第9話「反攻作戦」
裂け目が塞がり、深淵王は孤立した。
「第三段階、開始」
「全軍、深淵王を攻撃しろ!」
「「「うおおおお!!」」」
連合軍が、深淵王に向かって突撃した。
『愚かな人間どもが......!』
深淵王が、闇の波動を放った。
「くっ......!」
「ひるむな! 攻撃を続けろ!」
「弓兵隊、射撃!」
「魔法部隊、詠唱開始!」
矢と魔法が、深淵王に降り注ぐ。
『この程度で......!』
だが、少しずつダメージを与えている。
「効いている......」
「裂け目が塞がったから、回復が遅い」
「今が、チャンスだ」
「全力で、攻める!」
カイが、前に出た。
「僕も、行きます」
「光よ......!」
黄金の光が、深淵王に向かって放たれる。
『ぐっ......!』
「効いた......!」
「カイ、もっとだ!」
「はい......!」
カイは、攻撃を続けた。
『カイ・レイナー......!』
『お前だけは......許さない......!』
深淵王が、カイに向かって攻撃を放った。
「危ない!」
「くっ......!」
カイが、攻撃を受けた。
「がはっ......」
「カイ!」
「大丈夫です......まだ、戦えます......」
「無理をするな」
「俺が、援護する」
ルークとカイが、並んで深淵王に向かった。
「行くぞ、カイ」
「はい」
二人の攻撃が、深淵王に迫る。
「はあっ!」
「光よ......!」
『くそっ......!』
深淵王が、後退した。
「押している......」
「このまま、行ける......」
だが、深淵王も黙っていなかった。
『もう、手加減はしない......!』
深淵王の体が、膨張し始めた。
「何だ......」
「力を、解放している......」
『見せてやろう......私の、真の力を......!』
闇の爆発が、戦場を覆った。
「「「うわあああ!!」」」
「くそっ......」
「兵が、吹き飛ばされた......」
「カイ、サラ!」
「大丈夫よ......」
「僕も、無事です......」
「深淵王が......変わった......」
深淵王の姿が、変わっていた。
より巨大に。より禍々しく。
『これが......私の真の姿だ......』
「まずい......」
「力が、桁違いだ......」
『お前たちは、ここで終わりだ......!』
深淵王が、攻撃を放った。
「全軍、防御!」
「くっ......!」
攻撃を、何とか凌いだ。
だが、被害は大きかった。
「報告! 死者、千以上!」
「負傷者、多数!」
「くそっ......」
「このままでは......」
「ルーク」
「どうした、カイ」
「僕に、考えがあります」
「何だ」
「深淵王の核に、直接攻撃します」
「核?」
「深淵王の力の源です」
「あそこを破壊すれば、倒せる」
「どこにある」
「体の中央......あの光っている場所」
深淵王の胸の辺りに、暗い光が見えた。
「あれか......」
「はい」
「だが、近づくのが難しい」
「俺が、道を開く」
「ルーク......」
「お前は、核を狙え」
「俺が、お前を運ぶ」
「分かりました」
「サラ、援護を頼む」
「分かったわ」
「全軍、俺についてこい!」
「最後の突撃だ!」
「「「おおおお!!」」」
連合軍が、深淵王に向かって突撃した。
「俺に、続け!」
ルークが、先頭を切って走る。
カイが、その後ろについて走る。
『来るか......!』
深淵王が、攻撃を放った。
「くっ......!」
「まだだ......!」
攻撃を避けながら、近づいていく。
「もう少し......」
「ルーク、そこだ!」
「分かった!」
ルークが、カイを持ち上げた。
「行け、カイ!」
カイが、深淵王に向かって飛んだ。
「光よ......!」
「核を......破壊する......!」
カイの手が、深淵王の核に触れた。
「消えろ......!」
黄金の光が、核を包み込んだ。
『ぐおおおおお......!!』
「......!」
光が、爆発的に広がった。
『馬鹿な......!』
『この私が......人間に......!』
深淵王の体が、崩れ始めた。
『覚えておけ......!』
『私は......いつか、必ず......!』
深淵王の姿が、消えていった。
「......」
「倒した......のか......」
「ルーク様! 深淵王が消えました!」
「カイさんが、核を破壊しました!」
「......やった......」
「やったんだ......」
「「「うおおおお!!」」」
歓声が、戦場に響いた。
「カイ......」
カイは、地面に倒れていた。
「カイ!」
「大丈夫です......」
「ただ、疲れただけ......」
「よくやった......」
「お前が、深淵王を倒したんだ」
「いえ......」
「みんなの、おかげです......」
「ルーク、サラさん......」
「連合軍のみんな......」
「みんなが、いたから......」
「......」
「そうだな。みんなで、勝ったんだ」
深淵王アザルは、倒された。
連合軍の、勝利だった。
だが、これは──
新たな問題の、始まりでもあった。
次回予告
深淵王を倒した連合軍。
だが、敵は深淵王だけではなかった。
新たな敵将が、姿を現す──
第10話「敵将との対峙」
「深淵王は倒れた」
「だが、戦いは終わっていない」
新たな脅威──




