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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第五章 学園編
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第267話

この学園編もあと四話で終幕です。

いやはや長かったですねぇ。

あと、かなり昔に『こんな技あったらチートだよね!』とか感想に書いてくださった方。やっとギンくん使えるようになりましたよ。

その女が何かを命令した直後に現れた『災禍(ヘイルテンペスタ)』によって完全に固まった魔物達。


だが、それもある意味仕方ないことだろう。


なにせ、この魔物達はその魔物という概念の『頂点』の力を前にしているのだ。敵ながら同情するよ。



「だからといって、逃がすわけでもないけどな」



僕は彼らへと向けて杖を一閃する。


次の瞬間、その群れの戦闘の集団、その足元から禍々しいダークレッドの影が各々の身体を突き刺し、そしてその体内の───全ての影が僕の支配下となった。



「『影千本』!」



瞬間、彼らの体内を占める全ての影が内側からその身体を食い破り、その身体から幾千もの血色の針が姿を現す。


影千本───それは対象の体内の影に直接間接問わず触れることでそれらへと軽く魔力を流し、僕の魔力を纏うことによってやっと感じられるようになった相手の体内の影を、自由自在に操る魔法だ。


その上、第三段階であるこの『災禍』の時点で使用できる能力の内二つが、『属性強化』と『絶対破壊』である。特に属性強化は何故か影魔法とは相性が抜群なのだ。


まぁ、相手の体を内から破壊するという面では凶悪極まりないが、相手の身体の中に僕の魔力がずっと留まり続けるはずもなく、大体は一回につき一度使える程度の効率面では今ひとつな魔法である。

それになにより、Deus級のガチな化物ならこんなの食らってもすぐ回復しそうだしな。



───逆に、SSS以下なら一撃で重傷を負わせられる自信があるが。



僕は杖の石突を地面へとつき、前方を見据える。


僕の前方数十メートルは魔物達の見るも無残な死骸が浮かぶ血溜まりが出来ており、先程まで怯えながらも歩み出していた魔物達もその一方的な虐殺に立ち止まっていた。


だがしかし───わざわざここまで殺しに来ておいて、今更自分の命が助かるとも思っていないだろう?



僕は指をパチンと鳴らすと、それと同時に僕の前方へと幾筋もの白銀色の電気が流れた。



「『導電回路(レヴィアンダール)』」



そして───



「『電流体(エレクトロマイン)』」



瞬間、僕の身体中からバチバチと電気が放出し始める。


『導電回路』と『電流体』。


それぞれの能力としては“白雷の範囲攻撃”と“速度特化の身体強化”でしかない。

だがしかし、えてして同一系統の能力は、組み合わせることによって極悪極まりない効果を発揮する。



「ナイフはないから“長剣版”だ」



僕は十字架の上端部を掴み、十字剣のようにその杖を構えると、その電気の筋に触れる。



───瞬間、僕の姿はその場から掻き消え、




「せめて楽に逝け。『暗殺(アサシネイト)』ッ!」




次の瞬間、その導電回路の付近にいた魔物達の首は一刀のもとに断ち切られており、その数は切った感覚からいえば百は下らないだろう。


導電回路と電流体。


導電回路は文字のとおり『電気を導く道』であり、僕は電流体と使うことによって自らの身体の性質を電気に似せた。

するとなんという事か、僕は電気の速度でそれらの導電回路を移動することが出来るようになるという訳だ。


まぁ、空間を司る月光眼による補助がなければ出来ない芸当だが、その圧倒的早さに加えて僕の暗殺技の一つ───死角から急所を狙い絶命させる『暗殺(アサシネイト)』を使用すると、それらは見事なまでの化学反応を起こす。



僕は尚一層増えたその血溜まりを背に、何故か剣としても使える不思議な杖を杖として持ち直す。


視線を彼らへと向けると、どうやらそろそろerror級が動き出すようで。




「グキャァァァァァァァッッ!!」




神話の怪物───ヤマタノオロチが遂に動き始めた。




☆☆☆




ヤマタノオロチ。漢字表記では八岐大蛇だったろうか。


深い青色に染まった鱗に、金色に輝く八対の瞳。

目測でいえば体高は頭の先までで測ると五十~七十メートル前後であり、その頭の先から尾の先までを考えると、なるほど輝夜の使い魔が『測定不能』と言うのも理解できる。


ヤマタノオロチという魔物は日本神話で語られているように、かつてスサノオという神が討ち滅ぼした伝説の魔物であり、ヤマタノオロチのその異常なまでの回復力は、同じ蛇であるヒュドラの比では無いとまで言われている。


だがしかし、そうなるとそんな回復力を持つ魔物をどう攻略すればいいのか、という話になるが、それに関しては運がいいことに、僕はかつてヤマタノオロチを葬り去った“天羽々斬”を所有している。ならば後はその天羽々斬でスサノオが行ったようにその体を粉微塵に切り刻めばいい話なのだが───



「はぁぁぁぁッ!!」



僕はそのヤマタノオロチの噛みつきを躱すと同時、すれ違いざまにその首へと天羽々斬を振り下ろす。


そこはさすがの天羽々斬、斬れないなんて事はなくその硬い鱗を貫通し、その首へと確かに傷を負わせた。



───だがしかし、相手は常に動いている生き物だ。



僕は鱗を貫通したところで他の首からの噛みつきが向かっていることに気がつき、咄嗟に刀を抜いて緊急回避に移る。


そう───破壊できないなんてことはないのだ。

そもそも天羽々斬の切れ味だけでも充分貫通できるレベルだし、それで不可能なのであれば災禍───ヘイルテンペスタの能力『絶対破壊』を付与すればいい。


だがしかし、破壊は出来るのだ。

問題は破壊し終わるまでの時間が足りないこと。



───端的にいえば、近接戦闘のステータスが足りない。



正直影神モードの魔力値だけならば素のゼウスの太ももからヘソ位までは達しているだろう。だがそれは僕が魔力特化のステータスをしているだけで、それ以外はさして凄いわけでもない。


