表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オフ  作者: だんぞう
7/21

#7

 

「無理目な女を口説いてヤレたやつが優勝。今思えばバカなゲームだよな……でもそんときのオレたちは楽しくて……まず皆で無理目女子を一人づつ挙げてさ、それを紙に書いてくじ引き……オレがひいたのがこよみだった」

「無理目っつってもすげー美人ばっかを挙げてたわけじゃない。いじめられてたブサイク挙げた奴もいたし、オレは新任の女教師を挙げた。んで引いたのは図書委員長のこよみ。マジメでおカタい女子としては学年一位だった」

 女嫌いのアッツが?

 ちょっと耳を疑う内容。だが俺は黙って聞き続ける。

 

「はじめはさ、冗談に巻き込まないで下さい、とか言われてさ。まったく相手にされなかったよもちろん。でも周りのやつらがどんどん諦めてゆく中でオレだけしか残らない感じになってってさ。一人一万賭けてたんだよ。六人居たから儲けは五万。中学生には大金だぜ。先輩から単車を譲ってもらえる金額だぜ。オレは燃えたんだよね」

 

「……で。毎日口説いているうちにちょっと頬赤らめたりするようになったからさ、こりゃイケルって思って強引にいったんだよ。放課後の図書室で他の生徒追っ払って押し倒し気味にヤッたんだ。今ではほんと反省している……なんかさ、なんかすげぇムラムラきてさ……あんな気分になったのは初めてだった」

 アッツの知らない側面。それも含めて目の前で語られる話は思い出というよりはどうにも「物語」に感じられた。そのくらい、俺の知っているアッツとは違和感があったんだ。

 

「……ヤったあと……こよみは泣きながら言った。好きな人としかしないって決めてるの。私、あなたのこと好きになるからねって。めんどくせぇって思ったよ。当時のオレはガキだったし。そのイライラをぶつけるように即座に二回戦。今度は抵抗しなかった。オレは征服感に満たされていた」

 

 自分が親友だと思っていた人間の口から聞くには、とても嫌な話だ。というか信じられない。高校時代からの俺の知ってるアッツは硬派で、特に女に関しては超がつくほど硬い奴だったんだ。

 

「二回目は一回目よりももっとよかった。自分の中に抱えていたイライラがすっと消える、そんな感じ。他の女とヤッた時とは終わったあとの充実感がまるで違うんだ。こよみは他の人には言わないでねと何度もオレに頼んできた。そのかわり二人きりならいつでもしていいから、と」

 

「なぜかオレはこよみとのことを仲間には言わなかった。5万は惜しかったけれど、他の女では得られない気持ちよさを知ってしまったからな。その後オレもこよみもそれまでとは変わらない生活に戻る。表面上はな。だけど裏では仲間に内緒でオレはこよみと何度もした。彼女ってわけじゃない。オレはいままで通り他のヤンキー女ともヤッてたし。でもな、こよみとヤルほうがずっとスッキリした。だから次第に他の女とはしなくなっていった」

 自分の目の前に居る、知って居るはずの親友。

 そしてその初めて耳にする過去。

 自分が信じていたものが揺らいでゆく、そんな眩暈にも似た感覚。

 

「他の人に喋らないってルールはオレにとっても都合がよかった。彼女ヅラされないで済むし、仲間にもバカにされずに済んだ。他の女は皆わがままでさ。ご機嫌とったり何かをねだられたりってのがなくていい分、こよみと居るのはすげー楽だった……ま、最初は都合がいいオンナ程度にしか思ってなかったけど」

 アッツは淀みなくしゃべり続ける。

 

「オレの家はダチがけっこう勝手に上がりこんでくることが多かったから、だいたいはこよみの家でヤッてた。あいつんちは両親とも医者で帰宅遅いしさ。ただな、あいつには小学生の弟が居た。それが英都……10年以上前の【CRY】だよ」

 【CRY】が、昔のオンナの弟……?

「なあアッツ。それいつから気付いてた?」

 

「オフ会はじまってから、だよ。【CRY】が女王様席に案内されたのを見たときにアッ!って思った。後で詳しく話す」

 

 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