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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第五章 学園編
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第224話

次の対戦相手発表は次回になりそうです。

あと、懐かしい面々が登場(?)します。

その後も試合は続き、強いものは勝ち残り、そして弱い者はふるいに落とされていった。



第四試合、小島拓哉VSオリビア、勝者オリビア。


第五試合、序列六位ルネアVS的場亮二、勝者ルネア。


第六試合、序列七位マイアVSロブ、勝者マイア。


第七試合、倉持愛華VS序列十位クラウド、勝者クラウド。



とりあえずここまでハイライトで結果だけで送ってきたが、まぁそれぞれ妥当な結果ではないかと思う。


第四試合はオリビアのバカ威力攻撃が大柄の小島さえ上回ったため、力勝負で小島が負けた結果になった。


第五試合は風VS炎の衝突になり、ルネアの持つ扇状の霊器である『霊具ウルスリス』で起こされた風で押し返された炎によって的場が自爆。まぁ、火力や武器の差だろう。


第六試合は語るまもなく終わった。ロブ、どんまい。


そして第七試合。これはギリッギリの勝負ではあったが、剣士と忍者。職の違いが出て僅差でクラウドの勝利となった。



───が、問題はこの後である。



第八試合、序列二位ソルバVS序列五位ロック、勝者ソルバ。


第九試合、序列三位イリアVS桃野、勝者イリア。


第十試合、序列九位ディーンVS鳳凰院、勝者ディーン。


第十一試合、マックスVSアンナ、勝者マックス。


そして、シード、序列一位のギルバート。



───正直、これらの試合展開は正直僕も予想していなかった。



まず第八試合。あのクソイケメン、ソルバの使っている霊器は『霊球ラスライト』、それに比べてロックの霊器は『霊具クラッシャー』。前者は幻影や幻惑を主に使用する球体の霊器で、後者は完全なる手甲型。まぁ、相性も悪かったのだろうが、それでも奴の強さは圧巻の一言に尽きた。


次に第九試合。生徒会副会長、イリア・ストロークの使用している霊器は『霊具マイクロン』、名前通りマイク型(スタンド付き)の霊器で、イリア本人の───これは断定はできないが、音を支配する系統の能力を更に強化しているようにも思えた。流石に今の桃野では太刀打ち出来なかったようだ。


そして第十試合、個人的にはこれが一番の驚きだ。

なんと言っても、少し前までは扱いきれずに暴走させていた『霊竜シャープ』を、彼はなんと戦闘に使えるレベルにまで使いこなせていたのだ。

うん、今回ばかりは鳳凰院が負けるのも頷けるな。なんせ初期の白夜並にでかいんですもの、霊竜シャープ。


そして第十一試合。あのアンナさんが白髪褐色以上に強かったのはかなり驚いたが、それでも魔剣を召喚したマックスに勝てるはずもない。



ということで、ここまで勝ち残った上位陣、計十一名。



序列四位、スメラギ・オウカ


序列八位、ギン=クラッシュベル


オリビア・フォン・エルメス


序列六位、ルネア・フォン・エルメス


序列七位、マイア・ロード


序列十位、クラウド


序列二位、ソルバ


序列三位、イリア・ストローク


序列九位、ディーン・カリバー


マックス


そして、序列一位、ギルバート・フォン・エルメス




更なる試合は明日以降になるらしいが、それでも確かなのは一つだけ。



「はぁ......楽に勝てる奴が一人も居ないってどういうことだよ」



───今残っている者達の中に、弱い者は一人もいないのだということだけだった。




☆☆☆




その日、夕方頃にひとまず終わった、序列戦一日目。


そのため僕は帰り際に食堂へと寄り、軽く夕食をとって早めに寝ようと、そう予定を立てていた。



───のだが。



てーてれれってー♪


そんな感じのどこかで聞いたことのあるような着メロが鳴り響き、僕のスマホに着信を伝えてくる。



「銀? 電話だよー?」



桃野がそう言って僕のスマホを机の上から持ってきてくれた。


僕はもう既に寝る準備を終えて布団に潜り込もうとしていた所だったので『あ? こんな時間に誰だよ、今、夜の八時だぞ?』とイラッとしながらそのスマホを手に取り、誰からの着信かもわからないこのスマホではあるが、とりあえずこうぶっ込んで見ることにした。



「ただいま、電話に出ることができません。電波の届かないところにあるか、電源が切れているか、面倒臭くて無視しているか、それらのうちどれかなので、とりあえず要件だけ簡潔に言って電話を切りやがれこの非常識野郎が」



もはや後半から言いたいこと言ってるだけになっているが、まぁ僕には悔いはない。この電話の相手が誰であったところで今回については概ね僕が正し...



