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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第三章 帝国編
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第125話

恭香ちゃん無双!

今回はチラッと前に言っておいたアレです。

「いやぁ、何とか本戦には出場できたよー。ヒヤヒヤだったねっ!」


「妾は違う意味でヒヤヒヤじゃったぞ!? なんなのじゃあの能力は!?」


「鎖魔法だけど?」


「そういうことを聞いておるのではないのじゃっ!!」


「......恭香も主殿に似てきたな」



全くの同感です。



場所は同じく観客席。


恭香が帰ってきた途端にボケをかまし、白夜がそれにツッコむという珍しい図が完成したのだった。



「それにしても凄かったですね、ギン殿の影魔法(ユニークスキル)よりも強力なのでは?」


「いやいや、流石にアレには叶わないよ。そもそも鎖魔法はどちらかと言うと捕縛用のサポート魔法だからあんなに馬鹿みたいな攻撃特化魔法とは強さのベクトルが違うしね」



図式としては、魔導>時空間魔法≒影魔法>鎖魔法という感じなのだろうか?


まぁ、どれもこれも少しベクトルの違う能力だから確かなことは言えないのだが。



背後から


「......銀はアレより強力なスキルもってんのか?」

「あ、あはは......、僕たちじゃまだまだ届きそうにないね」

「流石は銀君、あの時の空気の固定と関係あるのでしょうか?」

「ええ、確かにあれは強力だったわね」


と、見当はずれな話し合いが聞こえるが、聞こえないふりをしておこう。





───と、そんなことを考えいるその時だった。





『みなさーん! まだ帰るには早いですよ!』



と、そんな放送が流れたのだ。


明日からの本戦への期待に胸をふくらませて帰る準備をしていた観客たちは、皆頭に疑問符を浮かべて立ち止まる。



───どうやら皆、先程の衝撃映像のせいで忘れてしまったようである。




まだ一つ、今日の予定(・・・・・)が残っているだろう?









『只今より! 黒髪の時代ドリームパーティVS獣王様直属護衛団による夢のエキシビションマッチの出場メンバーを発表します!!』






☆☆☆






そう、エキシビションマッチである。



その内容についてはもちろん黒髪の時代には教えていなかったらしいし、その参加メンバーもランダムで選ばれるらしい。




『はい! それでは黒髪の時代の出場メンバーの発表です!』



その言葉が合図になったかのように壁にいつもとは異なった映像が映し出される。




そこには六つ空欄が空いており、それぞれに『リーダー』『前衛』『中衛』『後衛』『後衛』『ゲスト』との文字が記入されている。



でゅぅるるるるっ、というルーレット特有の音が流れ始め、まずはリーダーのに色々な名前が上から下へと流れ始める。



────この投影魔導具作ったのって絶対日本人だよね。




マリモ、モンキー、キング、グラマラス、スイカ、カベ、ベージュ、ユニークスキル、と名前というかしりとりのように文字が流れ、





───ルーク、で止まってしまった。





『おおっと!? ルーク!? ルークって誰だァァっ!?』



司会さんのそんな叫びがルークの背中を押したのか、更にルークが下へと流れる。





───そして現れたのは、







「.........えっ? 俺か?」



『おおおっ! どうやら黒髪の時代リーダー枠はクゼ選手に決定だァァァっっ!!』




現れたのは『久瀬竜馬』の文字だった。



流石は正統派主人公、ランダムの癖してリーダーになるとは、もうこれは神様が味方してるとしか思えないな。

───特に創造神(エウラス)辺りが。




『更に更にぃっ! どんどん行きましょう! 前衛から後衛まで一気にルーレットスタートだっ!!』



面倒くさくなったのであろう司会さんは、ゲスト以外のルーレットをすべて回すという職権乱用に打って出た。




でゅぅるるるる、という音が四つ同時に流れ始める。





───そして、現れた名前は、





「「「「.........えっ?」」」」






前衛『桜町穂花』



中衛『鮫島美月』



後衛『浦町了』



後衛『堂島紗由里』






『おおおっと!? ホノカ選手! ミツキ選手! ウラマチ選手! そして先程活躍したサユリ選手だっ!! これはとんでもない選手が集まってしまったぁぁっ!?』


『ええ、これでは獣王様の部下の方々も油断できないのでは無いでしょうか?』



────もうこれはランダム、ってよりかは現時点の最強チームを作ってるのではなかろうか?

