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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第五章 学園編
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第241話

色々な武器を練習してますが、彼は一体どこへ向かっているのでしょう?

僕はみんなからそれぞれの武器について習うこととなった。



───まず恭香から『杖』について。



杖についてだが、使い方としては基本的に魔力の制御、そして魔法の威力向上である。

僕の場合は鈍器としても使用しそうではあるが、僕の使用するであろう杖は僕の身長と同等サイズを予想しているので、その使い方は槍と似たようなものだと言われた。




───次にマックスから『剣』について。



剣についてだが、よく考えたら、この世界に来てからというもの昔アーマー君から奪い取ったボロボロの剣以外、僕は一度として触ったことがないのではないか、と思った。


まぁ、短剣ならば幾度となく使ってはいるが、ロングソードとなれば話は別だ。しかも今回に限って言えばかなり大きい。

そしてよく考えた結果、その時以外『長剣』というものに触った覚えがなく、「あれ、これって不味くね」と思った僕ではあったが。



「フッッ!」



僕はヌァザの神腕を使用して剣を抜き放ち、一メートルほど先に設置されていた木偶人形を一刀のもとに切り伏せる。



───まぁ、結果から言えば、以外にも出来てしまったのである。



正直これは『刀』としての使い方かとも思ったし、なぜ使えるのだろうかとも思ったが、恐らくは幼少期───それこそ混沌に故郷を滅ぼされる以前に習っていたのではないかと思う。

それに何より、ダンジョン内で『流水風牙』とかいうパッと考えたような名前の大太刀を使っていた覚えがある。あの時にでも覚えたのだろう。


......まぁ、今はまだマックスよりも下手なので要訓練が必要なのだが。




───次にアイギスから『槍』について。



槍に関しては言わずもがな、使うのは本当に初めてかもしれない。

一度だけ聖槍ロンギヌスでエロースを仕留め損なった記憶があるが、それ以外では本当に触ったこともない。まさに未知の領域である。


その上今回使用するのは『十字槍』である。

僕の記憶が正しければ非常に扱いの難しい槍ではあるが、なかなかどうして強みもある、と言った感じの槍だったとは思うが、それだけ初心者には難しいということでもある。


そのためアイギスから手取り足取り教えてもらわなければならなかったのだが、



「くっ、こ、これは......難しい......なッッ!!」



先程から色々と使ってみてはいるが、この十字槍は通常の十字槍とは違い、長い上に十字架の横の部分もかなりある。

恐らくは使いこなすことが出来ればかなりのものになるとは思うが、これに関してはまだまだ習得は難しそうである。




───次に浦町から『刀』について。



今回使用する刀はかなり大きさの刃渡りを誇る大太刀であり、浦町の大太刀は少し小さめにしたが、僕の持つ大太刀は刃渡りだけでもかなりの長さを誇る。まぁ、マックスの時に使ったロングソードと同じ長さなのだが。


