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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第三章 帝国編
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第114話

第一回戦! 勝者は果たして......?

『お、おおっ! エルメス王国、国王直属護衛団団長アルフレッド氏! 開幕と同時に聖剣エクスカリバーを召喚したぞ!? これは勝負あったか!?』


それから少し経って今気づいたかのように司会さんが語り出した。


同時にとてつもない量の歓声が鳴り響く。




「な、何あれ.........圧倒的じゃない」


「あ、ああ、あれは......聖剣エクスカリバー!? 現代に担い手が存在したのですか!?」



あまりの圧倒的な魔力に全身を鳥肌が走る。


それは勇者達も例外ではなかったようだ。




「ちょーっとアレはやばいかにゃー......?」


「.........皆さんは大丈夫でしょうか?」


「久瀬君たちならなんとか無事でしょうけど......」



鮫島さんがそう言って僕の方へと視線を移す。



「ブラッドさん、銀さんの仲間を疑うようで悪いけれど......あの騎士さんはともかく、あの男の子の方は.........」






「無論、無傷でしょうね」




即答した。考える必要すらなかった。





「今のは聖剣エクスカリバーの召喚時の副産物でしか無いのでしょう。魔力こそ優れている様子ですが.........」




───こちとら神獣ゴッドイーターだぜ?




その黄金色の波動が止んだ先には、そのあまりの衝撃に気絶し、壁際まで押し飛ばされた大半の人の姿が。



───そして、






『おおっと!? なんだあれはァァァっ!?』



その、あまりの光景に驚きを隠せない様子の司会さん。


───まぁ、初見ならそれも仕方ないのだろう。






だって、そこには、体長十メートルは超えるかと思われる、巨大な漆黒のライオンが鎮座していたのだから。





『ふむ、大したものでは無さそうであるな』



───そう、レオンである。




『しゃ、喋ったーーーっ!?!?』


思わず素っ頓狂な声を出す司会さん。

この程度でそれではこの後の展開についていけそうにないな?


同じことを思ったのか、司会さんの横に座っていたエルグリットがサポートに入ったようだ。




『あー、ここで一つ、ビックニュースだ。この大会には元SSSランク冒険者の俺を初めとしたかなりの実力者が勢揃いしているが、そんな優勝を狙っている奴らにとってはバッドニュースだ』


『え、エルメス王? そ、それはどういう.........?』



───あれ、この流れって.........。



そう思った時には時既に遅し。





『そこのライオンの紹介をしよう。そいつの名はレオン。神をも喰らう神獣であり.........』




エルグリットはスクリーンの向こう側でニヤリと笑うと、こう言った。





『かの有名なギン=クラッシュベルの従魔の一体だ』







───今日一番の歓声が爆発した。







☆☆☆







「あの愚王、後で仕置きが必要ですね」


「ぶ、ブラッドさん? 相手は国王......きゃぁっ!?」



少しだけ漏れた僕の魔力に驚いた鮫島さんがめっちゃ可愛い声を上げる。


まぁ、今まで魔力の欠片も感じられなかった人物からいきなりエクスカリバーと同等の魔力が溢れ出したのだから、そりゃあ驚くだろう。




───まぁ、だからと言ってさっきの叫び声について触れないわけじゃないんだがな?





「今の音声は録音して彼に送り付けておくので悪しからず」


「なぁっ!? ちょ、ちょっと冗談でしょうね!?」


「.........」


「返事をしなさいっ!!」


「あぁ、失敬失敬、手が滑って送ってしまったようですな」


「うわぁぁぁぁっっっ!!!」


「クフフッ、冗談ですよ、冗談」


「......ぐすっ......本当かしら?」


「ええ、彼なら多分、直に聞いてましたよ?」


「いやぁぁぁぁぁっっ!? 聞かないでぇぇぇっっ!!」



───鮫島さんってやっぱり面白い。





そんなことを話している間も試合は進んでいた。






『なんとぉ!? あの大きな魔物はかの有名な"執行者"の従魔だったぁっ!!』


『ハハッ! それだけじゃねぇぜ? 他にもアイツの従魔が二人紛れ込んでる上に、吸血鬼であるアイツ自身の眷属を三人も送り込んでる────もしかしたら本人も隠れて参加してるかもな? クハハッ!』


『おおっ! さらにビックニュースっ!?』



よし、あの愚王の息子の未来は決まったな。


もう二度とその血統を増やせないようにしてやるよ?




『ううっ!? な、何だか寒気に怖気に......危機感が』


流石はエルグリット。自分の未来に対して危機感を覚えたようだ。後で仕置な?




「ちょっとブラッドさん!? 銀さんが隠れて参加してるって本当かしらっ!?」



ほら面倒な奴が復活しやがった。



「そうかもしれないしそうでないかも知れませんねぇ。まぁ、吾輩は知ってるのですがな」


「なら教えなさいっ!」


「嫌です」


「この鬼畜ピエロッッ!!」


「そもそも隠れて参加してるなら黒髪が目立つでしょう? ならば髪ごと覆面で隠すはず。これくらいしかヒントは与えられませんぞ?」


「はぁ、はぁ、......くっ、礼は言っておくわ」


「気持ちは要りませんからお金でも下さいな」


「黙りなさいっ!!」



あぁ、やっぱりこの人は面白い。最高だね。



(こ、これがギンの本気......!? 戦慄ものだね......)


