまた恭香や浦町に何か言われそうだが、元々僕は他人の感情の機微に聡すぎて孤独になったのだ──孤独を選んだのだ。

 だからこそ基本的に相手が何を考えているかは理解できるし、詳しいことは分からずとも、どんな感情を抱いているかくらいは分かる。


(まぁ、中には何考えてるかわからない連中も居るんだけど)


 主に穂花とかリリーとか。

 僕はとりあえずその考えを横に置いておくと、オリビアの瞳をじっと見つめて口を開く。


「まぁ、確かに今回ばかりは年単位で離れることになるかもな」


 そう、今回ばかりは僕も年単位で修行に励まなければならないと思う。

 まず一つ、僕の持つ能力がどれもこれも一筋縄では使いこなせそうにないから。

 そして二つ、少々僕の名前が目立ちすぎているから。


 一つ目に関しては言わずもがな、聖獣白虎に聖獣玄武、円環龍ウロボロスに、あれ以降一度も声を聞かないあの謎の声と、神剣シルズオーバー、その他諸々。

 僕はこれらを数ヶ月で使いこなせるとは思えない。

 それこそ一年⋯⋯二年⋯⋯、いや、三年ほどはかかるかもしれないな。


 二つ目に関してはこれも語る必要は無いだろう。

 僕が求めているのは仲間達との平穏な生活だ。

 そのために力を求めたし、どんな障害をも跳ね除ける絶対的な強さ──最強の座が必要不可欠だった。

 だがしかし、現状はどうだろう?

 たしかに僕が『力を求めている理由』に気がついたのが遅かった、というのもあるが、僕はあまりにも、大きく動きすぎた。

 今や僕の顔を知っているものは大陸中でも半数を軽く超え、街を歩けば人が押し寄せ、我が家は平穏とはかけ離れた状態にある。

 今更になるし自業自得にもなるが、僕はこんな状況は、望んでいなかったのだ。

 だからこそ、その三年間は世間とは繋がりを絶ち、恐らくこれから台頭してくるであろう、久瀬竜馬、桜町穂花、ゼロ、アルファ、ギルバートなどに──言うなれば、ヘイトを集めようというわけだ。まぁ、そういうゲームなんてやったことないから良くわからないんだけれど。


 僕はそれらを噛み砕いて説明すると、先程まで泣きそうな顔をしていた──と言うか半ば泣いていたオリビアは何とか立て直し、ほかの面々も渋々と言った感じで頷いた。


「んじゃあ、俺らもなんかかんか行動に移らねぇとな」


 そう言ったのはマックス。

 僕はもう既にこれからどうするかは決まっているが、ほかの面々については全くと言っていいほど決まっていないのが現状である。

 まぁ、それもこれも僕が独断専行で動いたせいなのだが⋯⋯。今になって考えるとなんて迷惑野郎なんだ、僕は。

 そう内心で落ち込んでいると、恭香が俯いていた顔を上げ、声を上げた。



「ねぇ、私に案があるんだけど」




 ☆☆☆




 付近の山の中腹。

 そこにある小さな広場にて、僕は切り株に座り込み、眼下に広がるその騒動を見つめていた。


「あちゃー⋯⋯、皆パニクってるぞ、おい」

「知らないよ。契約書にも『責任は取らない』って書いておいたし」

「カカッ、主様のお零れにあずかろうとした罰じゃな!」


 とんだ正当な詐欺もあったもんだ。

 僕はそう呟きながら、かつてクランホームがあったそこへと視線を移す。

 そこには少し大きめな看板がたっており、住民達はその看板を穴が開くのではないか、とばかりに見つめている。

 そこに書かれているのは単純明快。


 ─────────────────

 《執行機関、休業と移転のお知らせ》

 この度、僕の率いる執行機関は休業することとなりました。

 恐らくは数年は姿を表さないと思いますので、何卒僕らのことは忘れ去って好き勝手に生きてください。

 では、ごきげんよう

 ─────────────────


「はぁ⋯⋯、何が『ごきげんよう』だよ」

「え? 似てるでしょ、文体」

「人の言葉を文体とか言うな」


 そう、あの言葉は恭香がテキトーに考えて書いた言葉である。

 あの後恭香の案に乗った僕達は、それぞれが目的地へと向けて出立し、それと同時にあの土地を引き払った(・・・・・)

 確かにかなりいい土地ではあったのだが、けれども僕からすればただ意味もなく不便な場所でしかなく、さらにいえば未練もなかった。

 まぁ、それらはこれからエルグリットに話をつけに行くのだが⋯⋯、



「まぁ、僕ら三人は一緒に行動、って感じだな」



 そう言って振り返ると、そこには懐かしい二人の姿が。


「まぁ、あの時は私は本だったんだけどね」

「ふむ! 踏みつけられてた時の羨ましさと言ったら無かったのじゃぞ!」

「そう言えば踏みつけられてたねぇ⋯⋯」


 そう言って遠い目をする恭香。

 いや、だってあの時とか全然好きじゃなかったし? 正直好きだったのとかそのロリロリボイスくらいなものだったし? 正直生意気だっ⋯⋯ごほん。


「まぁ、アレだ。愛してるぞお前ら⋯⋯って痛い!?」

「⋯⋯蹴るよ?」

「蹴ってから言うなよ!?」


 僕は恭香に思いっきり蹴られた脛を擦りながらそう叫ぶと、丁度それと時を同じくして、突如として目の前の空間が割れた(・・・)

