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転生したらエルフだったので無双する  作者: 随喜夕日
第01章 誕生と出会い
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No.13 旅路

 倒した土竜は鱗と鉤爪だけ剥ぎ取って放置した。動かそうにも重過ぎて動かせない上、燃やそうとしても表面を焦がすだけだったのだ。つくづく規格外の生物だな。


 よって魔道士のギルと僕で横の木々を魔法で倒して燃やして道を作った。

 ギルはそれが終わる頃には魔力切れで気だるそうにしていたが僕はまだまだいけそうだった。保有魔力もそれなりに多いらしい。



 それから2日後、(ようや)く大森林を抜けた。


 ここから一度町によって食糧を買うのだが、あと4、5日かかるそうだ。

 馬車の積荷であった3週間分の食糧も3割程度にまで減ってしまった。その代わりに、あの土竜から剥ぎ取った鱗が場所をとっている。これがかなりスペースをとったので今は窮屈な荷台になってしまったので、次の町にある集会所で売って金にする事にした。



 旅15日目。

 窮屈な荷台での移動に嫌気がさしてきたところで、朝の10時頃やっと町についた。

 町の名はギールド、実は護衛の魔道士ギルさんの故郷だそうで彼の名前もこの町の名前からとったそうだ。

 町に入るとまず一直線に集会所に向かった。

「ここが集会所だ」

 馬車が止まるとギルが言った。町の大通りにどっしりと構えた建物で、一階建てだがかなり大きい。前には馬車の繋留所もある。モアルドにも似たような建物を見たことがあるが多分それも集会所だったのだろう。

「さぁ、坊ちゃん方。付いてきて下せえ」

 馬車から降りて中に入ろうとする3人に僕達2人も付いていく。玄関入口はドアを設けておらず、スッと入れるようになっていた。

 中に入る。石畳の床にテーブルが7つか8つ、それと受付が見える。日本のライトノベル小説でよくあるモノと変わりないな。

「んじゃギル、俺とマルクはそこで待ってるから換金は任せたぜ」

 ラルズがそう言ってマルクを連れ、テーブルの方へ向かって行った。

 僕は一応ギルの方へついて行くことにする。当然イレーナも一緒だ。


「ん?おお、ギルじゃねえか!それにお仲間さん方も」

 受付に行くと、座って書類仕事をしていた男が気付いて声をかけてくる。

「よお、ハイド。元気にしてたか?」

 ギルは受付のカウンターに体を乗りあげながら彼と腕を組んだ。彼らの挨拶らしい。

「ああ、病気もかからず元気にしてたよ。今回は何だ?手頃な依頼でも探してるのか...?

 後ろの嬢ちゃんらはどうしたんだ、人攫いでもやったか?」

 男は僕達に気付き、椅子から立ち上がってのぞき込んできた。

「馬鹿言うんじゃねぇ、このお二方は今回の仕事で馬車旅の護衛をしてるモアルドの領主様がご子息とそのご友人のご息女様だぜ」

 かなり大袈裟に芝居がかって紹介するギル。それを見て受付の、ハイドと呼ばれた男が気さくに笑った。


「そうかい、お前もとうとう領主のご子息をお守りするほど偉くなったか!はっはっは!」

「ああ、だが今日ここへ来たのはその自慢のためだけじゃあ無ぇぜ。ちょっくら換金したいものがある」

「換金したいもの...?」

 (いぶか)しむハイドにギルはニヤリとして言った。

「おうよ、それもとんでもない()()だ。聞いて驚くな?『土竜の鱗』だぜ!」

 ハイドがきょとんとする。そして一拍おいて、恐る恐る口を開く。

「ど、りゅう...?ど、土竜?土竜の鱗だと!?そんなもの何処で手に入れたってんだ?」

「何処でって、北の大森林でさ。しかも拾ったんじゃねぇ、剥ぎ取ったのさ。

 それも、このお二方が倒した土竜からな」


 ハイドがカウンターから乗り出していた体をドスンと椅子へ預けた。そしてゆっくり口を開く。

「...確かに、4、5日前に集会所(ウチ)へ『北マーリアの大森林に土竜が出た』と報告が入った...そんで土竜なんかに大森林の道を遮られちまえばモアルドどころかお隣のフーリアへの行商もままならねぇってんで領主様に報告して討伐隊の結成を募って貰うことになってた...今日の午後から貼り紙を掲示板に貼るつもりだったんだが......そこの2人が倒したって...?まさか冗談じゃないよな?」