(妾もここまでおちょくられたことは無いのじゃ......、羨ましい......のじゃ)


(クハハハハハハッ! 流石は我が主だっ!)


(あ、マスター? 今なら角度的に私のスカートの中覗けますよ?)



え、まじ?








僕らがそんなふざけたことを話しているとはつゆ知らず、ステージの中では戦闘が再開しようとしていた。





「流石はレオン様。此度の相手は貴方が務めてくれる、ということでよろしいですか?」


『ふむ.........まだ三人には荷が重そうであるな』




レオンにはさっきの伝言とは別に『お前がやりたいようにやれ』とも伝えている。だからもし、ここをレオン一人の力で勝ち抜いたとしても、僕は文句は無い。面白そうだし、なによりそれがレオンの意思だからな。



果たして、レオンが選んだ選択とは.........?








『ふむ、腹が減ったし早急に終わらせるのである』



───邪魔者(アルフレッド)の迅速な排除であった。




瞬間、レオンの身体が機械モードへと変移。


ガシャコンガジャガシャ、という音と共に、レオンの背中に五砲ものマシンガンが生み出される。




「クフフッ、レオン殿も本気のようですね?」



............死ぬなよ、アルフレッド。







『ふむ、全砲、一斉発射である』



「なぁっ!? え、『エクスカリバー』ッッ!!!」





科学兵器VS魔法兵器





───超威力マシンガン五砲VSエクスカリバー







果たして、その勝負の行方は.........?







☆☆☆






『勝者っ! レオン選手! よって第一次予選の突破者は、レオン選手、マックス選手、クゼ選手、ホノカ選手、マキコ選手の計五名です!』



結局、レオンが勝利した。



アルフレッドはまだ(・・)エクスカリバーの力を半分程しか引き出せていなかったっぽいし、力のため切っていないエクスカリバーの波動の斬撃では魔力によって強化されたマシンガンの連続攻撃には耐えられなかったらしい。


───まぁ、レオンといえどEXランク。決してアルフレッドが弱かった訳では無いのだ。



ちなみにさっき、苦笑いを浮かべたアルフレッドが担架で運ばれて行った。ご愁傷さまです。



ふと横を見ると、信じられないようなものを見たかのように目を丸くしてフリーズしている勇者達───いや、観客のうちほとんど全員か。


───道理で歓声が聞こえなかったわけだ。





「ふむ、我輩トイレに行ってくる」



「ちょっ!? 逃げるのはずるいって!!」




恭香のそんな叫び声が聞こえたが、僕は霧となって逃げ出すのであった。




───その少しあとに、絶叫にも似た大歓声と、恭香の叫び声が響いたらしいが、まぁ、我輩(シル)の知ったことではなかった。







☆☆☆







「ふぅ......ここはいい所だな、気に入ったよ」


「あ、ありがとうございますっ!」



場所は、街中の屋外喫茶店。


日光が程よくあたり、秋なのにも関わらずぽかぽかと暖かいような、そんな居心地のいい喫茶店だ。



僕はギン=クラッシュベルとして、そこで昼前のブレイクタイムとしていた。


───少し注目は集めているが、それでも馬鹿(エルグリット)があんなことを言ったんだから、わざわざ隠す必要もあるまい。隠すべきは僕が出場している事実だけだ。




.........ん? 闘技場の中にいないと勇者達が見つけられないだろ、って?

はぁ、そもそもあんな怪しい道化の言葉を信じる方がいけないと思うけどね。


しかもシルは『基本的に』と伝えたはずだ。


───今は勿論、例外で.........





「ずるっこさんめ」


「............へっ?」





ふと気付けば、僕の机の対面に、黒髪(・・)ショートの女の子が座っていた。




「な、なんでお前が.........」




彼女は、僕が最も出会いたくなかった存在で......




「悪魔と天使が教えてくれた」


「直感、ってことね」





the不思議ちゃん、浦町了であった。




「そもそも皆、頭が硬すぎる。この会場に居て、尚且つ鮫島の悲鳴を聞こえる位置にいて、シル=ブラッドが会場に入った瞬間に見つけられる位置、その上シル=ブラッドの言動を鑑みるに、そんなの本人以外は有り得ない」


「はぁ......、よくお分かりで」





浦町了




僕の数少ない女友達のひとりで、不思議ちゃん。




───だが、コイツの本質は、そこではない。









「流石は『完全無欠(エクストラ)』様だな?」







浦町了、この女を一言で表すならば、





───"完全無欠の天才"だ。

第一回戦はレオン、マックス、久瀬、桜町、鳳凰院が本戦出場です!


次回! 浦町とギンの関係とは......?

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【新連載】 史上最弱。 されどその男、最凶につき。 無尽の魔力、大量の召喚獣を従え、とにかく働きたくない主人公が往く。 それは異端極まる異世界英雄譚。 規格外の召喚術士~異世界行っても引きこもりたい~
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