『......ねぇ、誰の言ってることが正しいのかな? 私には夜八時に寝ようとしてるギンの方がよっぽど非常識に思えるんだけど』



───その声を聞いた途端、何故か僕は正座していた。


あれぇーっ、なんでだろう? すっごく知ってる人の声がしたんだけど気のせいかなぁ?



『電話ってさ、基本的に知ってる人からしかかかってこないんだよ?』



そんな呆れたような声が電話の向こう側から聞こえて、もうなんの違和感もなく僕の心を読めている時点で、こいつが偽物じゃないって証明にもなっていた。


───だが、僕にだって言い分があるのだ。



「いやちょっと待て。夜八時に寝ることの何が悪いってんだ。非常識じゃなく非常に健康的なだけじゃないか。その件については僕は悪くないぞ。非常識なんて言葉を作ったその誰かさんが悪い」



瞬間、電話の先と僕の目の前で二種類のため息が聞こえ、もしかしたらこの電話先の相手は未来の桃野くんなのではないかと愚考してしまったが、残念ながらこの声に僕は聞き覚えがありすぎた。


───まぁ、声だけでも本物か偽物か分かっちゃうくらいには、ね。




『ふふっ、嬉しい事言ってくれるね。着々とハーレム要因を確保していってるくせに。最終的には何人くらいになるのかな? 百人とか?』


「はっはっはー、神のみぞ知る、ってやつだ。ゼウスにでも聞いて出直してこいよ───恭香ちゃん」




なんとまぁ、お久しぶりなこって。



───僕に電話をかけてきたのは、恭香であった。




☆☆☆




僕はその後、部屋に取り付けてあったロビーに出て、夜の冷たい風と高まる吸血鬼の力を感じながら、久しぶりに話した婚約者との会話を続けることにした。



『───とまぁ、そんな感じで今までに試験を受けた人たちは総勢で二万六千人弱で、一人で数回受けている人もいるから、大体一万人弱、って考えていいよ。ついでに言えば、受験料だけで儲けが二億六千万円を突破して、食堂の売上はそれほどじゃないけど一億円弱。ギンが持ってるお金と合わせれば、うちのクランの全財産はもはや国家予算並だよ』


「うわぉ、もう働かなくていいじゃん」



───まぁ、これが婚約者同士の会話と言っていいのかは甚だ疑問ではあるが。



「それで? 誰か受かった奴はいるのか?」


『半分くらいが私たちの面接で落ちて、次の試練でほとんどの人たちが落ちて、それで私たちに勝負を挑んできた一握りの人たちが落ちた、って感じだね。つまりはギンの許可までたどり着ける人がいないって感じ』



まぁ、そりゃそうだろうな。うちのクランの入団試験とかフルの僕でも骨が折れるんじゃないかってレベルでキツいんだもの。最低でも、EXランク下位と数分はマトモに戦っていられる程の実力者じゃなきゃ不可能だろう。


と、そんなことを考えていると、何やら電話の向こうが騒がしくなってきたように思えた。



『ちょっ、な、何でいるの皆!?「ちょっと今更電話するのも恥ずかしい」とか言って皆チキって......ってちょっと!? ま、まっ......』



ブツッ、ツーッ、ツーッ、ツーッ......


その誰かと話しているような恭香の声を最後に電話は切られ、スマホからはツーッ、という電子音が聞こえてくるばかり。



「......何やってんだ、アイツら」



呆れたようにそう呟くと、僕は「さぁ、寝るか」と室内へと戻ろうとして───その直前に再びスマホに着信が入ったことに気がついた。


───あら、珍しいことに超直感無しでも嫌な予感しかしないのだけれど。これはどういう事かしら?


もう本当に嫌な予感しかしない為か口調がオネェになってしまったが、兎にも角にもこの着信からは嫌な予感しかしない。



「まぁ、出なかったら出なかったで拗ねそうだけど......」



僕は通話ボタンをポチッと押すと、そのスマホを耳に当てることはせず、そのまま手に持っておいた。


───まぁ、数瞬後にはその判断が間違っていなかったのだということが分かるわけで。



『主様ァァァァっっ!! 妾じゃぞ! 主様の肉奴隷たる妾が電w...』

『うるさいぞ白夜ッッ!! 主殿は我との対話をお望みなのだ! ペチャンコ絶壁は大人しく一人で危ないプレイでもしておればよかろう!!』

『主殿! 夏休み帰ってくるのであろう!? お土産という名の肉を所望するのであ...』

『マスター! こ、ここ、この部屋においてあるマスターの下着類は全て私が使用してもよろしいというこ...』

『主殿! 私はとうとう人化を果たしましたぞ! もうそれはそれはキューティな美幼女であるからして、もうこれは主殿のハートも鷲掴み間違いな...』

『親友く...』



ブチッ、ツーッ、ツーッ、ツーッ......



