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いずれ最強へと至る道   作者: 藍澤 建
第三章 帝国編
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第109話

ステータスはどうでしたでしょうか?

暁穂はダントツですね、神器を使用したギンでも勝てない......と思います。

「うわぁ......暁穂ダントツじゃん」



ステータスを見て、最初に思ったのがそれだった。



だってこのステータス×5倍でしょ? 明らかに素のロキを超えてるんじゃないか?


「い、いや.........、多分だけど、神狼化したお姉ちゃんの最高のステータスが狡知神様の最低と同じくらいだと思うよ? だってお姉ちゃんが勝てそうな未来が見えないもん」




───だそうです。




今の僕でさえ暁穂に勝てるかどうか、って状況なのに、その暁穂すらも凌駕するロキは一体どんなステータスをしているのだろうか?



そしてロキがブーストしたらどうなのだろうか?



.........知りたいけど、怖くて知れないな。


うん、知りたくねぇや、やっぱり。









「って言うか何この称号? お前の母さん僕の友達気取りですか? なぁ? 伽月?」



「ぐるぅぅぅぅ?」





僕の目に映るのは首を傾げる伽月に、新しい加護の数々、そして遺憾な称号。







冥府神の加護

冥府神の加護を受けた証。

冥府の門のスキルを会得。

ステータス上昇極大

(ユニーク以外のスキルレベルの上限上昇、DEXの成長率上昇極)



風神の加護

風神の加護を受けた証。

風神化のスキルを会得。

進化時のステータス上昇極大。

(ユニーク以外のスキルレベルの上限上昇。AGIの成長率上昇極大)



雷神の加護

雷神の加護を受けた証。

雷神化のスキルを会得。

ステータス増加大。

(レベルアップ時のステータス増加量極大、ユニーク以外のスキルレベルの上限上昇)



世界竜の友

世界竜バハムートの友となった証。

耐久力超強化。

(相手の居場所や危機を感知できる)






......なんだよ、友って?



僕はアイツを友達だなんて認めた覚えはないぞ?




そんなことを考えていると、




「多分、創造神様がそう決めちゃったんじゃない? スキルの管理も創造神様の管轄だし」




.........ほう?




「奴の局部をちょんぎる新たな理由が出来たってわけか」




───その頃その本人(エウラス)は、急激な寒気に襲われたというが、僕が知る由のないことだった。







閑話休題。







「それじゃ、三人に関しては太陽の光に慣れることと、自分の能力に合った僕のスキルを一つ共有すること、そして真祖になることを目標に頑張っていく、って感じか?」



ここからグランズ帝国王都まではゆったりぶらり旅を続け、一ヶ月後の武闘会に参加、という流れになっている。



───今は実力とか、日光とかの問題で無理だろうが、その進展具合によっては武闘会参加も夢ではないだろう。







そんなことを思っていたのだが。







「お、おう.........、慣れるなんて無理だろうがな。ははっ」




いきなり弱気発言のマックス。


その隣で頷いてみせるオリビアとマックス。




.........そんなにキツイのか?


三人には器耐性と魂耐性を共有させたからそれなりに耐性が上がってると思うんだがな......?




「多分だけど、三人とも二日酔い+三徹明けみたいな意味のわからない状態になってんだと思うよ?」



うわぁ.........、酒飲んだことないからわからないけど、それってかなりヤバいんじゃないのか?



「うん、キツイだろうから、変身スキルで翼と尻尾だけでも消すか小さくして服の中に隠した方がいい───って言うか今の状態じゃまともに歩くことも出来ないでしょ?」



考える素振りもなく頷く三人。



どうやら恭香曰く、本来のデュークやダッチェスは、かなり経験を積み、真祖直前まで来てやっと太陽の光に対する耐性ができるのだとか。

それをまだまだ未熟な三人が耐えるには身体にかなりの負担がかかるらしい。





「うーん......、暫くは三人と藍月の訓練は夜間になりそうだな」



「「「.........えっ?」」」




何故か驚いている三人。




こいつら三人は、一応僕のパーティメンバーだ。



───僕の数少ないプライドが『自分のパーティメンバーがそんじょそこらの白髪の神童なんかに劣っでいいのか? よくねぇだろ?』と囁きかけてくるのだ。



なら、僕が直々に鍛え上げてやるしかあるまい。




ということで、僕は、何も言われなくともこいつらの事は鍛えていたのだ。



───吸血鬼になるのと訓練する順序を間違えたな。





「ってわけで、お前らはこの一ヶ月で、武闘会に参加して上位に食い込めるレベルまで強化するつもりだから...............、覚悟しとけよ?」





そこにはニヤニヤと嗤う鬼と、何故だか知らないが恐怖で震える仔羊三匹がいた。







───さぁ、楽しくなってきやがったぜ!






