第一章四話 これが魔法
「いいですか?あなたは罪のない人間を巻き込もうとしています。いますぐその人たちを放しなさい。これが最終忠告です。」
ナンシーさんはそう言いながら男に杖を向けている。
「おっと、やっと管理局様のおでましか。でも悪いな。この子たちはいただいていくぜ。」
そう言って男は魔法を使って私たちにはめた手錠を、これでもかというくらい強く絞めてきた。これが原因なのかはわからないが、祥子ちゃんとまいちゃんが足から崩れるようにしてその場で倒れ、そのまま気を失った。愛ちゃんは顔が恐怖で真っ青に。私はというと、どうすればいいのかわからず、その場で立ちつくしている。
「わかりました。それでは交戦規定により攻撃を開始します。」
するといきなりナンシーさん杖から黄色の矢が出たかと思うと、それが男に向かって一直線に飛んでいく。刺さる。私はそう思い顔を背けた。
が、グサッという音は聞こえなかった。気になった私は先程と同じところに顔を向けた。そこには、さっきと全く同じ光景が写っていた。
「これでも私はランクAだ。喧嘩をうる相手を間違えたようだな。」
私にランクがどういう意味なのかわからないが、Aということは一番上のことを指すのだろう。そう仮定すると男=最強を意味することになる。
(さすがにナンシーさんも歯がたたないか。)
私は今度こそもうダメだ、と絶望していた。愛ちゃんはもう気持ちがパンクしたのか前のめりにガゴンと倒れ気絶した。
が、
「その言葉、そのままお返ししよう。私はランクSSだ。」
な、さらに上があったのか、と思っているとナンシーさんは呪文を唱え出した。
「は、ヤバい・・・!」
男は重大なことに気がついたようで、ギネス記録なみの速さでもと来た道を引き返している。
「その罪、内側から反省しろ・・・」
と言うと、ナンシーさんの杖が今までで一番まぶしく輝いた。と、思ったがその後は徐々にその光は薄くなっていく。何も起こらないの、と拍子抜けしてしまった。しかし、
「うっ」
男は手でお腹を押さえて固まっている。すると、
「わわっ」
私は驚きを隠せずにいた。なんと男がどんどん膨らんでいるではないか。人二人分の幅を持つ道路いっぱいに広がってもまだ止まらない。ビリビリと服の破れる音がする。
物事にはいつか必ず限界がやって来る。膨張を続けた男にもその時がやって来た。そして・・・。
そこでとうとう私も、みんなのように意識を失った。
踊り念仏7です。ここまで読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。
まだまだ物語はこれからです。今後もどうぞよろしくお願いします。




