第一章三話 最悪な放課後
「わ、私たちに何をしたんだ!」
愛ちゃんの言葉は相手に対する問いかけではなく、叫びにしかきこえない。
男はそれには答えず、指をパチンと鳴らした。すると手が勝手に動きだしたかと思うと、後ろまで来たところで止まり、手錠をかけられた。
「安心したまえ。取って食べるわけではないのだから。君たちは大事な道具なのだから」
道具?まてよ。この人は魔法が使える。状況から判断するとまさかこの人、
「あなた、第二空間の軍隊の人ね?」
私はおそるおそる聞いてみた。
「えっ。てことは、私たちは誘拐されるの!」
そこ!祥子ちゃん。そこは手錠をかけられた時に気づこうよ。
「ふっ、第二空間と言っているところを見ると、どうやら君たちは管理局の人間ではないようだな。」
「そ、それがなんだっていうんですか!」
まいちゃん必死の反撃。しかし男はそれを無視して、
「君たちと話すのは時間の無駄だ。」
そう言うとポケットに手をいれてあるものを取り出した。それは・・・
「杖!」
それは魔法使いなら誰でも持っている杖であった。男はそれを私たちにむける。あぁ、もうこれで最後か。お父さんお母さん。今まで育ててくれてありがとう。あと、妹の一葉。今まで一緒にいてくれてありがとう。
そう思い自分のある意味最期を覚悟して待っていると、
いきなり上から何かが降ってきた。それは人だった。黒いマントを身に付け、とんがり帽子を被っていた。そして私はその人の金色の髪の毛に見覚えがあった。
「魔術管理局です。あなたを誘拐の現行犯で連行します。」
それはナンシー・エイリーさんだった。




