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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第五章 学園編
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第230話

何が、とは言いませんが、今はそうっとしておいてあげましょう(泣)。

懐かしいメンバーが登場です! 変態性を向上しての再登場! 果たしてどんなドン引きをさせてくれるのでしょうか!

そんなこんなで、僕達は学園祭当日を迎えた。



学園祭。


それはこの学園をグレイスが立ち上げた際、死神ちゃんから聞いた日本での学園祭を模して作り上げた行事であり、僕のいた高校のように『生徒のみ』の日と『保護者も有り』の日に分かれることなく、二日間行われるというものだ。


───まぁ、僕はあまり知りはしないが、どうやらクイズ大会やらミスコンやら、そんな感じの出し物も行われるらしい。多分僕は関係ないだろうから説明は省こう。



閑話休題。



そして今現在、何故か(・・・)虚ろな瞳をした死神ちゃんが、物凄い鼻声で朝のホームルームと学園祭での注意事項を終え、そして最初のパートの生徒達は準備を、それ以外の生徒逹はどこを回ろうかと話し合い始めたところなのだが。



「ちょっとーー! 先輩ってば何でディーン先輩と席遠いんですかっ!? 先輩がもう少し窓際の席だったら、私もどさくさに紛れてディーン先輩にアタックできたのにぃっ!!」



何故ここにいるのかは知らないが、そう小声で文句を言ってくるリリー。



「ギン様! あまり考えても知恵熱が出て疲れるので思っていることをそのまま伝えたいと思いますぞ! コホン......、じょ、序列戦では私の方が序列が上なので、それは私が勝ったということになりませぬかッッ!?」



上に同じく、馬鹿なことを言い始めるスメラギさん。



「あ、あの、銀? 良ければだけど......、一緒に、行かない?」


「よし、一緒に行こうかどこまでも!」



僕へと、天使の微笑みで素晴らしい提案をしてくる桃野。


───もちろんその提案には即答してやったし、何ならその他の余分な二名は視界からも意識からもシャットアウトしたくらいだ。



そしてそれを呆れたような目で見つめるネイル。



最近の僕の周りの風景といえばこんな感じで、たまーにほかのクラスの奴らも来ることもあるが、何れにせよパッと見ハーレムを築いている近頃の僕である。



僕はパァァっと花が咲いたような笑みを浮べる桃野と、その隣で頬を膨らませる二人、そして僕の隣で呆れたようなため息をつくネイルを見て、「まぁ冗談はともかく」と前置きしてからこう言った。




「面倒だし、もうこの面子で回らない?」と。




───元ボッチにしては、勇気を振り絞った方である。




☆☆☆




一緒に回ると言っても、僕とネイル、桃野は一日目の一番最初のパートタイムに入っており、どんな出し物をするのかは不明だが、スメラギさんとリリーに関しては一日目の二番目のパートタイムに入っているらしい。


そのため二人は最初は僕らのクラス───天国喫茶やその他の場所を回ったりし、そしてパートタイムが変わったところで僕たち三人が二人のクラスへと赴き、真面目に出し物をしている二人を笑いに行くという算段だ。



───と、言うわけで。僕らは今現在進行形で準備を進めているのだが......、



「おい、どうなってんだあの人数? あれだけでうちのメニュー全部売り切れるんじゃないのか?」



僕らのクラスの前にはそう言わずにはいられないほどの長蛇の列。

しかも彼ら彼女らの頭には『I♡Ag』という謎の単語が書かれたハチマキがしており......、あぁ、なんということでしょう。僕にはその意味が分かってしまった。そして誰が作ったのかも大体わかった。



───というか、その列の一番前を見れば一発だった。




「楽しみ......、ドS、ギンくん......ぽっ」


「カカッ! やはりお主となかなかどうして気が合いそうな気がするのじゃっ! 妾もドSの主様と再び相見えることが出来て本望なのじゃっ!」




そこにはとてつもなく見覚えのあるパツキンゴスロリ幼女と、白髪ドM少女が、背中に『I am Ag, I love Ag』と書かれた気持ちの悪い羽織を着て待機していた。