───やばい。


何がやばいって放置しすぎてアイツらの異常性癖が尚一層グレードアップしてた感じがやばい。


特に暁穂と伽月。


暁穂に関してはもう僕の部屋に仕舞っておいた衣服は全て焼却処分しなければいけないほどだし、伽月に関してはレオンがいるのにも関わらず僕を落とそうとしている───ほんと、馬鹿じゃねぇのかアイツら。


と、そんなことを考えていると再び聞こえてくる着信音。


僕はため息混じりに再び通話ボタンを押すと、幾分か落ち着いた様子の馬鹿どもの息遣いと、酷い扱いをされて尚一層ヒートアップしてる一体のバカの声が聞こえてきた。



『し、親友くん!? なんで私の時だけ短かったの!? みんなある程度言いたいこと言ってたのに、何故か私だけ扱い酷かった気がするよぉ!』


「おう、エロース、久しぶり。それはお前が僕にとって特別な存在だからだよ」


『と、ととと、特別なっ!?』



───よし、消火完了。


エロースはあれだな。なんの気兼ねもなく接することができるという面では最高だな。一緒に居て一番気が楽かもしれない。



「それよりさ、お前ら久しぶりだからってテンション高過ぎるんだよ。もう少し落ち着きを持って行動したまえ」


『じ、じゃって、恭香から聞いた話によると主様はまた新たな女子を落としとるのじゃろう? そんなピンチに黙っておる方がおかしいのじゃ!』



───じゃって? なんだ、じゃって、って。zyateとかいう新たな英単語か?


と、白夜もなかなかどうして強烈な言葉使いになってきたな、と実感しながらも、僕は彼女の言葉に苦言を呈させてもらうことにした。



「ちょっと待て。僕は学園じゃ誰ひとりとして落としてないぞ。その証拠に例え僕が今すぐ学校をやめたとしても止めるような馬鹿は...」



瞬間、頭の中に架空の声が響いた。



『な、なな、何ですとぉぉぉっ!? ぎ、ギン様が学校をおやめになるのならば私もついて行く所存であります!』


『えー? 先輩って学校やめんちゃうんですかー? だったら暇なので私もついていく所にしまーっす! 先輩について行けば遊んで暮らせそうですしー』


『ぐ腐腐っ、私がギン君を逃すとでも思ったァ? ギン君にはちゃーんとディーン君やクラウド君、アストランド君にマックス君......、ぶっちゃけみんなの攻めを総じて受けてもらわないと気が済まないんだよォッッ!! ......あ、攻めの方が好きかった?』



───やめてぇッ!! ものすっごい学校やめたくなるから最後の想像だけは取り消してェェッ!!!


僕が思わず吐き気を催して頭を抱えていると、電話先から恭香の呆れたような声が聞こえてきた。



『最後の一人は論外だったけど......まぁいいや。とにかく、夏休みに帰ってくるならその時はきちんと私たちのことも甘やかしてね、ってことだよ。みんな結構我慢してるんだからね?』



その少し寂しそうな声を聞いて、僕は先程までのふざけた空気を霧散させ、コチラとしても真面目に言葉を返すことにした。




「安心しろ。次帰った時はもう暫く要らないってくらい甘やかしてやるし、何よりも寂しいのはお前らだけじゃない」


『『『『......あれ? デレt...』』』』



ブチッ、ツーッ、ツーッ、ツーッ......



僕はその言葉を最後まで聞くことなく通話をきると、うるさそうなのでスマホをアイテムボックスの中に放り投げた。


部屋の中に戻ると、やはり序列戦の疲れが出たのか桃野は既に眠っており、問題があるとすれば二段ベッドの下の方で寝ちゃってるということだ───そこ、僕のベッドなんですけど。



「まぁ、寝られれば別にいっか」



僕は布団も被らずに寝ている桃野へと毛布を被せて上のベッドへと梯子を登ると、いつも桃野が寝ているであろうそこに躊躇なく横たわった。


やはりこうしていると桃野っぽい匂いがしないでもないが、珍しいことにわざわざそんな事で騒ぎ立てるような気にもならず、不思議と僕の心には暖かい何かが宿っていた。




「何だか、明日は絶好調になりそうだ」



そんな奇妙な予感を感じながらも、僕は睡魔に身を任せて、意識を次第に沈めていった。


相も変わらず騒がしい連中ですね。

特に白夜と暁穂の変態性に関しては髄を抜いて酷いように思えます。正直ドン引きレベルですね。

という訳で電話越しでの登場でしたが、クランメンバー再登場でした! もう少ししたら数名出てくるかと思いますので乞うご期待ください。

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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