マタリの意外な事実と最期
マタリとの自己紹介を終えた所で、家の奥から3人の人が出てきた。マタリが「俺の家族を紹介するよ。俺の妻のシルキと長男のカルマ、次男のシビトだ。」と大きな声で言った。すると三人は恥ずかしそうによろしくお願いしますと小さな声で言った。そして僕は恐る恐ると「あのぉ無理ならいいのですが、一週間住まわせてはもらえないでしょうか・・・」と小さな声で言った。するとみんなは声を揃えてもちろん!と言った。僕は安心のあまりそのまま寝てしまった。
翌日人々の声や足音で起きてしまった。ここの時代の人々は意外と早起きなのだ。奥から良いにおいが漂ったと共にマタリが「おお、起きたか。朝だぞ。」と大きな声で言った。「今シルキが俺が昨日捕まえたイノシシを焼いてんだ。うまそうだぞ。」とつばをたらしながら言った。最後に「まあ、お前もこれからは家族の一員だ。楽にしろよ」と言った。そこから6日間は平凡で楽しい時間が過ぎていった。7日目の朝マタリに最後の日だから2人だけで狩りに行こうと誘われた。そして僕は森に行く途中マタリの意外な事実を知る事になった。
マタリが改まって小さな声で話した。「実は俺本当の親がいないんだ。本当の親のお腹から出てきた時からもうどこかに捨てられてたらしいんだ。そこで俺を拾ってくれたのがシルキの親なんだ。実はシルキには父親がいなくて狩りに出る人は誰もいなくて生活は全く安定しなかった。俺が10歳になるとシルキの母親は死んで俺とシルキだけの生活が始まった。そのとき俺は決意したんだ。一生シルキを守るってな。」マタリと話しているとすぐに森に着いた。「イノシシがよくいるから気をつけてな。」と小さな声で言った。マタリは狩りを始めて10年以上経つのでとてもうまかった。僕は変な予感がした。遠くからどしどしと足音が聞こえた。イノシシだ!僕は前と同じく足が動かずもうだめだった。その瞬間マタリが危ない!!と叫んだ。目を開くとそこには血が広がっていた。イノシシのものではなくマタリのものだった。僕は泣きながらマタリのもとへ駆け寄った。マタリは心臓を打たれたようで自分でももう無理だと分かっていたらしい。マタリは既に虫の息だった。しかし小さな声でこう言った。「シルクに伝えてくれ。俺みたいな情けない男と一緒になってくれてありがとな。あと守れなくなって本当にすまない・・」。僕はその場で泣き崩れた。そしてそのことをシルクに伝えてタイムマシンでいったん自分の家へ戻った。(縄文完)
皆さん縄文時代はお楽しみいただけましたか?次は平安時代の物語です。主人公は皆さんの知っているであろう紫式部です。式部私の出会いをお送りします。では!




