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転生したらエルフだったので無双する  作者: 随喜夕日
第01章 誕生と出会い
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No.09 勧誘

「やあ、オンス。久しぶりじゃあないか」

「お前こそ、元気そうで何よりだ。

 どうだ?最近の調子は」

「ああ、管理職も良いものだよ」

 屋敷の一室にて父さんとウォーデンは椅子に座って話していた。

 父さんの隣には僕と母さんが座っている。


「それで、わざわざ王都からここまで来るとは、何の用事だ?」

 父さんが、皆が最も気になっているであろう事を問う。

「ああ、実はな。

 ワシがやっている学園があるだろう?

 もうすぐ入学のシーズンなのだがな、特待生の寮が一室、空いているのだよ」


 ほう?

「ほう?」


 父さんも、僕と同じ反応をする。


 しかし、学園だと?一体何のだ?


「しかし、まぁ、骨のある奴は中々おらんでな。それでお前に子供が産まれていたのを思い出して、年もまあ丁度良いだろうと思ってな。

 お前の手紙の通りなら、今から入っても問題あるまいて。

 どうだろうか、学園に来る気はないかね?」

 そう言ってウォーデンさんはこちらを見る。

「そうか、いや実は私も学園には行かせてみたかったのだがな、しかし、入学は13歳からではなかったか?」

「ああ、そうだが。その為の特別待遇だろう?」

「ははは、確かに!シャルルはどう思う?」

「アルが行きたいと言うなら反対はしないわ」

「そうか」


 僕を除いた三人がどんどんと話を進めてゆく。

 しかし、母さんの一言でウォーデンの目線が僕に向いた。


「ならば、勧誘してみるかな。

 改めて、少年。私はウォーデン・チェーホフという、宜しく頼む」


「アルバート・シュティーアです。こちらこそ宜しくお願いします」

 手短な挨拶をしてウォーデンは話を進めた。

「それでだな、私は王都にて魔法専門の研究及び人材の育成をしている【王立魔法科学園】、通称【学園】の学長をしているのだが、

 さっきから話している通り、新入生の勧誘をしているのだよ。

 どうかね、入ってみる気はないか?」


 魔法専門の学園。そんなモノがあるなら行ってみたい。

 だが、しかし。一つ気になる点があった。

「...一つ、お伺いしてもよろしいですか?」

「ああ、気になる事なら何でも聞いてくれ」


「普通は入れない歳、だから特待生として、ですよね。そして特待生の枠は1人分だと」

「ああ、そうだが」


「なら、僕は。遠慮させていただきたいのですが」

「...理由だけ聞かせてもらえるかな」

「非常に我が(まま)な理由ですが、

 僕には離れたくない人が居ます。

 それだけです」


「その【離れたくない人】とは?」

 今度はウォーデンの方から訊ねてくる。


「幼馴染みの、イレーナ・ルセイドです。

 ですから、そちらに入学するのであれば、また来年、相応しい年齢になってから宜しくお願いします」


 ウォーデンさんは少し黙る。何か考え事をしているのだろう。

「...心得た。だが、1度だけ君の実力を試させて貰えないか?来年の為にも」

 漸く口を開いたウォーデンは、そんな事を行ってきた。その程度の事なら断る理由などない。僕は了承する。


 先ずは筆記だった。ウォーデンは屋敷にあった紙に問題を書き連ねてゆく。

 出される問題は数学、地歴、魔法学の3つ。数学は中学卒業程度、問題ない。他の二つについても危なげ無く正解していった。

 そうして最後の問題を回答し終えると、ウォーデンは感嘆したように言った。


「全問正解だ...」

 伊達や酔狂で零部隊(ゼロ)にいた訳ではない。当然だろう。


 次に魔法の実技。

 僕は以前やったように無詠唱のフレアで特大のフレアを見せてやった。

 今回のは以前の大火よりも更に高く、大きい、7m程のモノをだ。

「噂に違わず...()れ程までとは...」


 一通りやり終えると、ウォーデンは僕に向き直り、改まったように言う。


「少年…いや、アルバート君。

 私は、やはり君に学園に来てもらいたい」


「ええ、また来年」


「いや、今すぐにでもだ。

 ......だがそれではダメなのだろう?

 オンスの娘と一緒が良いのだろう?」


 その通りであるので僕は「はい」と答える。


「だが、私も君のような逸材を来年まで待てるほど悠長な男ではない。


 学園に近い借家(しゃくや)なら、二人でも良いのだが」


 成る程、だが、それは僕が決める話ではない。


「そうなると、ハンクらも呼んでこなくてはな」


     ◇◆◇◆◇


「成る程、二人で王都に」

 来てくれたルセイド家の3人に事情を説明した。

「私は構わないが、私が決めることでもないな」

「私も本人の意思に任せるわ」

 あっさりと両親の了承を得た。

 なんと言うか、僕の家族もそうだが、反応が軽いな。

 そういうのはもっと熟考の末に出る回答ではないのだろうか?

「では、イレーナ君。君はどうかね?」


「私は、アルと一緒で居られるのなら構いません」


「なら僕も、断る理由はありません」

 それで決まりだった。


 それからウォーデンさんは一応と言ってイレーナにも試験を行った。

 当然、全てにおいて僕と引けず劣らずのイレーナは合格だ。


 それを終えるとウォーデンさんは帰り支度を始めた。

「それでは、私はここで失礼とする。これから面倒な書類仕事が山積みにあるのでな」


「一つ、お願いをしてもよいですか?」

 僕は彼を呼び止める。隣にはレーナ。

「何かね?」

「僕たちが寝泊まりするのは借家で、でしたよね?」

「ああ、そうなるな」


 僕は一瞬だけイレーナと目配せをし、二人で決めたことを伝えた。

「やはりそれでは申し訳ないですし、寮で構いませんよ」

「しかしだな、特待生用の部屋は一つしかないと...先程から...」

 僕はウォーデンの話を遮って一言、言った。


「ええ、ですから。その部屋に二人で住まわせて貰えないでしょうか」


「...なんだと?」


「僕たち二人は将来を誓い合っています。別に二人一緒で構いません。いやむしろ、その方が良いのです」


 僕はイレーナの肩を抱き寄せ、それを示す。

 ウォーデンは一考した(のち)、僕たちにもう一度向かい合った。


「成る程、(あい)分かった。そう手配しよう」


 なんとか理解してもらえたようだ。


 それにしても学園...か、楽しくなりそうな予感がするな。

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