───というか、ゼウスと白夜だった。



「あれーっ? 何でしょう、私にはとてつもなく危険な生命体が二匹見えるのですが......、もしかして疲れで幻覚でも見えてるのでしょうか?」



僕の隣でカーテンの隙間から廊下を除いたネイルがそんなことを呟き、僕は思わず嫌な予感がして学園中へと空間把握を広げた。



───が、やはり僕の予想は正しく、学園内のあちらこちらでとんでもなく強烈な魔力を持つ生命体が発見できた。



『く、ぐふっ、はぁ、はぁ、こ、こんなにも大勢の人の中、マスターの下着を.........あっ。......後で取り替えねば』


『ほう、ここが主殿の通っている学園であるか。とりあえず、主殿と会うためにもこの学園の食料という食料をすべて平らげねばならんのである』


『ほぇー、ミス......コン? 何の略か知らないけど、これ出たら親友くんも見てくれるかなぁ......?』



───その数、およそ三匹。


しかも......、よりにもよって一番ヤバイ奴らが全員集合してやがる。正直言ってうち一人だけでも十分に国を落とせるレベルの化物共だ。ついでに言えば超がつくほどの問題児。


それとゼウスちゃん? 白夜たちはまだ白夜のテレポートできたんだろうって理解出来るけど、流石にお前はダメだろう。全能神ともあろう者が何してるのって話になるよ?



『大丈夫、私、神界の皆......、論破してきた、から』



───おい神界ィィィ!! お前ら何してんだよ馬鹿じゃねぇの!? 下界を滅ぼす気か!?


何故だろう、どこからか創造神(クソジジイ)狡知神(ビッチババア)の疲れたような笑い声が響いてくる気がした。



と、そんなことを考えていると僕の背後の方からアンナさんの声が上がり、




「それじゃあ! 満を持して一発目、言ってみようかっ!」




───然して僕の不安だらけの学園祭が、幕を開けたのであった。




☆☆☆




「お前は......俺だけ見てればいいんだよ。バカ」



顎をクイッとやってそう告げると、僕の目の前の女子は真っ赤になって頭から煙をあげ始めた。ちなみにこれで十数人目である。


───というものの、正直言って僕はテキトーに話しているだけであって、先程から僕が相手にしているのは盲信的で狂信的なまでの僕の信者達であり、キャラとかそういうの関係無しに僕と話すこと自体にドキュンと来ているらしい。さっき落としたゼウスがそう言ってた。



と、そんなことを考えていると、僕の視界の端に、天使の翼を生やした幼女と、それと一緒に微笑みを浮かべているメイド服姿の天使の姿が映った。


───そう、言わずもがな藍月と桃野である。


二人はただ何をするでもなく椅子に座って楽しげに談笑しているだけなのだが、何故かその付近の客席の男子諸君は皆すべからく二人へと視線を送り、それに気付いた桃野が苦笑いすると「ドキュン!?」と言って崩れ去る───大丈夫かこの学園の男子生徒。