 そして、その中から聞こえてくる話し声。


「いやーっはっはっは! まさかこの三人にローテーションで教えを乞おうなんて酷い弟子候補も居たもんだね!」

「そうねー、我が子ながらなんて子に育ったのかしら。昔なんてあんなに可愛⋯⋯ちょっとミコちゃん! なんでそんなに嫌そうな顔してるのよ!」

「ミコちゃん言うなこの野郎!」

「野郎じゃありませ〜んも〜ん」


 そうして現れたのは、長身の黒髪の男性。

 続いて白髪青眼の天魔族の女性。

 そして──ミコちゃん(笑)。


「テメェ、ぶっ殺されてぇのか? あァ!?」

「いや、死にたいわけないじゃん。冗談キツイよミコちゃん」

「ぶっ殺すッ!」


 そう言って僕へと突撃してくるミコちゃん──改め死神ちゃん。

 そしてそれを抑える母さん──時の歯車のリーダー、リーシャと、その背後で笑みを浮かべている父さん、神王ウラノス。

 見事なまでに髪色が白と黒に分かれてしまったが、それはまぁ偶然として、


「にしてもよく考えたねぇ。銀の影の師匠に死神ちゃん。白夜ちゃんの時空間魔法の師匠に時空神クロノスの父である僕、そして⋯⋯まぁ、うん。そんな感じ?」

「ちょっとアナタ? なんで私だけ何にもないの?」


 ついでに言えば恭香にも何も無いのだが。

 けれども恭香曰く、

『私に関しては自分に眠ってる能力も全部把握済なんだよ。だから私は、行きたいところについていく』

 ──との事だった。

 全く、甘えん坊もいい所である。あの甘えん坊藍月でさえ引いたというのにも関わらず全てを言葉でねじ伏せて付いてきやがった。


「⋯⋯ダメ、だった?」


 僕の心を読んだか、恭香がそう不安そうに聞いてくる。

 まぁ、正直僕は一人で死神ちゃんのところに行く予定だったから予定は崩れてしまった訳なんだけれど。

 僕はそこまで考えた上で、こう告げた。


「僕が恭香を否定するわけがないだろう? 冗談ならまだしも、本気だったのなら尚更だ」


 きっと、僕の顔には笑みが浮かんでいることだろう。

 三年間も彼女達と、恭香と離れるのは僕としてもかなりのストレスが──負担がかかる。

 だからこそ、正直いえば彼女がここにいることにかなり安堵しているし、僕、恭香、白夜という一番懐かしい組み合わせに、少しだけ感動している僕もいるのだ。


 僕は、背後の町並みを見下ろしながら、思い出す。


 僕は、死神カネクラへ。


 白夜は、神王ウラノスへ。


 輝夜は、冥府神ハデスへ。


 レオンは、雷神トールへ。


 騎士組は、創造神エウラスへ。


 暁穂は、狡知神ロキへ。


 藍月は、海皇神ポセイドンへ。


 伽月は、世界竜バハムートへ。


 浦町は、地母神ガイアへ。


 ソフィアは、寵愛神エロースへ。


 それぞれがそれぞれの相手へと弟子入りし、ネイル、そしてミリーに関してはソフィア、エロースと共に移動した先のアブソリュートで留守番──ないしは修行である。


「全く、とんでもないことになりそうだ」


 約束は、三年後。

『三年後に、またここで会おう』

 僕はあの眼下の街の、クランホーム跡でそう言った。

 オリビアがやっぱり泣いてしまったが、それでも皆、しっかりとその言葉に頷いてくれた。

 なればこそ、彼らはきっと、その約束を守るだろう。



「三年間⋯⋯、うかうかしてたら、誰も彼もから抜かされちゃうかもしれないな」



 僕はそう呟くと、その景色へと踵を向ける。

 振り返った先には、やる気に満ち溢れた表情の二人に、僕らを楽しげに見つめてくる教師側の三名。


(執行者は、一時休業だ)


 今日から僕は、ただの一生徒に成り下がろう。

 再び執行者の看板を背負うのは──僕が、安心して暮らせるだけの力を身につけた時だ。



「じゃあ、父さん、母さん、死神ちゃん。今日から三年間、どうぞ宜しくお願いします」



 僕は燃えるような意思を胸に、三人へとそう、頭を下げた。


いつもご愛読ありがとうございます。

ここでこの物語はひと段落です。

次回、大規模な人物紹介を挟んで数ヶ月後の物語である『番外編』が開幕。その後に彼らの物語が再開です。

中には『そんなの面白くないから早くギン出せ』と思っている人もいるかもしれませんが、まぁ、伏線とか色々ありますので。

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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