そうして時は過ぎてゆく。






武闘会、そして奴ら(・・)との再会は、すぐそこまで迫っているのだった。









☆☆☆







場所は変わり、グランズ帝国、王都グリム。



───俗称、帝都である。





そこに、奴は居た。





「おおおっ! ここが帝都かーっ!」



金髪の少年が、騒いでいた。


顔にひどい傷を負いながらも、未だにその容姿は健在であり、街を歩けば十人中六人くらいは振り向くような少年だ。



「ふふふっ、まるで子供のようですよ?」




彼の斜め後ろに控える侍女が、







────アーマー(・・・・)様。





と、続ける。






彼の名はアーマー・ペンドラゴン。



かつてギンとの激闘(嗤)の末に、身体の数ヶ所(主に顔面と股間、それに心)に甚大な傷を負い、なんとか逃げ出すも、逃げ出した先で彼の本気を目の当たりにして、さらに心の傷を深めた───と言うかもう既にトラウマと化した、哀れな少年である。





「わ、笑わないでよ! こっちは本当に感動してるんだからさっ!」


「ふふっ、私───マルタは嗤ってなど.........ぷーくすくすっ」



彼女の名はマルタ。


アーマーの父親より彼の護衛を頼まれている哀れな女性である。



かなりの手練で......




───そして何より、Sっ気がある。




彼のハーレムには存在しないSっ気である。


強いていうならばギン自身であろうか? .........まぁ、強いていうまでもない気もするが。





「ところでアーマー様。何用でこちらまで? 今の今まで聞かせてくれなかったと言うか聞きたくなかったというか、私の願いをいうならば口を聞きたくなかったのですが」


「ひ、酷いよマルタぁ.........」




本当に哀れな少年である。





何をしても悪い方向に進み、


育った環境のせいで間違った価値観を植え付けられ、


そのせいでどこかの鬼畜にボコられ、


かと言って仲間はそれ以上の鬼畜という地獄。




────もう少し、彼に同情してやってもいいのではないだろうか? と、そんなことを思いそうになる。





「それで? 結局は何故なんですか?」


「あっ、やっと話を真面目に聞い...」


「早く話せよノロマが」


「.........うん」




そうして彼はここに来た理由を語り出した。




「僕はあの人───執行者のギン、って人に喧嘩を売った」


「最悪手でしたね。まさに馬鹿、阿呆、相手の力量くらい測れなかったのですか? 本当に無能過ぎます」



───語り出したところで容赦がないのがマルタである。



「は、ははは.........」



流石の彼も空笑いしか出てこない。






───だが、






「確かに、彼に喧嘩を売ったのは誰からどう見ても明らかな、大失敗だったよ」



おや?



何やらギンに喧嘩を売った日の彼とは少し、違うようだ。




「僕はあれから、いろんな街を回って彼の情報を集めた」


「集めたのは私ですがね」


「......うん、彼を倒すための仲間を集うとしても、まずは相手の情報を知らないといけないからさ」




価値観や考え方は狂っていても、それでも脳みそが全て腐っているわけでは無い。

彼の場合(正義感)は親や周りの人物、環境による洗脳が大部分であり、確かに根は正義マンだが、それでもそれは、心の不安定な今なら壊せるような根っこだ。年若い今ならばまだ、矯正は十分に可能だ。

言うなれば造られた正義マンだろう。




逆に.........ここでは水井幸之助を例に挙げよう。

彼の場合は家族、環境共に、そういうもの(過度な正義)は無かった。つまり、周囲からの影響───洗脳はなかった。

にも関わらず今ではあのようなトチ狂った正義マンである。

彼の場合はもう、矯正の余地は無い。

自ら進んでそちらの道へと進んだ彼は、もうどうあったとしても戻っては来れないだろう。

彼の場合は、野生の正義マンだろうか?






つまりは何が言いたかったかというと、それは一言で済む。






───水井幸之助とアーマー・ペンドラゴンの正義は違うのだ。という事だ。





似ているようで、根本的な部分から間違いなく異なっている。



方向だけ、結果だけ、結論だけが同じだけの、全く違う正義の捉え方だ。





だからこそ、彼はこの旅で、沢山の事を学んだ。学べた。





それは、たった一週間前後のことであったが、それでも自ら進んで調べ、聞いて回ったことには意味があった。



意義があった。





───何故ならば、






「僕は、彼が悪だとは、思えなくなったよ」



「何を当たり前のことを言ってるんですか? 馬鹿なんですか? いえ、馬鹿なんですよね?」




そんな、当たり前のことを彼が言えるようになったのだから。




「彼は───ギンは、きっとこの王都の武闘会に参加するだろう。僕が個人的に(・・・・)調べた情報でもその可能性が高かったしね」




これには素直に賞賛する、マルタ。


───まさかあの(・・)アーマー・ペンドラゴンがここまで成長するとは.........、その方にはお礼をしなければなりませんね。


と、そんなことを思う。





「だから僕は、今度は彼と落ち着いて話をしたい。その上でもう一度、勝負がしてみたい」




───これでも僕も、強くなったはずだからね、と。







彼はそう、楽しそうに笑うのだった。







敵さえも改心させてしまう、このスキルとも呼べるような能力は、それこそギンの人徳のなせる技、というものなのだろう。











そうして役者は、舞台へと集い出す。




アーマー・ペンドラゴン




大陸中の猛者たち




前大会優勝者




黒髪の時代






───そして.........












───彼らの舞台は、間もなく開演である。

次回!王都に到着したギンたちのお話です!

そろそろ彼らとの再会間近ですね。

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