「はいはい主様! 今度こそ妾を相手にしてくれなのじゃーっ!!」



その声に振り向けば全身で僕のことを呼んでいる白夜が視界に入り、残念なことにほかの客からのオーダーは今はなさそうなので、致し方なく白夜の方へと向かうことにした。



───のだが、コイツ相手に手加減できるほど僕は甘くない。



たどり着くなり僕は蔑んだような瞳を白夜へと向けてこう切り出した。




「あ? 客かと思えばただの豚か。なんだ、人に飼われる家畜の分際で俺に注文をしようってのか? あぁ、それとも自身の出荷願でも出しに来たか、この豚畜生」



瞬間、待ってましたとばかりに頬を赤く染めた白夜は、何を言うでもなく肩を震わせ始めた。


───が、家畜の分際で人様を無視するたァいい度胸だ。


僕はゆっくり、それでいてしっかりと机のうえに肘を載せると、まるで理解のできない人外へと向けるような視線を向け、鼻で笑ってこう告げる。



「無視か? それともお前程度のオツムじゃ人様の言葉は理解出来なかったか? まぁ、どっちにしろ俺はテメェみてぇな家畜には興味ねぇがな」



徐々に言葉遣いが荒くなってゆき、僕の隠れたドS人格が徐々に僕の表へと浮かび上がってくる。


僕はそれきり興味をなくしたかの如く机から肘をどけると、彼女の方へは一瞥もくれずにその場を立ち去ろうと歩き出す。



───が、そこで僕は引っ張られるような違和感を感じた。



次の瞬間には、僕はその違和感の正体───満面の笑みを隠しきれずに僕の服へとしがみつく白夜の手を、間髪入れずに払い落とした。



「お、おねがいじゃあ主様ー! 妾を捨てないでくれなのじゃー!」



あまりにも棒読み過ぎるセリフを口にして、白夜は土下座する。


だが、この程度では物足りないのは白夜も僕も承知の上。この白夜の土下座は芸人でいうところの「押すなよ!? 絶対に押すなよ!?」というヤツである。


───つまりは、もっと容赦なくなじってくれて結構だ、という事だ。


僕はげしっと彼女の頭の上へと軽く足を乗せると、その期待に応えてやることにした。



「おい家畜、人様の言葉が理解できるのならば『ぶひぃ』と豚らしく鳴いて懇願しろ。人様の言葉が理解できないってんなら、その場で自分の最も恥ずかしい過去を暴露しろ」



その言葉を聞いて白夜は、ゴクリと喉を鳴らして「恥ずかしい......過去?」と復唱した。


その時点で人の言葉を理解しているって証明にもなるのだが、こういうのにはその場のノリっていうのが大切だ。細かいことは気にしちゃいけない。



「さぁ、さぁ! どうしたこの家畜がァァ!!」



僕は、半ばこいつがどのような選択をするのかは理解してはいたが、それでも少し心を高鳴らせて、答えを早くいえとばかりに足に込める力を少し強めた。



───まぁ、そうすると逆らう事が出来ない変態ドMな白夜であり。





「わ、妾はっ! 主様がこの学園に来てからというもの、毎日毎日主様の部屋に侵入してはッ、使い込まれた形跡のある下着を見繕っては部屋へと持ち帰りッ! そして毎日毎日下着を頭に被っての下着風呂を堪能しておるのぶひぃぃぃぃッッ!!!!」




───瞬間、学園内からは音という音がすべて消え失せ、まるでゴミを見るような視線が白夜へと送られる。



そんな白夜に、僕から言うべき言葉はただ一つ。





「うわっ、気持ち悪っ......」




僕は背後で「ぶひぃぃぃぃ!!!」と歓喜の鳴き声が上がるのをよそに、意気揚々と控え室へと帰っていった。




☆☆☆




そんなこんなで僕らは与えられていた仕事を終え、残る学園祭はすべて自由な時間が約束された。


そのため僕ら三人は、まずはスメラギさんのクラスへと意気揚々と向かったのだが。



「「「......はい?」」」



───僕らの目の前には、迷宮(ダンジョン)があった。



と言ってもダンジョンとは名ばかりで、正確には大きな部屋───確かここは多目的室では無かっただろうか───を改造し、学生向けの迷路を作ったというだけである。


だが、男の子は誰であれ迷路には憧れるもの。


そのためか、やはりその部屋の前はかなりの混雑具合で、そのどこを見ても男子か、チャラっとした女子か、それか美男美女カップルである───ケッ、死ねばいいのに。



と、そんなことを考えながらもどうしようか悩んでいると、唐突に、僕は後ろから肩をトントンと叩かれた。


そして僕が振り向く前に両手で僕の目へと目隠しをし、誰を真似ているのかは知らないが「だーれだ?」とダンディ風な声でそう聞いてくる。


───いや、正直いえばその声だけでも分かるし、それに何より空間把握に映らない人物ってだけでも十分に絞れるのだが。



僕は面倒くさくなったのでそのまま歩き出そうとしたが、やはり力でこの化物相手に叶うはずもなく、致し方なく僕は彼女の名前を呼ぶことにした。




「よお、久しぶりだなエロース(・・・・)


「うんっ! ひっさしぶりー、親友くんっ!」




───僕の背後には、フワフワと漂う絶世の美女がいた。



......まぁ、素晴らしいのは見た目だけだが。

今回はゼウス、白夜、エロースでした!

ちなみにですが、作品が一番好きなキャラは白夜です。

次回! まだまだ問題児は残っている! さて、どうなってしまうのでしょうか!?

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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