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待機

高橋です。

とうとう西口さんが、とある廃墟のビルに入りました。

どうやら僕のカンは的中したらしく、スナイパーとしての仕事があるみたいです♪

西口さんはビルの階段を上がって行き、会社のオフィスだったであろう部屋の窓際に陣取り、廃墟ビルの向かいのアパートをジロリと睨んで一言。

「お仕事頑張るかぁ。」

ウフォー!!また見れますよ西口さんの華麗な狙撃が!!ちなみに僕はオフィスの入り口の扉の所に息を潜めて隠れてます。

「フーン♪フン♪フンフーン♪」

“カチャカチャ・・・”

鼻歌混じりに西口さんがスナイパーライフルを組み立てていきます。どうやら鞄の中や衣服の中にパーツを隠していたみたいです。

「でーきた♪」

スナイパーライフルを完成させると、割れた窓の所にスナイパーライフルを構えて立ったまま静止する西口さん。

やべぇ、僕のドキドキは最高潮です。

でもコレはヘタしたら殺人現場を目撃する事に成るんですかね?まぁ、そうなったらそうなった時に考えましょう。

さぁ、西口さんがいつ狙撃するか分かりません、五感を研ぎ澄ませて、西口から目を離さないようにしましょう。

~13時間後~

・・・や、やべぇ、死ぬ。

腹も減ったし、なんか気力も尽き果てそうな高橋です。

13時間の間、西口さんは狙撃の体制からピクリとも動かず、まるで石像の様です。

流石はスナイパーですが、僕は凡人なのでたまりません。相手が西口さんでなかったら、とっくに帰っています。

ははっ・・・いっそのこと僕を撃って楽にしてくれませんかね?

時刻は丁度、朝の6時を向かえようとしています。

“バーン!!!!”

西口さん突然の発砲。

僕は死ぬほど驚きました。

えぇっ!!6時丁度にターゲットが来たのか!?

「ぎゃぁああああ!!!!」

あれ?アパートから男の悲鳴が聞こえる??まさかの殺し損ね???

「よし!!」

だがガッツポーズの西口さんは満足そうです。一体どういうワケでしょうか?

「ターゲットの起床確認。これにて匿名希望の主婦からの“就職試験当日の都会に出ている息子を、朝の6時に確実に起こして下さい”の任務完了と♪」

ルンルン気分の西口さんは、素早くスナイパーライフルを分解してパーツを元の場所に収めていきます。

僕は口を開けて、ただ呆然としていました。

狙撃でモーニングコールを頼むって、匿名希望の主婦は頭がイカれてるでしょうか?

そんな事を考えている内に、西口さんはパーツを収納し終え背伸びをしています。

本当にお疲れ様です。

「さて、少し早いけど学校に行こうかな♪」

あっ・・・西口さんの一言で僕は今日が平日なのを思い出しました。スゲーだるい。

「よっ!!」

掛け声と共に、西口さんは割れた窓からピョンと外にジャンプしました。

多分大丈夫かと思いましたが、一応、西口さんが飛び降りた窓際の場所に素早く移動し下を覗くと、何事も無かったかのように歩いている西口さんの姿が。

僕はホッと胸を撫で下ろし、小さくなる西口さんの後ろ姿をいつまでも、いつまでも見ていました。改めて思いますが彼女は素敵過ぎて敵いません。

ちなみにこのあと僕は力尽きて廃墟ビルで寝てしまい。あとから学校の先生と自分の親から教育的指導をされました。

トホホ

年端もいかない、女と男が一夜共にしたらダメ

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