奇襲
高橋です、湯船でこれからの事を考えてます。
いやぁ、どうしたもんですかね。
刺激的な経験をさせてもらいましたが、西口さんとの距離は全然縮まりません。物理的に近付いても撃たれますしね。
いやぁ、手詰まりです。
「お兄ちゃん何を悩んでるの?」
「うわぁ!!」
突然制服姿の妹が僕の顔を覗き込んで来ました。
いつの間に浴室に入ってきたんだ?
「このバカ妹!!何しに来たんだ!!」
「何って?お背中を流そうかと思って馳せ参じたんだぞ♪」
「分かったんだぞ♪・・・ってバカ!!馳せ参じんな!!」
もうお分かりでしょうが、ウチの妹はバカなんです。
名前は高橋夏希と言います。
実は夏希と僕は同学年の兄弟でして、僕が四月生まれで夏希が十二月生まれ、しかもこのバカは同じ学校の僕の隣のクラスに居るもんで、このバカの暴走で僕にいつ被害が出るか気が気ではありません。
ん?
「おいバカ妹よ、お前確か僕の隣のクラスだよな。」
「はい、天才兄!!」
コイツの唯一の取り柄は僕に従順な事です。
よし、次の一手はコレで決まりだ。
「妹よ、お前に頼み事があるんだが聞いてくれるか?」
「聞く前から言いましょう。その頼み事やります。」
「ほぉ、成長したな妹よ。」
「そういうお兄ちゃんは成長して無いね。」
おい妹よ。湯船の中にある俺の股をガッカリしながら覗くのをやめろ。
高橋は妹を手下として使う。