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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第一章 始まりの物語
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第17話

白夜へのお仕置きも終わり、少し落ち着いて来ると白夜がこちらに寄ってきて、


「そういえば主殿よ? 先ほどの蠍の尻尾を切り落とした魔法、ありゃ何なのじゃ? 少なくともLv.4の魔法と同等の威力じゃったぞ?」


と、小声で問いてきた。

おそらく彼女が言っているのは、戦闘の終盤に僕の分身が見せた、あの魔法の事だろう。

確かに魔法抵抗の強いキラースコルピオンの尻尾を簡単に両断したのだから、気になりもするか。



「ああ、あの魔法はね、実は初級というか、それ以前のものを少し改良しただけの簡単なものなんだよ」


ふふっ、すごいだろう!


......あれ?無反応?



少し焦ってそちらを見てみると、白夜はポカーンと口を開けてフリーズしていた。

ペチペチしてると「はっ!?」と言って復活したのだが、やっぱりコイツ、ほっぺた柔らかいな...って思った僕だった。


「な、何じゃと!? あの威力じゃと、ヘタしたら妾の鱗さえ切り裂けるのじゃぞ!? そんなものが簡単に出来てたまるか!」


「え? あれ使ったら白夜倒せんの?」


「くうっ、い、いや、流石にアレを使われたとしても、妾たちのステータスの差は未だに圧倒的じゃ。発動される前に倒してしまえば問題はないのじゃっ!」


へぇーいいこと聞いた。

ニヤニヤしながら白夜の倒し方を考えていると...


『さっきから何を2人ではなしてるの?』


「いやのぅ? キラースコ...ふぶぅ」

咄嗟に白夜の口を抑える。

「はははっ、なんでもないよ、うん」


『? そうならいいんだけど...』


おいっつ! 危ないじゃないか!

恭香は今、キラースコルピオンのこと完全に忘れてるんだぞ!ヘタに思い出させてみろ! 一生もののトラウマだぞ!?


ぬう...。完全に忘れておったのだ。助かったぞ主殿!



という高度なアイコンタクトにも、恭香は気づいた様子は無く、何とか騙し切れたことに僕も白夜も思わずほっとする。



「そ、それじゃあさっさと移動して、次の大部屋にでも行こうか!」


「う、うむ、そうするのじゃ」


『? うん、それじゃあ次はどこにするの?』


はぁ、何とか誤魔化せたか。

うーん、落ち着いたら喉が乾いてきたな...。

僕は水筒の水を飲みながらマップを可視化して2人に見せた。


「えーっと、最初に僕たちがいた小部屋はマップでいうと北西の方にあって、白夜がいた所が真ん中あたり、そして今が東より......かぁ」


『やっぱりこの部屋の次に大きな部屋へ向かうべきじゃ無いでしょうか?』


「うむぅ、そうなるとこの地図で言う所の南西の方角にある大部屋かのぅ? またこれは遠くなりそうじゃ......」


いきなり1番大きな部屋に行ってもいいのだが、この部屋の大きさでAAが出てくるのだから、おそらくその部屋は確実にSランクの魔物がいることだろう。話し合いの結果、いくらLv.が上がったとはいえ、今はまだ、Sランクは早すぎる、と言う結論に至った。

先ほどと同じ戦法を取ったら勝てるんじゃないか?という僕の疑問には、


「確かにのう、あれがうまく決まれば例えSランクだろうとかなりの傷を食らうじゃろう。だがのぅ、そんな簡単に倒せるほどSランクは弱くないのじゃ」


『うん、そうだね。仮に相手が気配察知や危険察知などのスキルや、魔法察知なんか持っていた日には、マスターのさっきの戦法も、影に入り込んでおしまいだったと思うよ? そもそも影分身の強さじゃ近づけないと思うし』


