第4話「新たな脅威」
噂の調査のため、三人は再び旅立った。
「各地で、異変が起きているらしい」
「どんな異変?」
「魔物が、狂暴化している」
「しかも、深淵魔とは違う種類の」
「深淵とは違う......」
「新しい脚本の影響?」
「分からない」
「だから、調べに行く」
まず、最初の報告があった村へ向かった。
「ここが、狂暴化した魔物が出た場所か」
「ええ。村人の話を、聞いてみましょう」
村長に、話を聞いた。
「魔物が、急に狂暴になったんです」
「いつもは、おとなしい魔物なのに」
「いつから」
「一週間ほど前からです」
「何か、きっかけは」
「分かりません」
「ただ、その頃から空が......」
「空?」
「変な光が、見えるようになったんです」
「夜になると、北の空に」
「北の空......」
「見に行こう」
夜になった。
「あれだ」
北の空に、不思議な光が見えた。
「何だ、あれは」
「深淵の光とは、違うわね」
「もっと......明るい」
「でも、不気味だ」
「あの光の方向へ、行ってみよう」
光の方向へ、旅を続けた。
「光が、強くなってきた」
「近づいているんだ」
数日後。
光の源に、近づいた。
「あれは......」
巨大な結晶が、地面から生えていた。
光は、そこから放たれている。
「何だ、これは」
「見たことない」
「触ってみますか」
「待て。危険かもしれない」
結晶に近づくと、声が聞こえた。
『来たか......転生者よ......』
「誰だ」
『私は......この世界の意志......』
「世界の意志?」
『お前が、新しい脚本を書いた......』
『だが、その脚本には......欠陥がある......』
「欠陥?」
『お前は、平和を望んだ......』
『だが、平和だけでは......世界は動かない......』
「どういう意味だ」
『物語には、対立が必要......』
『敵がいなければ......英雄は生まれない......』
「だから、魔物を狂暴化させたのか」
『そうだ......』
『世界を安定させるために......新しい脅威を......』
「馬鹿な」
「俺は、みんなが幸せに生きられる世界を望んだ」
「脅威なんか、いらない」
『お前は、分かっていない......』
『物語は、衝突によって進む......』
『平和だけの物語は......退屈で......意味がない......』
「意味がない?」
「みんなが幸せに生きることに、意味がないと」
『物語としては、そうだ......』
「ふざけるな」
ルークが、怒りを露わにした。
「俺たちは、物語のために生きているんじゃない」
「俺たちは、俺たち自身のために生きている」
「物語がどうとか、関係ない」
『......』
『お前は、管理者と同じことを言う......』
『だが、世界はそう動かない......』
「なら、俺が変える」
「世界のルールを」
『できるのか......』
『お前に、その力があるのか......』
「やってみせる」
「俺は、今まで不可能を可能にしてきた」
「今度も、同じだ」
『......面白い......』
『では、見せてもらおう......』
『お前の力を......』
結晶が、光を放った。
「......!」
「何だ......」
「魔物が、現れた......」
結晶から、無数の魔物が湧き出してきた。
「くそっ......」
「迎え撃つぞ」
「「はい」」
戦闘が、始まった。
「はあっ!」
「光よ......!」
魔物を、次々と倒していく。
だが、数が多すぎた。
「きりがない......」
「結晶を、破壊しないと......」
「カイ、結晶を狙え」
「俺たちが、守る」
「分かりました」
カイが、結晶に向かって進んだ。
「光よ......この結晶を......破壊する......」
『無駄だ......』
『私は、世界の意志......破壊などできない......』
「やってみなければ、分からない」
カイが、全力の光を放った。
「はあああ!!」
光が、結晶を包み込んだ。
『ぐっ......!』
「効いている......」
「もっとだ、カイ......」
「はい......!」
カイが、さらに力を込めた。
結晶に、ひびが入り始めた。
『馬鹿な......!』
『この私が......!』
「俺たちは、諦めない」
「世界を、俺たちの手で変える」
結晶が──砕けた。
次回予告
結晶は砕けたが、問題は解決していない。
世界の意志との対立は、続く。
そして、ルークは決断を迫られる──
第5話「選択の時」
「俺は、どうすればいい」
「この世界を、救うために」
決断の瞬間──




