表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ざまぁ役は、主人公の専属コーチになりました  作者: とま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/62

第3話「脱獄計画」

教会の施設から脱出した三人。


だが、まだ安全ではなかった。


「追手が来る」


「どこへ逃げる」


「まず、学院に戻る」


「学院? 危険じゃないの」


「危険だ。だが、仲間がいる」


「訓練生たちが、待っている」


「でも、教会が......」


「分かっている」


「だから、急ぐ」


「彼らを、置いていくわけにはいかない」


エレナが言った。


「私も、協力します」


「本当にいいのか」


「もう、教会には戻れません」


「私は、あなた方を助けると決めました」


「すまない」


「謝らないでください」


「私が、選んだことです」


「......ありがとう」


四人は、学院を目指して走った。


「学院まで、どれくらいだ」


「徒歩では、半日」


「馬を手に入れよう」


「どこで」


「近くの村に、馬を借りられる知り合いがいるわ」


「サラ、頼む」


「任せて」


サラの知り合いの家へ向かった。


「サラ様! どうされたのですか」


「事情は後で話すわ。馬を、四頭貸してほしいの」


「分かりました。すぐに用意します」


馬を手に入れた。


「これで、移動が速くなる」


「学院まで、急ごう」


「はい」


馬を走らせながら、ルークは考えた。


(学院に戻っても、長くは留まれない)


(教会は、必ず追ってくる)


(俺たちは......どこへ行けばいいんだ)


