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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第五章 学園編
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第196話

今回は前々から考えていたギンの強化、その第一弾です。ちなみに第二弾以降があるかは不明です。

僕の目の前には縄に縛られた女子高生が居た。



その言葉だけ聞いたらアダルティな感じがしなくもないというか、普通にアダルティなんだが、まぁ、ここはアダルティとは無縁の学園だ。もしも学園でアダルティしようとしている奴がいれば、天が許しても僕が許さん、絶対にだ。神に代わって二度とアダルティできない体にしてやるさ。


とまぁ、そんな心の闇を吐いたところで、僕ら三人の目の前には僕のストーカー───和の国お姫様、スメラギ・オウカが縛られているのだった。ちなみに亀甲縛りではない。


僕は彼女の前にしゃがみこむと、ぽんとその肩に手を乗せた。



「自首することを勧めるよ、SO(ストーキングオウカ)さん」


「な、何です、その酷い命名はっ!? 私は断じてストーカーなんかじゃありませぬぞ!」



今尚罪を認めぬストーカーは、僕の言葉を真っ向から否定してそっぽを向いた───なるほど、意地でも認めないつもりだな?


僕はクックック、と笑いながら自らの懐へと手を忍ばせると、そこから三枚の写真を取り出した。


瞬間、その写真を見たSOは肩をピクッと震わせ「何故それを」と言わんばかりにこちらへと視線を向ける。



「残念だったなストーカー。僕には影分身って言うスキルがあってね」



そう言って彼女の目の前に並べたのは、僕の姿とSOの姿が写った三枚の写真。

どれもこれも、SOが僕から隠れてスマホで写真やらメモやらを取っているシーンで、それらの写真の中の彼女の視線は、まっすぐ僕の方へと向かっていた。



───ちなみに、これらは原始魔法で作った偽物だ。



まぁ、偽物と言っても僕が月光眼で見通した景色をそのまま使っているため、写真は偽物ではあっても、虚偽の事実ではない。つまりはこの写真に写っている景色は全て本物なのだ。それはもちろんスメラギさんも同じこと。



「さぁ、風紀を乱すストーカーさん。ネタはすべて上がってるんだ、キリキリ白状すれば悪いようにはしないさ」



そんなこんなで、僕は脅迫じみたことをしながらもスメラギさんに自白を促し、そして見事成功した。


僕の説得に心を打たれたスメラギさんは、真っ赤な顔をしてポツリポツリと話し始めた。



「ギン様はあの時、私は貴方様のことを知らないと言いました。それに、女の子なら好きな人と結婚しろとも」



僕に対する呼び方に少し反応しかけてしまったが、まぁこの際良いとしよう。問題はその先だ。


喉からゴクリと音がして、緊張しながら僕は彼女の言葉に耳を傾ける。




───しかして聞こえてきた言葉は、やはり僕の予想をはるかに超えていた。





「わ、私は貴方様のことをかっこいいと思いました! だ、だからっ、貴方様のことを沢山知って、好きになってから結婚───否、決闘を申込みたい所存であります!!」




まるで「すべて言い切った」とでも言いたげなそのお馬鹿さんへと僕が言うべき言葉はただ一つ。





「お前、馬鹿なんじゃないの?」




という純粋な疑問だけだった。




☆☆☆




あの後、いくら説得しても意見を変えないあの頑固なスメラギさんは、


『私のことはオウカで構いません! それと敬語も必要ありませぬぞっ、ギン様!』


と言って、僕とメアドを交換してから帰っていった───それもかなりのホクホク顔で帰っていった。



「のはいいんだけどさ、僕ってイケメンでもないのになんでこんなにモテてるんだ?」



僕は机に頬杖をつきながらそんなことを口にした。



「前に王妃が言っていた『王の素質』とかいうもののせいだろう。それに相まって君のその性格のせいだろうな」



その意味ありげな浦町の言葉を聞いて、僕は彼女らに性格って? と視線を送る。

すると困った様にアイギスが眉を寄せて、僕へと少し呆れ混じりに教えてくれた。



「ギンは自分では分かってないかもしれないですが、結構女性側からすれば、強い&かっこいいというのは胸に来る時があるんですよ。ギンがネイルに言った告白紛いの言葉のせいで何人落ちたと思います?」