ならばいっそ、遠距離攻撃をしてみるのもアリかと思ったが、先程放った魔法は全て当たり、ダメージを与えたものの、それらは僕と似たような回復速度で修復されてしまった。



「いやぁ、なんだか余裕って感じでここまで来たものの、ラスボス前の中ボスの時点でこの強さとか結構シャレにならないんじゃないの?」



そう呟きながら躱しざまに一度二度三度と連続で切り込んでゆくが、それも次の攻撃を躱し、再び視線を向けた時にはもうほとんど回復されていた───もうほんと嫌になっちゃうな。僕を相手にしてたヤツらの気分が分かったよ。



「さて......どうしたもんかな」



そう呟いて一度距離をとる。

正直このまま続けていても埒が明かないし、あちらの不死力とこちらの集中力の比べ合い───いわゆる泥試合となる。それはあの大悪魔の思う壺だろう。


ならば何かしら起死回生の策を弄さなければならないのだが───




「おいクロエ、アイツ相手に少しでいいから時間稼げるか?」




僕はクロエにそう話しかける。



『ハッ、私達はerror級の最上位だぞ? 今はまだお前が弱えから本調子じゃねぇが、それでもアレの相手くらいは務まるに決まってんじゃねぇか』



考える素振りもなく答えられるその声には、多少なりとも『虚勢』の感情が混ざっていたようにも思えるが、今の状態でアイツを抑えられるというのだから、本調子ならどうなるのか気になって仕方が無い。


僕はフッと左手を前へとあげて掌を下へと向けると、炎十字(クロスファイア)第三段階目の能力───その本来の力を呼び覚ます。





「『具現化・白虎召喚』!!」





瞬間、僕の前方の地面へと巨大な魔法陣が映し出され、それと同時に白銀色の魔力が勢いよく集い出す。


銀炎、銀氷、銀雷。


それら全てを兼ね備えた今だからこそできる、その力の根源の召喚。



数秒後、フッとそれらの魔力の流れが落ち着き、気がついた時にはその魔法陣は消え去っており、その代わり、そこには見覚えのある一頭の虎が立っていた。


身体からは銀炎が溢れ出し、その姿はまさに威風堂々。


絶対的な───強者の姿。




『ハッ、これが噂に聞く“久々のシャバの空気”って奴か? 血生臭くて嗅げるもんじゃねぇぜ』




神器・炎十字に宿る聖獣───白虎が、今ここに解き放たれた。




☆☆☆




神器・炎十字の第三段階───命名、聖獣モード。


この第三段階目で使用できる能力は、僕がバリバリ使っている『銀滅雷牙』と、今使用した『具現化』である。


正確には具現化は具現化で色々と分かれているのだがそれはともかく、今重要なことは───



『んじゃァ行くぜェ!!』



───クロエが、必死に時間を稼いでいてくれるということだ。



瞬間、クロエの全身から銀炎が吹き出し、ヤマタノオロチ目掛けて一直線に地を蹴り駆け出す。


僕はその姿を見送ると同時に両手をパンッと合掌して、ふぅと肺の中の息を吐き出す。



「ホンっと、急に飛び出してきたのはアレだったけど、誰か一人くらい救援に来てくれてもいいんじゃないですかねッ」



───主にグレイスとか死神ちゃんとかさっ!



そうひとしきり愚痴を叫んだ瞬間、僕の全身から大量の魔力が吹き出し、左頬───魔力回路の跡が急激に熱を持ったかのごとく熱くなる。




「『我が呼びしは悪鬼の王』」




これは夏休みの最中、合コンの合間合間を縫って死神ちゃんが僕へと教えてくれた最強の強化魔法(・・・・・・・)




「『天界にて暴虐を尽くし、冥府に降りても敵は無い』」




それはかつて、短剣に降ろしただけで地形を破壊し、周囲の環境へと絶大すぎる影響を与えた───一種の禁呪。




「『その名は最強にして最凶』」




その魔法の正体は───対象へと鬼を降ろすこと。




「『我が名はギン=クラッシュベル』」




死神ちゃんも含めた、普通の使い手ならば武器にその鬼を宿すことで圧倒的な力を得、防具に降ろすことで絶対的な防御力を得る。


───それが、普通の使い手だったならば。




「『召喚に応じ顕現せよ』ッ!」




僕が今回選ぶ対象は───己が身体そのもの。


それは純血種の神祖の回復力と、魔力回路による馬鹿げた頑丈さと魔力順応率の高さを誇るこの身体だからこそできる芸当であり───普通ならば身体が持たず、数秒で死に至る。


使用方法を守った上での禁呪を、死に至るほど危険で、そして最もその力を引き出せる方法を用いて使用する。




───その結果、どうなるか。





「力を寄越せ!『悪鬼羅刹』ッッ!!」





───答え、馬鹿みたいに強くなる。



※悪鬼羅刹:対象を選択して『羅刹』という鬼を憑依させるという能力。


普通は武器や防具にやる所を生身で受けるとは、いやはやギンくんハチャメチャですね。馬鹿なんじゃないですか?

ちなみに輝夜戦ではブラッドナイフに降ろして使用しました。

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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