 唖然としているハイドにギルが(ふところ)から何か取り出し、渡した。

「土竜の首の鱗だ。確かめてみろ」

 それを渡されたハイドは、ハッとして後ろの棚から本を取り出してくる。パラパラとめくり出したので、ちらと覗き見れば様々な魔物、魔獣の絵とそれぞれの部位の拡大図、説明文が書かれている。

 ページをめくる手が止まった。そこに書かれている絵と渡された鱗を照らし合わせ、交互に見つめる。

「...確かに、土竜の首鱗だ...間違いない......その、これはまだ他にあるんだな?」

「おう、表に停めてる馬車の荷台にたんまりとあるぜ。それは首のだが背中の鱗もある。背中のは重いしデカイしで10枚しか持ってきてねえがな」

 そう言って外を指さした。

「じゅ、10枚だと...?き、傷なんかの状態はどうだ...?」

「坊ちゃんが顔を吹き飛ばして倒したからな。背中の鱗は傷なしの上等品だぜ、相当高く売れるだろ?」

「高くって....はぁ、無知って怖いな...」

 若干呆れたような声で、ハイドは頭に手を当てて唸る。

「ん...?」

「まぁ、いい。分かった。じゃあ換金の作業はほかの職員とお前のお仲間に任せるから、お前は奥で状況報告だ。当主にも見せることになるから詳しく聞くぜ?いいな?」

「おう、なるべく早く終わらせてくれよ?」

「ああ、だから早くこっちに来い。ほら」

 ハイドがカウンターの扉を開けて中に案内した。

「坊ちゃん方はテーブルの方で待っていてください」


 言われた通りテーブルに行き、ラルズがいるテーブルの席に座っていると、暫くして職員の女性と男性がやってきた。

「換金を致しますので持ってきて下さい。お手伝いします」

 僕達は馬車の荷台から土竜の首鱗が入った袋3つと背鱗10枚を運び出した。特に背鱗は首鱗が掌に乗る程度なのに比べ、縦70cm、横50cm程の大きなもので、しかも見かけによらず重い。1枚でも20kgはあるだろう。それを職員2人とギルを除く僕達5人がかりで運び出した。

 職員が受付の奥に持っていって鑑定を始めるという。それまでは、また暇になる。

「じゃあ、ちょっくら飯でも食いに行きますかい」

 ラルズが良い店を知っていると言うので付いていく。そこは大通り沿いにある小さな店でスープが美味しかった。


 昼も済ませて集会所に戻ってみればテーブルにギルが座っていた。

「何でい、お前らもう食ってきたのかよ。俺なんかハイドのせいで何も食ってねえのに」

 そう悪態をつくギルに軽く謝りつつラルズが訊ねる。

「んで、換金は終わったのか?」

「おう、ついさっき終わったから受け取りに来いって言ってたんでな、お前らが帰って来たら貰いに行こうと思ってたんだぜ。あの土竜の鱗だ、きっと金貨3枚位にはなってる筈だぜ!」


 金貨といえばこの国で使われている通過の中で最も高価なものだ。前世で言えば、大体10万円位。つまり、3枚で30万。


 通貨についてもう少し詳しく説明しよう。

 一番安いのは銅銭で1円。次に銅貨が10円。

 銀銭は100円で、銀貨が1'000円。

 そして金銭が1万で金貨が10万。

 と言ったように価値が低い銅銭から10倍ずつ価値が上がっていくようになっている、悪くないシステムだ。


「じゃあ、貰いに行くか」

 運送屋のおやっさんを除く5人で受付に向かった。因みにおやっさんは馬を見ておくと言ったので外で待機している。


「お待ちしておりました。こちらが明細になります」

 そう言って受付が1枚の紙を見せる。受け取ったラルズが一瞬、動かなくなった。

「...嘘、だろ...?」


 僕はすぐに、その言葉の意味を知ることになる。

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