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序章
初めまして藤代です。
星や星座をテーマにした作品を目指して作成しました。
よろしければ見ていってください。
この暗闇は聖であるのだと、誰かが言った。
息もできないほどの暗闇の中で、押しつぶされるような閉塞感に声を上げることもできないでいる私を抱きしめて、誰かはそっと囁いた。
この暗闇は聖であるのだと、呟いたのだ。
暗闇の世界は、一時の恐怖だ。
私はその空間の中で、ただひたすらに時が流れるのを待っていた。
何か別の事を想像すればいい。
頭の中、意識を別の事に逸らせたら、きっと私はこの空間での出来事を忘れられる。
私にとって何よりも恐ろしいものは、暗闇なのだから。