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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第一章 始まりの物語
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閑話 白夜の努力

今回はオートマタ戦前夜の白夜です。

白夜の急激なレベルアップについてですね。

ギンがこの世界に来て最初の睡眠についた頃。


彼の近くで寝たふりをしていた白夜はのそのそと起き上がった。彼女は今日、彼の『従魔』としてではなく一匹の『ドラゴン』として彼に仕えると心に決めたのだった。



「カカッ、主様も今は弱いが、流石にこの成長速度は油断出来んのじゃ。妾もそれ相応に強くならねばならんのじゃ」



そう、とても嬉しそうに呟く白夜。

それは誰かに聞かれていないことを前提にしたものだったが、



『やっぱり起きてたね、白夜ちゃん』


「!? き、恭香殿も起きておったのか?」


『まぁ、白夜ちゃんが寝てないって分かってたからね。というか、私は本だよ? 睡眠なんて本当は必要ないんだよ?』


「うむぅ...妾にしては迂闊じゃったのじゃ......」



まさか恭香に聞かれるとは。

そんな後悔に襲われるが、彼女も仲間だ。

あまり隠し事は良くないだろう。



「うむ、先程言った通り、主様の成長速度は無視出来んからのぅ。妾も少し鍛え直そうかと思い立っての」


『そんな事だろうとは思ってたけど、睡眠時間は大丈夫なの?』


「カカッ、妾は500年も1人で生きておったのだぞ? 睡眠なぞ殆ど必要ではないわ」



そう、彼女は500年も1人で生きてきたのだ。

まだ弱かった上に誰も頼る人が居ない生活ゆえ、寝る暇もなく敵を警戒しなければならなかったのだ。睡眠時間が少なくても大丈夫な身体になるまでにそう時間はかからなかった。



『まぁ、それでも明日はボス戦になるかもしれないんだから早めに切上げて戻ってきてよね? マスターに迷惑かけるようなら許さないからね?』


「うっ、わ、分かっておるわ。妾の今の役目は主様の護衛じゃ。鍛えるのはその為じゃし、本末転倒になるつもりはないのじゃ」



いつに無く本気な恭香の声に戸惑うが、白夜自身もそれは望まない事だったので別に異論は無かった。やっぱり何だかんだでギンが大好きな2人であった。



「それじゃ、行ってくるのじゃ」


『うん、せめて4時間くらいにしときなよ?』



そんなこんなで、白夜は時空間魔法のテレポートを使ってダンジョンから出ていったのであった。




☆☆☆




場所は変わり、大陸の西に位置する未開地の北部。

そこに1人の銀髪の少女がいた。



───もちろん白夜である。



「うむ、ここに来るのも久しぶりのような気がするのぅ」



そこはおよそ1日前まで住処としていた山の頂上付近であった。白夜は修行するに当たってまずはここを訪れた。


何故ならば......、



「やはり、居るな」



白夜の直感はそう告げていた───()はまだここにいる、と。


自分を瀕死まで追いやった人物。

恐らく人族の上位種の半神種か亜神種だろうか?

どちらにしろ、今のギンより格上であることには変わりない。



「まぁ、肩慣らし程度にはちょうどいいのじゃ」



彼女は怪我が出ないギリギリまで身体をドラゴンの姿に戻すと、そのままその人族へと向かって滑空して行った。


向こうもこちらへ気づいたのか意気揚々とこちらへと歩いてきた。こちらの姿を見るとその男は顔に嘲笑を浮べ、武器すら構えずにこちらを見ていた。



(ん? あぁ、なるほどのぅ。こやつは自分の方が強いと勘違いしておるのじゃったか?)



1度も反撃せずにやられたのを思い出した白夜だった。



(まぁ、強さはともかくとして、相手の強さも測れん様では、主様よりもかなり器が小さいようじゃ)



この様子ではコイツ相手には勝負にすらならないだろう。

彼女は軽く失望しながらも、さっさとコイツを経験値に変えてしまうことにした。



「『ディメンションカッター』!」



時空間魔法Lv.1

ディメンションカッター

時空間を歪めて、その空間ごと相手を切り裂く魔法。

効果範囲は狭いが、その分、防御は不可能である。



すっかり油断していたその男は、気づいた時には首が胴体から切り飛ばされており、既に白夜の経験値と成り下がっているのだった。



仮にも亜神(吸血鬼で言うところの始祖)をLv.1で覚える魔法の一撃で倒しているのだ。時空間魔法のチート加減が分かるだろう。いや、それを使いこなせる白夜がチートなのかも知れないが。



「ふむ、やはり呆気なかったの。これならここの魔物の方がまだ手応えがあるのじゃ」



軽いレベルアップを感じながらも白夜は次の獲物を探しにその場から飛び去るのだった。





この夜、未開地からは、

Sランク15体、AAAランク38体、AAランク52体、Aランク83体。

それに加えてミラージュ聖国のSランク冒険者一名が姿を消したと言うが、その行方は白夜とそれを笑って見ていた竜神様のみぞ知ることであった。

ちなみに、

人族

ハイヒューマン

半神

亜神

現人神


となっており、ステータス表記としては、

人族(亜神)

と、いった様になっています。


ちなみにディメンションカッターを使ったとしても始祖は不死性が高いのでこうも簡単には行かないでしょうね。

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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