という訳で僕も主人公よろしく、刀を使う戦闘にも慣れようと思ったのだが、



「フッッ!!」



僕と同じような掛け声で浦町が刀を抜き放ち、次の瞬間、カチンッ、と鞘に刀が収まった音がした。



「ふむ、まぁ、こんなものではないか?」



そうして浦町の視線を追った僕は、その先においてあった新品の木偶人形が綺麗に三等分されている姿を見て思わず目を疑った。


───燕返し。


昔の有名な侍が編み出した超絶必殺技のはずなんだがなぁ。

さっき浦町、刀には「初めて触った」とか言ってた気もしたんだがなぁ。


とまぁ、一言で言うならば、流石は稀代の天才様だ、と言ったところであろうか。僕も燕返し目指して頑張ろう。




そして最後、エロースから『弓』について。



別に遠距離攻撃と言うだけならば銃を使ってもいいのだろうが、ネイルやエロースが弓を使っているのを見て、僕には弓が向いているのではないかと思ったのだ。


弓の利点としては、


①障害物を躱して敵を狙える。

②音がなく、隠密性に優れている。

③銃よりも魔法属性を付与しやすい。


と言ったところであるが、それでも弓と銃を較べれば、まぁ、銃の方が優れている、というのが一般的である。


まず、その差の最たるものが───威力の違いである。


現代科学の髄を使って作られたライフル銃と、そこらの上等な木で作られた弓。

どちらが強いか、と聞かれれば子供でもわかる質問であろう。


それに、相手との距離によって形状を変えねばならない銃は確かに使いにくいところはあるが、それでも弓よりもはるかに遠くへと狙いを定められる。

これはかなりのメリットであろう。



───だがしかし、ことこの世界に関していえばその限りではない。



まぁ、百聞は一見にしかず。

とりあえずエロースの弓術を見てみよう。



「そっれじゃー、いくよーっ!」



その掛け声と同時に、僕は身体中から魔力を放出させる。



「『無壊の盾(オーバーシェル)』!!」



瞬間、僕の前面には黒色透明の盾が顕現し、それと同時にとてつもない衝撃が僕を襲う。


見れば、完成した無壊の盾に一本の弓がとんでもない速度で飛んで来たらしく、かなり強くなったと自負している僕ではあるが、それでも尚、無壊の盾でさえ一本受け止めるのが精一杯である。


まぁ、そこに二本目以降が投射されればどうなるかは自明の理であり───



「ぐはぁぁっっ!?」



バリィン、と音を立てて、壊れないはずの無壊の盾が、完全に破壊された。



───ご覧いただけただろうか?



暴走した悪魔ムルムルのフルスイングさえいとも簡単に受け止めた無壊の盾。


未だ未熟とはいえ、伝説の盾である聖盾イージスすらも上回る防御力を誇る無壊の盾。


かつて神王ウラノスさえ愛用したとされる無壊の盾。



それが───弓のたった二射で破壊されたのだ。



上体を起こしてエロースの方へと視線を向けると、ピンク色のそこらの神器さえ生ぬるいような威圧感を誇る弓を構え、「まだ私の方が強いんだもんねー」とでも言いたげなドヤ顔をしているエロースが、そこには立っていた。


つまりは何が言いたいかといえば、銃はその武器の性能によりけりで威力が変わるが、弓に関しては『破壊不能属性』を持っていればいくらでも威力が上がるのだ。



自由自在の操作性。


高性能な隠密性。


属性付与のしやすさ。


この馬鹿げた威力。



まぁ、それらを鑑みれば僕が銃ではなく弓を選んだ理由も何となくわかってくれるとは思うが───




「とりあえずエロース、一発ぶん殴ってやるからこっち来い」




僕はとりあえず、そのドヤ顔を絶望色に塗り替えてやることにした。




☆☆☆




「ゲハハハハハハッ! おい見ろよテメェら! こんな所にガキが一匹紛れ込んでるぜェ!?」


「ガキですかい? ......ちょっとボス? なんですか、その、あっしの目には黒髪オッドアイの、超ランク詐欺とも言われてるSSランク冒険者にしか見えないんすけど」


「おいおい、お前さんよ、今この街には執行者はいねぇはずだろぅがよぉ? なぁ? ボス」



場所はクランホームの付近に建てられた冒険者ギルド。


なんだか最近は来てなかったし、何よりも依頼受けなさすぎて未だにSSランク止まりではある。

おかげであの頭の回りそうな人曰く『超ランク詐欺』だそうだが、まぁ、今のギルドカードがブラックカードみたいでカッコイイし、別にこのままでもいいのではないか、とも思う。


