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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第五章 学園編
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第261話

僕は予言通り誰一人逃がさず城を『刻焉の氷獄』の中に封印し、月光眼によって旗の位置を捜索後、そのままでも点数は貰えるらしいが、一応僕は旗のみを掘り起こして今度は帝立学園の方へと飛び立った。


───っていうか何、この旗って外壁掘り起こして埋めても大丈夫なヤツなの? ずっと城内探してたから見つけるまでかなり時間かかったんだけど。これ考えたヤツかなり頭良さそうだな。


そんなことを考えながら影の竜に乗っていると、帝立学園に近づくにつれ、何故かあちこちから絶叫と爆発が起こっているその様子が見て取れた。


まず最初に目に付いたのは影の竜より少し小ぶりな霊竜シャープと、見覚えのある爆炎と魔闘気。


そして次に地べたを這いずり回っている帝立の生徒たちと、それらの首へと容赦なく止めを差し込んでゆく悪魔達。



「いや、ちょっと何あの人たち......。やってる事が外道すぎてちょっと引くんだけど」


「グルルルル......」



───ほら見たことか、影竜ちゃんも怯えてるじゃないか。


僕は素人目に見ても怯えている影竜ちゃんの首筋をなでて落ち着かせると、流石にあの真っ只中に行くつもりは無かったので、近場の草原に着陸してもらい、影竜ちゃんを返還した。


ちなみにだが、今の影竜ちゃんは僕の新たなスキル『眷属召喚』によって呼び出された僕の眷属である。

その他にも死霊系の黒騎士やスケルトン、ゾンビ、ヴァンパイアはもちろん、探索用にコウモリや狼なんかも呼び出せる。


そしてその一番有用な点が、それらの眷属たちとの視力や聴力を共有できるということだ。


だから、コウモリや狼といった闇夜に目立たない動物達を召喚して相手の本拠地へと潜り込ませ、僕は全く別な安全地帯でお茶を飲みながらもそれらを確認できるというわけだ。


補足説明としては、眷属とはどれだけ離れていようと意思疎通が可能であり、言葉こそ話せないが眷属たちは僕の言葉は理解でき、僕も彼らが何を思っているかはなんとなく理解できる。ちなみにさっきの影竜ちゃんは結構ガチで怯えてました。あの惨殺劇に。


それと、どうやら彼らは不滅らしく、死んだところで再び召喚されれば意思や記憶が引き継がれる。そのため眷属たちは死というものに恐れはないらしい。まぁ、言うなれば理性あるバーサークである。



閑話休題。



長々と説明してみたが、簡単に言えばゲームでいう『サモナー』みたいなものだ。しかもそれの完全なる上位互換。使い方次第ではまさにチートとなりうるだろう。


と、そんなことを考えていると、いきなり上空からファンファーレが鳴り響き、ビックリして視線を上げると、そこには、

───────

結果発表!!

王立45p

帝立0p

魔立0p

───────

とスクリーンに今回の結果が浮かび上がっていた。どうやら帝立学園の生徒達も全滅したようだ。南無。


僕はパンパンとヌァザの神腕を出して、手を二度叩いて合掌すると、ふぅと息を吐いて帝立学園の城の方へと歩を進める。



───さて、これで王立の総合ポイントが70を超えたはずだが、果たして他の学園に勝ち目はあるのだろうか?




☆☆☆




その後、僕らは元のステージへと帰還し、大歓声が響く中控え室へと戻ってきた。


もちろん皆に『眷属召喚』について聞かれたし、グレイスからはこれでもかってくらいお褒めに預かったわけだが、僕はとりあえず皆に「まず飯にしよう」と声をかけた。


正直二時間も予定されていた攻城戦が二十分足らずで完了してしまったため未だに十二時前だが、午後からは三対三の掃討戦だと言うではないか。ギリギリになるよりは早めに食べておいた方が良いだろう。


と、そういう訳で僕は執行機関のメンバーを連れて会場内に設置されている食堂へと来たわけだが───



「むぅぅぅぅっ!!」



僕の目の前には珍しく本気でむくれてる白夜が居り、その視線は僕の太ももの上で丸くなって寝ている仔竜へと注がれていた。

それは身体に小さく影を纏ったような可愛らしい黒竜───お分かりだろうが、影竜ちゃんである。


僕が眷属召喚について説明する際、わかりやすい方がいいだろうということで小型化した影竜ちゃんを呼び出し、するとドラゴン枠を奪われたとでも思ったのか、白夜がいきなりむくれ始めたのだ。



「なぁ白夜、ドラゴン枠って言ったら伽月の時点でアウトだと思うんだけど」


「伽月は敵じゃないからいいのじゃっ! じゃが、そのふざけた名前の小童はなんじゃ! いきなりサラッと出てきて主様の膝の上を独占とか......、あぁぁぁぁっ! 何じゃこのもやもやは! とにかく嫌なのじゃぞ主様!!」



───なにそれ嫉妬?


