最悪の試練
「貴方は一体何者なの?」と言われた僕はもう未来から来ましたといいざるを得なかった。
その翌日壇ノ浦の戦いがあったという噂は下関から京都まで来た。そして宮の使いの人を経由して僕へ式部から伝言が来た。それは今日の午後に私の部屋まで来なさいという内容だった。
そして式部の部屋へ行くと正座して待っていた式部がいた。「突然お呼びして申し訳ないわ。そこに座って。」と言われると再び式部の口が動いた。「突然で申し訳ありませんが、私からこの藤原家の宮から今日中に退出することを命じます。」僕は覚悟はしていたが「それは勘弁してください」と叫んだ。しかし式部は「貴方のような得体の知れない人がいると皆びくびくして生活しないといけないの。昨日のあの戦いがあることをなんで知ってるの?おかしいでしょ」とまだ血相を変えて叫んでいる。だが僕はこれから行く当てもなかったから必死に泣き叫んだ。「僕は怪しいものでは・・本当です。信じてください」だが式部もひるまなかった。「悪いけどね、私がここにいるのは貴方に仕える為でも育てる為でもないの。私は、障子様に仕える為なの障子様を育てる為なの。だからすぐにここから出て行きなさい。お願い早く。」僕は悔しくて泣き崩れた。式部は僕の耳の鼓膜が破けてしまうほど大きな声で叫んだ。「早く出て行ってください!!!!!!」