明らかに運営側の思惑と微調整が入っている気がするが、きっと気のせいだろう。





だが、まだ最後に一つだけ、枠は残っている。




勇者たちも、



「......ゲストって誰のことだ?」


「ゲスト.....謎かけでしょうか?」


「うーん、僕にはわかんないやっ!」


とか言って考えている。



まぁ、浦町は「こういうの好きだよね、君は(・・)」と呟いていたからバレバレなのだろうが。





『それでは最後のゲストのルーレット開始だっ!!』






☆☆☆





時は遡ること数時間。



これは僕が獣王の部下に連行された時の話だ。




「ぐははははっ! 一応初めましてだな! 執行者、ギン=クラッシュベルよ!」


「へ? あ、あぁ......、はい......」



───僕が連行された先は、なんと貴賓室だった。



目の前には椅子にどっかりと座り込みこちらをニヤニヤしながら見つめる赤髪の恐竜───獣王レックス。


その横には『俺だって国王なんだぜ?』とでも言わんばかりのドヤ顔を決め込んでくる、椅子に座ったエルグリッド。


そしてエルグリッドとは反対側のレックスの隣の席には、腰まで伸びる銀髪に紫色の瞳をした美人さん───もしかして王妃様か?


そしてその王妃の席の影に隠れる、赤色の混じった銀髪を上手に編み込んだショーカットに赤い瞳をした、十代前半とも思えるような女の子。



そして僕らを囲むかのように、帯剣している獣王の騎士達。

───ちなみにアルフレッドは司会だから居なかった。





「......なんで呼ばれたんだ?」



僕は黒い上着に赤マフラーというギンスタイルで彼らの目の前に立っていた。


───僕、なんか不味いことしたっけ? 正体を隠して大会に参加したり、門番たちに幻魔眼使いまくったことかな?


やば、心当たりがありすぎてどれか分かんねぇ。





だが、そんな僕の思惑とは別に、レックスからの用件は想像以上に簡単なものだった。





「用件はただ一つ、─────────って内容なんだが、参加するか? って話だ」


「えっ!? なにそれ面白そう!」







そうして話は今現在へと繋がる。








でゅぅるるるる! と盛大な効果音と、それに合わせて黒と赤の光線が会場中を照らし出す。



ルーレットは、マット、トンビ、ビックリ○ンチョコ、コーヒー、昼寝、寝巻き、というか眠い、とこれを作ったものの願望がダダ漏れ状態に陥る。





───そして、『インザ会議』で止まった。





『インザ会議だぁぁぁっ!! ってインザ会議って誰だァァァっ!? そもそも人間なのかっ!?!?』





すると久瀬の場合と同じようにインザ会議が下へと流れ始める。







───そして、その上から出てきた名前はもちろん、






バッ、と赤と黒の光線がステージの中央に浴びせられる。





そこには先程まで存在していなかった、黒髪赤目に赤いマフラーを着用した吸血鬼。










『ゲストは執行者! ギン=クラッシュベルだッッ!!!』





───この二日間で一番の大歓声が爆発した。





☆☆☆






『それでは今が十二時ジャストなので、エキシビションマッチは午後二時から開始させていただきます!』



との事だったので、僕らは昼飯を食べに出かけることにした。


エルグリッドが爆死してたのなら海鮮丼のつもりだったが、死んでなかったので今日は人気そうなレストランで肉料理でも頼むつもり





────だったのだが、





「おい、これはどういう理屈だ。君が横にいるのにも関わらず、何故あそこにギンが居る?」



僕の胸ぐらを掴みあげ、ステージ内の僕を指さした浦町がおもいっきり前後にゆすりながらそんなことを聞いてきた。

ステージに目を向けると、どうやら僕は観客たちに手を振っているようであった。サービス精神旺盛で何よりである。


───ちなみに勇者たちはステージ内の僕を見ていて今の会話は聞いていなかったようだ。良かった良かった。



「そもそも浦町殿は何を言っているのでしょう? あ、そう言えば、ギン殿は物分りのいいお淑やかな女性がタイプらしいですよ?」



───瞬間、僕のパーティと浦町が静まりかえった。


勇者たちは僕の話は聞いていなかったのか、未だにステージ内の僕に呼びかけている。



「ほう? それはシル、君も同じなのか?」


「ええ、我輩も都合(物分り)のいい女性の方がタイプですね」


「.........それはタイプではないのではないか?」



浦町はそんなことを言いながらも僕の襟を離してくれた。



まぁ、確かにタイプではないよな、とも思いながら僕はステージの中の(影分身)を見やると、どうやら視線が合ったようだ。




「あぁっ!! 銀今こっち見てるよっ!」


「おーいっ! 銀!! 久しぶりだなぁっ!!」


「銀さんっ! なんであんなことしたのかしらっ!?」


「それは単純に避けられているからでは?」


「.........それは御厨君のことでしょう?」



何故だが若干二名ほど喧嘩をしそうな奴らがいるが、まぁ、気にしないでおこう。




(お疲れ様、もう帰っていいぞ?)


(了解、あとは頼むぜ? 本体さん)




そんな念話を交わし、ステージ内の彼は靄となって消えていくのだった。





───分身よ、僕がお前の分まで思いっきり無双してやるから安心して次の出番まで待機しておくんだな。





そんなことを思いながら、二時間後にコイツらと会わねばならない憂鬱に潰されそうになった。


異世界人のドリームチームですね。

本当は小鳥遊やら花田、さらには鳳凰院、古里あたりも入れてみたかったのですが、彼女達の活躍は本戦で。

次回! 再会前のちょっとした小話? です!

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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