なんだか少し嬉しくなってしまったが、だからといって我が子である影竜ちゃんを蔑ろにしていいはずもない。



「そんなに膝枕して欲しいならお前も小型化すればいいだろうに。影竜ちゃんと同じくらい小さくなってくれればある程度融通利かせるぞ?」


「むむむ......、分かったのじゃ。二番煎じっぽくて少し遺憾なのじゃが、その小童が起きたら今度は妾の番なのじゃ!」



白夜も僕が譲る気がないのを察したか、すごい不満そうだがしぶしぶ納得してくれたようだ。


僕はホッと安堵の息を吐き、大盛りの豚丼をガツガツと口にかき込んでいる白夜を微笑ましそうに見つめている皆へと視線を向ける。



「今のところ問題らしき問題は酔っ払った客が暴れただとか、予約してない貴族が来て騎士達を脅してきただとかそんなのばっかりだけど、皆からは見て何か問題はあったか?」



僕はお冷を飲みながらそう聞くと、オリビアとマックスは考えるまでもなく首を横に振り、客席で警備をしながら見ていたというアイギス、ネイル、藍月、浦町もお互いに顔を見合わせて首を横に振った。


ならば残るは白夜と輝夜な訳だが......、



「あらははひはんひょ、あふひほほのゆう───」


「白夜は主殿の応援ばかりで全く役に立たなかったぞ。我は一応、この会場を中心とした半径十キロにわたって小型の魔物達を使役して警戒中だ。見つからぬようにと命令しているからそこまで詳細な情報はないが、今のところは不自然な魔力の動きは無いな。強いて言うならば主殿の魔力が高すぎて冥府の魔物達が怯えておるくらいだな! クハハッ!」


「なるほど、ありがとう輝夜」


「......んぐっ、あ、主様っ! 妾はきちんと主様の勇姿を見ておったのじゃぞ! ......あ、そうじゃ、そうじゃたな! ついでに異空間から侵入して来んように時空間魔法で見張っておったのじゃ!」



どうやって異空間から侵入出来ないように時空間魔法を使用するのか詳しく聞いてやりたいところだが、僕は彼女はやる時はやる奴だと信じている。それこそ恭香や浦町と同じくらいに、な。


だからこそ僕は、微笑みながらこう言うのだ。



「白夜、僕は信じてるぞ」


「う、うぐっ......、ご、午後からはちゃんとやるのじゃ。じゃからあんまり詳しく聞かんで欲しいのじゃ」



たった一言で相手の罪悪感によってできた切り傷に塩を練り込む。まさに最高の褒め言葉だな。


そうして僕は、スヤスヤと眠っている影竜ちゃんを撫でながらも、次の掃討戦へと思いを馳せるのだった。




───決して、周囲への警戒を怠ることなく。




☆☆☆




そうして昼食も終わり、僕ら執行機関もメンバーを分けて警戒にあたることにした。


僕と白夜、輝夜にネイル、そしてその他のメンバーに別れ、二つの班でそれぞれ会場中を見回っているのだが、やはりというかなんというか、僕の超直感にも未だ反応はなく、浦町の未来予測にも反応はないそうだ。



「まぁアイツらの事だし、来る的なフラグ立てまくって結局来ないで、その様子をどこからか見て嘲笑ってるのかもしれないな」


「ふむ、大悪魔とはそういう性根の腐ったカビチーズみたいなもんなのじゃ」


「クハハッ! なるほど大悪魔とは名ばかりなチキン共であるな! そもそもボスの名前が『混沌(カオス)』とか中二病もいいところなのだ!」


「ちょ、ちょっと皆さん! いくらご到着が遅いからってそういう陰口はやめましょうよ! もしもどこからか聞かれてて全員で来られたらどうするんですか!?」


「「「......諦める?」」」


「ダメじゃないですかっ!?」



そんなことを話しながら歩いていると、前方からゼロとどこかで見た金髪の獣人族が歩いてきているのが視界に入った。


───なんだっけあの獣人族......、キツネ耳にあのイケメンフェイスで、その上金髪......。どこかで見た覚えがあるんだけどな。


そう考えながらも歩いていくと、二人もこちらに気がついたのか、僕らへと手を振ってきた。



「あっ、お兄さん! 見てましたよさっきの魔法! 私と初めてあった時は炎使ってましたけど、あの銀色魔法って一体なんなんですか!?」


「あれは世界で唯一の僕のユニークスキルでな。名前を『白銀の処刑者ジャッジメント・オブ・ザ・シルバー』って言うんだが、聞いたことないか?」


「へぇー、全然聞いたことないや」



───何なら僕だって聞いたことないのだがな。


僕は背後からのジトっとした視線に負けて「冗談だよ、本気に聞くな」とため息を吐く。



「あれは僕の神器の能力だよ。それぞれ銀滅炎舞、銀滅氷魔、銀滅雷牙、氷と雷に関しては使い勝手が悪いからあんまり使ってないけどな」



にしても、咄嗟につけた名前を信じたの、アメリアに言った『月光眼ライトオブ・ティザレクション』に続き二人目だぞ? 流石にチョロ過ぎやしないか?


そんな考えが伝わったわけではないだろうか、ぷくぅっと不機嫌そうに頬を膨らませるゼロから視線を外すと、僕は「それじゃあまたな」と言ってその横を通り過ぎる。



───が、その直前で僕の腕ががっちりと掴まれた。



「おおっと、まさかここまで存在感を頭から否定されるとは思わなかったぜ。ちょっとアンタ、流石に男女で差別しすぎなんじゃないか?」



その声に振り向くと、そこにはガッシリと僕の腕を掴んでいる狐の獣人族が居り、初めて話した割に馴れ馴れしいその言葉に僕もついついタメ口で返してしまう。



「誰だよお前。それに僕は男女で差別なんかしない、差別するのはイケメンだけだ」



瞬間、女性陣から『何言ってんのこの人』という冷めた視線が僕の体に突き刺さったが、逆に聞こう。美人なお前達にパッとしない男の気持ちが分かるのか、と。


───まぁ、それを言ったら十中八九『美人』に反応してそれどころじゃなくなるから言わないがな。


僕はその男へと振り返ると、それをどう取ったか男は僕の腕を離し、ニヤリと笑ってこう言った。




「俺は『万物使い』って二つ名のマスターク、ってんだ! 警備を依頼されたクランである『金の神獣』のクランリーダーやってるぜ! 今日はアンタとのコネを作りに来たんだ!」




そうして僕は、名前すら聞いたことのないクランリーダーと知り合ったのだった。



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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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