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第三章二話 文化祭予告

いつもの場所に祥子ちゃんの姿はなかった。まあいつもより一時間も早く家を出たから当たり前っていったら当たり前か。

日本一の流域面積を誇る利根川を傍目に私は歩く。見慣れているのこともあり普段は自分から川を見ることはまず無い。しかし今日は違った。川沿いに新しく建った管理局の建物。周りを囲むレンガの塀が水面に綺麗に反射している。これを見ると昨日の出来事が現実のことだと改めて思い知らされた。そんなことを考えながら歩いていると、

「友美ちゃーん。」

と後ろから私を呼ぶ声が。声だけで誰かわかった。だからあえて景気づけに少しいじってやろう。

「友美とは誰のことでしょう?」

と声を低くして言葉を返してやった。さて、どう反応する?

「え?あ、す、すいません。人違いでした。」

全力で謝ってその勢いで走ろうとする。私は慌ててそれを阻止し、

「ごめんウソウソ。おはよう、祥子。」

わが友祥子ちゃんに挨拶&謝罪を含めて声をかける。

「ひどいよ友美ちゃん。」

祥子ちゃんはほっぺをふくらませて抗議してきた。

「いいじゃん。ちょっとは私の心も軽くなったし。」

「まさか昨日のこと引きずってる?」

「・・・」

「・・・」

しばしの沈黙。

「いや」

この沈黙を私は破った。

「大丈夫だよ。さっきの景気づけで結構元気でたし。」

まあ事実、さっきよりは元気がでた。

「ところで祥子ちゃん今日は早いね。どうしたの?」

これ以上昨日の話をすると学校に着く頃には顔が青くなっている気がするので私は話題を変えた。

「ほら、私生徒会役員じゃん。」

「?」

天津南中学校生徒会

⇒主にイベントなどで活動する団体である(天津南中学校生徒手帳より転載)

「でも近いうちにイベントなんてあったっけ?」

私には覚えがない。

「あ、そっか。これ新しいイベントだからまだ知らないひとも多いのか。」

と言いながら生徒手帳の「年間イベント計画」のページを出して一番上の部分を指差してきた。そこにはこう書かれていた。

「四月三十日(月・代休)天津南中学校文化祭 ワルプルギスの夜祭」

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