「なに、女子ってそんなに簡単に落ちるものなの?」



僕はアイギスの言葉を冗談半分に聞いてそう答えたが、残念ながらアイギスたちの口にする言葉に嘘らしさは見当たらなかった。



「そこはギンの王の素質が後押ししてるんですねぇ、きっと」


「君は戦闘よりも商売よりも内政よりも、まず間違いなく女性を落とすという面に対する才能があるぞ。イケメンでも無いくせにハーレムを作っている時点でなかなかのものだ」



───そう考えるとクラスの女子たちの悲鳴に関しては説明がつかないのだが......、



「はぁ......、女子が悲鳴以外にあげる『キャー』などその示す意味は一つしかあるまい」


「......やっぱり?」



僕は頬杖を外すと、思いっきり後ろへと倒れ込んだ。


いや、流石に僕も鈍感じゃな...



「十分に鈍感だから安心しろ」



......僕は鈍感ではない。だから一度や二度は「もしかして今のってそっちの『キャー』何じゃないの?」的なことを思ったことはあったが、残念ながら僕の卑屈な精神がその考えを片っぱしからへし折って行ったのだ──ンなわけあるかよ、イケメンじゃねぇ癖して何イキってんだ! とな。


というわけで、なるべく考えないように考えないようにとしていた僕ではあったが、今朝のネイルの一言と、この二人の意見から鑑みると......どうやらそういうことらしい。



「いやちょっと待て、僕が一体何したっていうんだ。テキトーに生きてるだけの男だぞ? どこに惚れる部分があるっていうんだ?」



僕は天井を見あげながら、そんなことを呟いた。

もちろん返答なんて望んじゃいなかったのだが、顔を見合わせて嫌な笑みを浮かべた二人が、交互に何事かを呟き始めた。



「カッコいいところ」


「可愛いところ」


「守ってくれるところ」


「ツンデレなところ」


「メンタルがお豆腐なところ」


「いつも...」


「も、もうやめてっ! 僕のライフはとっくにゼロよっ!」



僕は二人が交互に呟いているその言葉の意味を理解して、思わず近くにあった座布団に顔を埋める───あぁ、死にたい。って言うか消滅したい。



「ククッ、私としては君の好きなところならまだまだ挙げられるぞ?」


「まぁ、この程度で顔真っ赤にしてる辺りがメンタルがお豆腐なんですけどねぇ」



僕はそんな二人の会話を聞きながら座布団から顔を上げると、そのままぐるんと回って、再び天井を向く。



ちょうど差し込んでいた夕日が僕らの部室を赤く染め、それに当たった僕の顔も、少し赤すぎるほどには赤く染まっていた。



───僕、熱でもあるのかな?




☆☆☆




「世界構築を元の世界に戻せ」



そう言われたのはそれから数日たった土曜日であった。


どうやら土日はグレイスとの訓練に費やすらしく、僕はランニングを終えた後に第一訓練場へと来ていた───流石に土日を部活に費やすつもりはなかったが......、まぁ、どっちにしろブラック過ぎるスケジュールだな。


そして、そこで待っていたグレイスに開口一番に言われた言葉がそれである。



「ちょっと待て、なんでお前が世界構築について知ってるんだ? それにあの世界が僕の無理矢理作った世界だってことも」


「お友達のパツキン幼女に聞いてのぅ。こりゃ宝の持ち腐れだと思って言ってみた迄ぞよ?」



───パツキン幼女.........あっ、ゼウスか。それにしても二人ってどいういう関係なんだろう?


そんなことを考えていると、グレイスは「ほれ、やってみぃ」と言って顎をくいっとやってくる。いや、そんな事言われてもいきなり出来るわけないでしょ。



「まぁ、やるだけやって見るけど失敗しても知らないからな?」



僕はそう言うと、体から力を抜いて魔力を高めてゆく。


と言ってもステータスが全体的に下がっているため、僕の今の全魔力では発動してもすぐ魔力切れとなってしまうのではないかと思う。


───と、そんなことを思っていたのだが、僕は魔力を集めているところではたと気がついた。



「あれっ......、魔力量が増えてる?」



そう、僕はもう既に世界構築に必要なだけの魔力を集め終えたのに、なぜかまだ僕の体の内には魔力がある程度残っていた。


僕は疑問に思ってグレイスへと視線を向けると、グレイスはため息をついて僕へと色々教えてくれた。



「ステータスというのは基本的に自らが出せる最高出力だ。筋肉が足りなければそこまで力は出せんし、魔力操作が下手であればそこまで魔力も絞り出せん。お前に関して言うならば、こっちに来る前のお前は潜在能力を引き出せていない赤子も同然ぞ? 毎日あれらの訓練をしておるのであればそれなりに強くなって然るべきであろうに」