との事だった。

さすがはSランク。AAやAAA何かとは格が違うらしい。




「あれ? そういえば白夜ならどのランクにはいるんだ?」


たまたま疑問に思った僕だった。恐らくはSSSクラスの上位だろう、とそんな予想をたてて聞いたのだが。




『白夜ちゃんかぁ、多分だけど、SSランクの中の下、って所じゃないかなぁ』


「うむ、今のを聞いた感じじゃと、妾もそのへんじゃろうと思っとったのじゃ」



「へっ?」





この世界には、上には上がいると実感したのでした。




☆☆☆



そんなこんなで次の目的地が決まった僕たちは、次の目的地へと向かう道をいつものように歩いていたのだが、


「やっぱりゴブリンしか出てこないか...」


という事で僕はまたもや変身して先を急ぐことにした。

ボスを倒せば何か変わるかなと思ってたんだけどね、そう上手くはいかないか。


次の目的地まではかなりの距離があるから、黒狼モードでも軽く1時間はかかるだろう、ならばこの際に先程の魔法の話をすることにしよう。



魔法。

それは本来、魔力を媒体として火や水と言った事象を操るものであり、僕たちが普段、魔法、と呼んでいるものは、その副産物でしかない。

そこで僕は疑問に思った。

僕が操れるものは、水、風、そして影だ。

水、風は分かるのだが、影とは一体何だ? と。

影魔法なんていうイレギュラー、恭香を作った神様も予想していなかったのか、恭香も聞いたことすら無いようだったので、仕方なく僕自身で実験してみた。



実験することおよそ1時間。


僕は影というモノの性質をいくつか知ることができた。


①魔力を込めればそれだけ膨張するが、それ以外では大きさは変わらず、また影を壊すことも不可能。


②魔力を流すことによって自在に動かしたり、変形することが可能である、ということ。


③影には強い粘着性があり、1度粘着すると、僕が許可するまでとれることはない。魔力を込めることである程度の伸縮性を持たせることもできる。まぁ。某アニメのバン○ーガムみたいなものだと思ってくれ。


まぁ、大きく言ってこの3つかな。


僕が中ボス戦で見せたあの技は、

魔力を込めて膨張→少し動かしてもう1人の影と接着、固定→影を動かして片手に→影を変形させて切れ味抜群の状態に→影が尻尾に当たる直前に更に影を動かして速さブースト→両断。


という影の性質だけを使った初級の魔法なんだよ。




と、白夜と、恭香にこの事を掻い摘んで説明すると、



『なっ!? ま、マスターは新しい魔法を自分で作っちゃったの!?』


「は、はは、さ、流石は主殿じゃ。何だかもう常識が通用せんわい......」


常識外なのはお前らもじゃねぇか。


神が作った喋る本にLv.600overの化け物。

君たちもかなりやばいからね?


「っていうか、魔法作るなんてそんなに珍しい事なの?」


これが凄く疑問だった。

仮にも僕のような迷い人が紛れ込んでいる世界だ。

地球の文化や情報が多少こちらで定着していてもおかしくない。日本の漫画とかの内容考えたら案外楽に開発できそうだけどな...。

そう考えたのだが...



『うん、迷い人たちは、地球の文化や料理は広めるんだけど、漫画とか、そういう娯楽品については全然手を出さなかったんだよねー。だからマスターみたいに新しい魔法を開発するなんてとても難しいことなんだよ?』


「えっ? そうなの?」


という事は......






街に着いたら将棋やトランプなどを作って金儲けしようと企む僕であった。




☆☆☆



そんな話をしているといつの間にか次のボス部屋の直前まで来ていたようだ。


僕は2人を降ろすと変身を解除して人型に戻った。


「ふぅー、疲れた、喉乾いたー!」


本当、ここまでノンストップだったせいか、喉が乾いて仕方がない。少し水を飲みすぎな気もするが、それでも乾いてるんだから仕方ないじゃない。

そうして飲み干した水筒に水魔法で水を補給しながら2人に聞いてみた。


「こうして着いて見たはいいが、この部屋の大きさだとどんな奴がいると思う?」


「うーむ、よう分からんのじゃ!」

元気だけはいい白夜ちゃん。


『うーん、この大きさだと、やっぱりAAAクラスじゃないかな? さっきのは......あれ? マスター、さっきの部屋は何と戦ったんでしたっけ?』


「ん? あぁ、ミノタウロスだよ、ミノタウロス。強かったなぁ、力が強くて焦っちゃったよ」


『? そうだっけ? まぁいいや』


「まぁ、ともかくじゃ! ここにはAAAクラスの魔物がいるって言うことでよいのじゃな?」


「あぁ、さっきのもなんだかんだ言ってAAAになりかけって感じだったけど、多分今回はガチな奴がくるね、十中八九格上だろ。」



何故だろう。ワクワクしてきた。



『マスターって戦闘狂だよね、やっぱり』

「うむ、なんだか目が光っておるのだ」


何か言われた様な気がしたが、うん、気のせいだろう。



「さぁ、今回は一体何が待っているのかな?」




期待に胸を膨らませて、僕は意気揚々と大部屋に向かって行ったのだった。


魔物の強さ

Gランク 子供でも勝てる

Fランク 成人男性と互角

Eランク 見習い冒険者と互角

Dランク 1人前冒険者と互角

Cランク 熟練冒険者のパーティと互角

Bランク 集落を単体で滅ぼせる

Aランク 小さな街を単体で滅ぼせる

AAランク 大きな街を単体で滅ぼせる

AAAランク 小国の全軍隊を単体で滅ぼせる

Sランク 大国の全軍隊を単体で滅ぼせる

SSランク 大陸の危機

SSSランク 世界の危機


と、なっております。

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
― 新着の感想 ―
[気になる点] どんどんスキルを覚えていくのもいいけど、多すぎてチープになってしまっているので尖らせるのもいいと思います。
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