「ルーク」


「どうした、サラ」


「考え事?」


「ああ。この先のことを」


「私も、考えていたわ」


「王国に、もういられないかもしれない」


「ああ」


「教会と対立した以上、王国も敵に回る可能性がある」


「亡命を、考えているのか」


「可能性として」


「隣国なら、受け入れてくれるかもしれない」


「隣国......」


「東の大陸連合か」


「彼らは、教会の支配下にない」


「深淵王の脅威も、認識している」


「協力を得られるかもしれない」


「だが、まずは学院だ」


「仲間を、見捨てるわけにはいかない」


「ええ」


数時間後。


学院が見えてきた。


「あれが......」


「教会の兵が、まだいるわね」


「包囲は、続いているようだ」


「どうやって入る」


「正面からは、無理だ」


「裏口があるわ」


「案内してくれ」


サラの案内で、裏口から潜入した。


「静かに」


「分かっている」


学院の中に入った。


「リオンたちは、どこだ」


「訓練場にいるはずよ」


「行こう」


訓練場に着いた。


「ルーク様!」


「リオン!」


「無事だったんですね!」


「カイも、サラさんも!」


「よかった......」


「心配していたんです」


「すまない。心配をかけた」


「いえ、ご無事で何よりです」


「状況は、どうなっている」


「教会の包囲は、続いています」


「でも、学院内への侵入は、今のところありません」


「学院長が、交渉を続けているようです」


「学院長は、どこだ」


「学院長室にいるはずです」


「分かった。話をしてくる」


学院長室へ向かった。


「学院長」


「ギルバート君! 無事だったか」


「はい。なんとか、脱出できました」


「カイ君も......」


「はい。彼も、無事です」


「よかった......」


「だが、状況は厳しい」


「教会は、カイの引き渡しを求めています」


「分かっています」


「応じるつもりは、ありません」


「......」


「学院長、お願いがあります」


「何だ」


「訓練生たちを、逃がしてください」


「逃がす?」


「俺たちは、教会に追われています」


「学院にいれば、彼らも巻き込まれる」


「だから、先に逃がしてほしい」


「どこへ」


「王国の外。東の大陸連合へ」


「亡命、ということか」


「はい」


「......」


学院長は、しばらく考えた。


「分かった。手配しよう」


「ありがとうございます」


「だが、君たちはどうするんだ」


「俺たちも、亡命します」


「教会と戦い続けるために」


「深淵王と戦うために」


「そうか......」


「君たちには、感謝している」


「この学院を、何度も救ってくれた」


「......」


「だが、これ以上は守れない」


「分かっています」


「俺たちは、自分たちの道を行きます」


「最後に、一つだけ」


「何ですか」


「地下通路を使いなさい」


「地下通路?」


「学院には、秘密の地下通路がある」


「国境まで、繋がっている」


「それを使えば、追手をかわせる」


「そんなものが......」


「古くからある、脱出路だ」


「非常時のために、用意されていた」


「......ありがとうございます」


「入り口は、図書館の奥だ」


「本棚の後ろに、隠し扉がある」


「分かりました」


ルークは、仲間たちのもとに戻った。


「みんな、集まってくれ」


「重要な話がある」


訓練生たちが、集まった。


「ルーク様、何でしょうか」


「俺たちは、王国を出る」


「......!」


「亡命、ということですか」


「そうだ」


「教会と対立した以上、ここにはいられない」


「俺たちを、追ってくる者がいる」


「お前たちまで、巻き込みたくない」


「だから、別々に逃げる」


「嫌です」


リオンが言った。


「俺たちも、一緒に行きます」


「リオン......」


「ルーク様に、ここまで鍛えてもらった」


「恩を返さずに、逃げるわけにはいきません」


「「俺たちも、同意見です!」」


「お前たち......」


「俺たちは、ルーク様の部下です」


「一緒に、戦わせてください」


「......」


ルークは、彼らの顔を見た。


皆、真剣な目をしていた。


「......分かった」


「だが、これは命令じゃない」


「自分で選べ」


「俺についてくるか、ここに残るか」


「ついていきます」


「「「ついていきます!」」」


全員が、同じ答えだった。


「......ありがとう」


「礼は、無事に逃げ切ってからです」


「そうだな」


「では、作戦を説明する」


「地下通路を使って、国境を目指す」


「そこから、東の大陸連合へ向かう」


「地下通路?」


「学院長が、教えてくれた」


「図書館の奥に、隠し扉がある」


「そこから、国境まで行ける」


「準備を急ごう」


「必要な物資を、集めてくれ」


「「「はい!」」」


準備が整った。


「全員、揃ったか」


「はい」


「では、行くぞ」


図書館へ向かった。


「ここだ」


「本棚の後ろに、隠し扉がある」


「探すぞ」


「ここです!」


「隠し扉、見つけました!」


「よし、開けろ」


扉が開いた。


「暗いな......」


「灯りを」


「はい」


「この先に、地下通路が続いている」


「国境まで、どれくらいだ」


「分からない。だが、急ごう」


一行は、地下通路に入った。


「進め」


「足元に、気をつけろ」


「はい」


長い通路が、続いていた。


「どこまで、続いているんだ......」


「分からない。でも、進むしかない」


数時間後。


「光が見える......」


「出口か」


「行ってみよう」


出口に着いた。


「ここは......」


「森の中だ」


「国境は、近いはずだ」


「外に出よう」


「だが、警戒しろ」


「追手が、いるかもしれない」


外に出た。


「今のところ、追手はいないようだ」


「よし、国境を目指そう」


森を進んでいく。


「ルーク様」


「どうした、リオン」


「向こうに、何かいます」


「......追手か」


「いえ、違うようです」


「......」


前方に、人影があった。


「誰だ」


「......」


「俺だ」


「その声......」


「マーカスか......!」


マーカス・ヴァレンティンが、そこにいた。


「マーカス......なぜ、ここに」


「お前たちを、助けに来た」


「助けに? お前が?」


「信じられないだろうが、本当だ」


「俺は、教会のやり方に反対だ」


「お前は、俺たちと敵対していたはずだ」


「ああ。だが、状況が変わった」


「教会は、行き過ぎた」


「カイ・レイナーを道具にするなど、許せない」


「......」


「俺も、馬鹿じゃない」


「教会が暴走すれば、王国も滅ぶ」


「それを、止めなければならない」


「だから、お前たちを助けることにした」


「国境の警備を、手薄にしておいた」


「今なら、通過できる」


「......信用していいのか」


「信用しなくてもいい」


「だが、今は協力するしかないだろう」


「......分かった」


「案内してくれ」


「ついてこい」


マーカスの案内で、国境へ向かった。


「あそこが、国境だ」


「警備は、最小限にしてある」


「今のうちに、渡れ」


「マーカス、お前はどうするんだ」


「俺は、残る」


「王国の内部から、教会を牽制する」


「......すまない」


「礼は、いらない」


「俺は、俺の信念に従っているだけだ」


「......」


「行け。時間がない」


「......ああ」


一行は、国境を渡った。


「渡れた......」


「ここからは、大陸連合の領土だ」


「追手は、簡単には来られない」


「やった......」


「「「脱出、成功だ......!」」」


だが、ルークの表情は晴れなかった。


「まだ、終わりじゃない」


「俺たちは、亡命者だ」


「新しい戦いが、始まる」


「分かっています」


「でも、まずは一息つきましょう」


「ああ......」


国境を越えた先で、一行は休息を取った。


「ここまでは、来れた......」


「次は、どこへ向かうんですか」


「大陸連合の首都だ」


「そこで、何を」


「同盟を結ぶ」


「深淵王と戦うために」


「大陸連合は、協力してくれるでしょうか」


「分からない」


「だが、交渉するしかない」


「俺たちには、カイがいる」


「深淵王に対抗できる唯一の力だ」


「それを、武器にする」


「武器......」


「カイを、また道具にするんですか」


リオンが、不安そうに言った。


「違う」


「カイを、対等な交渉相手として扱う」


「彼の力を、彼自身の意志で使ってもらう」


「それが、俺たちのやり方だ」


「......」


「カイ、お前はどう思う」


「僕は......」


「僕は、戦いたいです」


「自分の意志で」


「ルークと、サラさんと、みんなと一緒に」


「なら、決まりだ」


「俺たちは、対等な仲間だ」


「誰も、道具じゃない」


「ルーク様......」


「さあ、休んだら出発だ」


「大陸連合の首都を、目指そう」


「「「はい!」」」


亡命の旅が、始まった。


行き先には、未知の世界が待っていた。


だが、彼らは──諦めなかった。


次回予告


国境を越えた一行。

だが、教会内部では分裂が始まっていた。

そして、意外な協力者が現れる──


第4話「教会の分裂」


「教会の中にも、反対派がいる」

「俺たちは、一人じゃない」


希望の光が、見え始める──


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