ご主人様に寝場所取られた愛猫は不機嫌に尻尾で床を叩いていた。
アイスを咥えて陽炎の中から帰ると、玄関で愛猫が寝ていた。
片目だけ開けて見上げ、仕方ねえなと億劫げに身を起こし道を譲られる。
エアコンの恩恵に与ろうと居間に急ぐと、壊れたらしく扇風機が幅を利かせ熱風を撒き散らしていた。
南向きで陽炎立つ道路に面した窓から吸った熱風を。寧ろ逆効果だ。
涙目で向きを変えても部屋はうだる暑さ。
ふと廊下で気持ちよさげに目を閉じ寝そべる愛猫が目に入る。
隣に寝転がると風通しが良く、猫は良い昼寝スポットを知ってるなと瞼が下がった。