第9話「守るべきもの」
魔物の大群との戦いが、始まった。
「はあっ!」
ルークの剣が、魔物を切り裂いていく。
「十体! 二十体!」
「だが、まだまだいる......」
「カイ、援護を!」
「はい!」
カイの光が、魔物を消していく。
「サラ、避難誘導を!」
「分かったわ!」
サラが、訓練生たちを避難させる。
「リオン、大丈夫か」
「はい......まだ、戦えます」
「無理するな。下がっていろ」
「でも......」
「お前は、十分やった」
「後は、俺に任せろ」
「......分かりました」
ルークは、魔物の群れに向かって突撃した。
「俺は、守る」
「俺の大切なもの、全てを」
「はあああ!!」
激しい戦闘が、続いた。
「百体......二百体......」
「まだ、半分も倒していない」
「カイ、もっと力を」
「分かりました......」
カイが、さらに力を解放した。
「光よ......全てを照らせ......」
巨大な光が、魔物を消し去っていく。
「五百体......」
「よし、減ってきた」
「このまま、押し切るぞ」
だが、その時。
新たな魔物が、現れた。
「あれは......」
巨大な魔物。
他の魔物とは、格が違う。
「ボス級か......」
「来るぞ、気をつけろ」
巨大魔物が、攻撃を放った。
「くっ......!」
ルークが、吹き飛ばされた。
「ルーク!」
「大丈夫だ......」
「だが、こいつは強い」
「カイ、サラ、俺と一緒に戦え」
「「はい」」
三人で、巨大魔物に立ち向かった。
「はあっ!」
「光よ......!」
「炎よ......!」
攻撃が、巨大魔物に命中する。
だが、効果は薄い。
「くそっ......」
「硬い......」
「弱点を、探さないと」
「どこかに、あるはずだ」
「ルーク、あそこ」
サラが、指さした。
「背中に、傷がある」
「あそこを、狙えば......」
「だが、背中に回るのは難しい」
「俺が、囮になる」
「お前たちは、背中を狙え」
「危険よ」
「構わない」
「やるぞ」
ルークが、巨大魔物の前に立った。
「こっちだ、デカブツ」
巨大魔物が、ルークを追いかけた。
「今だ!」
カイとサラが、背中に回った。
「光よ......!」
「炎よ......!」
攻撃が、傷のある場所に命中した。
「グオオオオ!!」
「効いた!」
「もっとだ!」
さらに、攻撃を続けた。
「はあっ!」
ルークも、背中から斬りかかる。
「くらえ!」
巨大魔物が、倒れた。
「やった......」
「倒した......」
残りの魔物も、勢いを失った。
「今のうちだ」
「一気に、片付けるぞ」
三人と、回復したリオンたちが、魔物を掃討した。
「最後の一体......」
「はあっ!」
全ての魔物が、倒された。
「終わった......」
「守りきった......」
「ルーク様!」
訓練生たちが、駆けつけてきた。
「無事でしたか!」
「ああ。なんとかな」
「お前たちは、無事か」
「はい。サラさんが、避難させてくれました」
「よかった......」
「学院の被害は」
「建物の一部が、壊れています」
「だが、人的被害は最小限です」
「よし......」
「あとで、修理しよう」
その時。
世界の意志の声が、響いた。
『見事だ......転生者よ......』
「世界の意志......」
『お前は、大切なものを守った......』
『対立があっても、憎しみに染まらなかった......』
「当たり前だ」
「俺は、対立を望まない」
「だが、守るべきものは守る」
『なるほど......』
『お前の言う「対立がなくても世界は動く」......』
『少し、理解できた気がする......』
「理解したか」
『完全には、まだだ......』
『だが、お前たちを見ていて......可能性を感じた......』
『試練は、終わりだ......』
『お前たちを、認めよう......』
「認める?」
『世界の意志として、お前たちの道を認める......』
『対立がなくても、世界は動くことがあるかもしれない......』
『私は、もう干渉しない......』
『お前たちの自由に、任せる......』
「......ありがとう」
『礼は、いらない......』
『私は......少し、眠る......』
世界の意志の声が、消えた。
「行ったか......」
「ルーク、私たち......勝ったのね」
「ああ」
「俺たちは、証明した」
「対立がなくても、世界は動く」
「俺たちの道は、間違っていなかった」
守るべきものを、守りきった。
そして、世界の意志を──説得した。
次回予告
世界の意志との戦いが終わった。
だが、学院の復興が待っている。
そして、新たな旅立ちの時──
第10話「復興の日々」
「俺たちの戦いは、終わった」
「だが、新しい始まりでもある」
平和な日々へ──