実際にギルドカードなんて身分証明や入国や街に入る際、それに加えてダンジョン───まだ入ったことないけど───に入る際位にしか使う予定はないし。


あとあれだな。そこらの魔物を討伐しても経験値が入るわけでもないし、たまに暇つぶしで薬草採取の依頼でも受けるくらいかな、うん。万能薬とか調合してみたいし。



と、そんなことを考えた僕ではあったが、あまりにも冒険者ギルドに顔を出さなすぎた結果起こる、弊害、というものもあるのだ。


───まぁ、それが目の前で起きていることでもあり。



「はぁ、僕も舐められたものだな」



僕はため息をついて、なぜ僕がわざわざ冒険者ギルドにまで来ているのか、ということを思い出すのだった。




☆☆☆




そんなこんなで数日が経ち、別段帰ってきたからと言ってやることもなく、かつての妹の如く居間でボケーっとしていると、廊下の方からタタタッ、という足音が聞こえてきた。


この足音は───うん、多分ネイルかな?


ある程度予想を立てて振り返ると、走ってきたのか息を荒らげているネイルがそこには立っており、何故だか少し、怯えたような顔でこちらを見つめてきた。



「ギンさん! 今聞いたんですけど最近ギルド行ってないんですか!?」


「えっ? うん、まぁね」


「まぁね、じゃないですよ! 私と言う専属が付いていながらどういう事だ、ってさっき怒られちゃったんですけど!」



そう言ってぷんすかしながら僕の真向かいのソファーへと腰を下ろすネイル。夏の暑さに少しオープンしている胸元へ視線がよりそうになるが、バレたらそれはそれで面倒なことになりかねない。僕は無理やり視線を上向きへと修正し、至って真面目に話し始めた。



「つまりアレか、ギルドに所属してるんだから少しは貢献してくれないか、ってことか?」


「はい、ギンさんはSSランクなので依頼と依頼のスパンはまだまだ余裕なのですし、クランを持っている以上ギルドとしても強気に出られないのが現状ですが......」



そう言葉を濁すネイルではあったが、端的にいえば『とっとと仕事してギルドを儲けさせてくれ』ということであろう。


まぁ、僕としてもパシリアの街のギルドマスター、レイシアや、ビントスの街のベラミ、更には王都のガルム何かとも知り合いだし、ギルドに貢献するのはやぶさかではない。


それにギルドには身分証明に役立つギルドカードを貰っているわけでもあるし、『儲けさせてくれ』というならば、まぁ、軽く手伝ってやってもいい。



───まぁ、一番の理由は「暇だから」なのだが。




「ま、いいよ。特にやることもないし」




僕はある程度まで考えをまとめたところでそう言って、思い腰を上げたのだった。




☆☆☆




そうして僕らはクランホームの近くにある冒険者ギルドへと到着し『何かいい依頼でもあればいいのだが、ついでに言えば日帰りで出来るやつ』と内心考えながらも、その中へと足を踏み入れた。


瞬間、鼻へとツンと刺すような酒臭い臭いがここまで届き、それと同時に向けられる訝しげな視線。


僕は嫌な予感がしたが、とりあえずそれらは無視して依頼書の張ってある掲示板へと歩を進めた。




───だがしかし、現実(テンプレ)はそうそう甘くない。




「ギャハハッ! おいみろよテメェら! こんな所にガキが来てるぜ!? しかも髪を染めて執行者気取りときた!」


「......親分、ちょっとそれ本も───」


「そうでさぁね親分! ちょっくらここのギルドの上下関係ってのを教ェてやりやしょう!」




目の前には『何度目だよ、もう十分だろ。レベル差考えろよ』ってくらいのゴツイ冒険者たち。ちなみに差異査定(レベルサーチ)の結果はおそるるに足らず。つまりは雑魚だ。



そして考えること───数秒。




「ま、いっか」




結果僕は、ギャーギャー騒いでいるゴツイ冒険者を、びっくりするくらい華麗に無視することにした。


お約束!? 今になってまたお約束!?

いやはや、酔っ払ってる連中は黒髪を『染めてるパチモン』だと思う習性があるようですね。

次回! ギンの受ける依頼とは!?

※しばらくギンの殺戮ショーが開催されます。

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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