───まぁ、自論だから確証も保証もないがのぅ。



グレイスは、それに、と言って僕の方へと指を指してくる。



「お前は毎度気絶しておったから知らんかもしれんが、ワシ相手にあれだけ戦闘しておったのだ。あの時のレベルが900前後なら、今は間違いなくレベルがカンストしておるぞ?」


「えっ、何それマジ?」


「マジマジ」



グレイスはうんうんと頷きながら、自信を持ってそう言った。そのため僕としてもそれを疑うつもりは無い。


───が、一応確認だけしておこうかと思う。もし万が一スキルとか増えてたら大変だし。まぁ万が一にもない話だが。



「『ステータス』!」





名前 ギン=クラッシュベル (20)

種族 吸血鬼族(始祖純血種)

Lv. 999 ↑+56

HP 23,280,000

MP 67,300,000

STR 20,120,000

VIT 19,210,000

DEX 27,800,000

INT 61,800,000

MND 45,800,000

AGI 30,630,000

LUK 999


ユニーク

影神Lv.1

開闢Lv.1

月光眼Lv.1

原始魔法Lv.1

スキル統合

純血始祖

近接戦闘の極意Lv.2 ↑+1


アクティブ

ブレスLv.3 (共有) ↑+1

テイムLv.8

念話Lv.4


パッシブ

料理Lv.6

並列思考Lv.8

魔力操作Lv.6 ↑+1

超直感Lv.6

存在耐性Lv.6 ↑+2


称号

迷い人 理外の異端児 SSランク冒険者『執行者』『冥王』神王の加護 全能神の寵愛 狡知神の加護 創造神の加護 死神の加護 魔導神の加護 世界竜の友 名も無き才能 トリックスター 救世主 ロリコン 竜殺し 原初の理 月の眼


従魔

白金神竜プラチナムドラゴン

ゴッドオブ・ナイトメア

ブラッドギア・ライオネル

フェンリル

バハムート

ペガサス


眷属

オリビア・フォン・エルメス

マックス

アイギス




僕はそのステータスを見て少し驚いた。本当にレベルマックスまで行っちゃったんだなぁ、と。ステータスの上昇に関してはもういいだろう。さすが大器晩成と言ったところだ。


そんなことを考えていると、僕のそばまで寄ってきたグレイスが僕の足をげしげしと蹴りつけた。



「ほれ、ステータス見るのは別に良いが、せっかく集めた魔力が散らかり始めておるぞ?」


「ハイハイわかりました」



僕はグレイスのいうことを素直には聞かなかったが、それでもまぁ、僕なりに素直に聞いて、再び魔力を集めて集中し出す。



「頭に変な考えを持たずにそのままテキトーに発動せい。テキトーに発動すればお前が持っている世界の理念は反映されん」



───テキトーって......、本当にそれでいいのか?


僕はそう瞼を開いてグレイスへと視線を向けるが、その先にいたグレイスは至って真面目そうだった───真面目な顔してテキトーとか言うなよな。



僕は何も考えず、ヌァザの神腕と左腕でいつもの癖でパンッと合掌すると、不思議と僕の頭の中にはその世界の名前とそれに準ずる詠唱が浮かんでくるようだった。

きっと弱体化していない僕ならば詠唱なんて必要ないのだろうが、今の僕が詠唱なしで世界構築なんて出来るわけもない。




───ここは理想の根源、紅月照らす幻想の終着点。



───我は夜を統べる孤高の王、



───我が正義に従い夜の世界へと導びかん。





然して、その世界の名は前の世界とは全く異なっており、矛盾と理想を突き詰めた傲慢な僕には丁度いい世界ではないかと思えた。







「『幻想の紅月(ルーアン・イルゾニア)』!!」



どうでしょうか、スメラギさん。

かなーりメンヘラチックなお姫様ですが、その実は、ギンの事を詳しく調べるという口実でその後を付けて回るストーカー。

今現在、ちょうどその『スメラギさんVSギン』の回を執筆しているのですが、なかなかどうしていいキャラになったのではないかと思います。

※『幻想の紅月』についての詳細は数話後にでも出てくると思います。


次回! 学園編初めての大きめな行事! その名も○○○○! さて何でしょう!?

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