破の回 終
カタカタと、砕け散ったパーツが震えだす。
「お前が市華を殺した……お前が殺した……」
徐々に揺れは大きくなっていき、やがて黒い光を纏って宙に浮き始めた。
「許さない……許さないぞ」
『エル、急いでそこから逃げて!』
宙に浮いた破片は南雲を取り囲むようにして集まっていき、そして。
「僕はお前を……許さなぁああああああああああああい!」
破片から出ていた黒い気が南雲の全身にまとわりつく。それがゆっくりと何かを形作っていき、完成したその姿が現れるとともに、スリアから通信が入ってきた。
『エル、もしかしたらかなり緊急事態になっちゃったかも』
全身を覆うのは、純白の鎧。右腕にはランス、左腕に円形の盾が装備として与えられていた。脚部は馬の足をモチーフにした脛当てがあてがわれ、頭部は額から角の生えた兜がはめられている。そして何より、肩甲骨辺りから生えた真っ白な翼が俺の目を引いた。
『目の前にいるソイツが、ずっと開発者のデータを解析しても発見できなかった霊具。高い攻撃力と防御力を誇る、霊具の中でも高位に存在する霊具』
聞こえてきた声は驚愕と後悔の成分を大量に含んでいた。事実俺も、その内容を聞いて自分の耳を疑っているからだ。
『その名も第一二番霊具、[天馬凱装]。特級霊具とも戦えるほどの化け物だよ』
天を劈く様な嘶きが、部屋一面に響き渡った。
今作は前にいたサークルで書いていたモノの続きでして、それを読んでいない方でも
楽しめる様自分なりに努力してみましたが、この厨二な雰囲気はいかがだったでしょうか?
今後も現代文学研究会ではこの続きを書いていく予定ですので、どうぞお楽しみに。
では長くなりましたが、これにて失礼いたします。




