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シーン96: 「揺れる世界――仲間たちの焦燥」

東京・仮設本部――世界情勢の悪化

夜が深まる中、東京に設置された政府仮設本部の会議室に、アルカディアのメンバーが集まっていた。ホログラムスクリーンには、各地で起きている惨劇――崩壊した都市、戦火に包まれる人々、そして異能者の暴走が映し出されていた。


朝鮮半島: 内乱により国家機能が完全に崩壊し、異能者を中心とした軍閥が支配地域を奪い合う。

中国: 政府と人民軍が首都で激突。異能者がクーデターの主導者となり、国家の瓦解が目前に迫っている。

中東・ヨーロッパ: 各地で異能者たちが台頭し、国家間の争いが拡大しつつある。

政府のオペレーターたちは忙しなく動き回り、混乱する状況を必死に整理しようとしている。


50(ごーぜろ)(画面越しに淡々と報告)

「世界各地で発生した異能者の暴走は拡大し続けています。国家間の衝突は避けられず、地球全体が混乱の渦に巻き込まれています。」


ホログラムには、焼け落ちる都市の映像が次々と映し出される。悲鳴、爆発音、そして逃げ惑う人々……。


仲間たちの焦燥――それぞれの想い

スクリーンを見つめながら、アルカディアの仲間たちは静かに、しかし強い不安を抱えていた。


和成(苛立った様子で拳を握りしめ)

「くそっ……なんでこんなことになっちまったんだよ。裁定者がいなくなった途端、世界が壊れ始めやがった。」


夏美(冷静を装いつつも声は少し震えて)

「人間は脆いのよ。力が数値化されただけで、支配と破壊に向かうなんて……。」


葵(スクリーンに映る瓦礫の街を見つめながら)

「……どこもかしこも地獄ね。力があっても、守りたいものを守れない人間が大勢いる。」


ChinaRibonn(涙目になりながら)

「どうして……どうしてみんな仲良くできないの?力を使って、助け合えばいいのに……。」


ライトマン(不機嫌に笑みを浮かべ)

「人間なんてそんなもんだ。力を持てば争い、奪い合う。今さら驚くことでもねぇだろ?」


やーちゃん(低い声で苛立ちを滲ませながら)

「でもよ、これが人間の本性だってのか?“数字”に振り回されて、力で他人を踏みにじる……そんな世界、見たくもねぇよ。」


心配し合う仲間――絆の確認

そのまま重苦しい空気が流れる中、ChinaRibonnが和成の袖を引っ張る。


ChinaRibonn(小さな声で)

「和成……大丈夫?怒ってばかりだと、体に悪いよ……。」


和成(少し驚きつつ、微笑んで頭を撫でる)

「心配すんなよ、リボン。俺は大丈夫だ。だけどよ……このままじゃ、誰も笑えねぇ世界になっちまう。」


ライトマン(ふざけた調子を装って)

「おいおい、和成までシリアスになるなって。俺たちはまだ負けてねぇんだ――どうにかするさ。」


やーちゃん(腕を組みながら)

「強がるのはいいが、次はどこに向かうんだ?これ以上、ただ見てるだけなんてごめんだぜ。」


夏美(地図を指し示しながら)

「まずは伝説の祠を見つけましょう。スコープの力があれば、私たちが何をすべきか、もっと明確になるはずよ。」


葵(真剣な表情で)

「でも、祠があったとしても、手に入るのは“力”だけ。それをどう使うかが問題よ。世界が自滅する前に、私たちが止めないと……。」


未来への不安――力に呑まれる世界

突然、チクタが静かに呟く。


チクタ(俯きながら)

「……このままでは、異界が完全に世界を飲み込みます。人間は“力”に魅了され、止めることを知らないからです。」


和成(チクタを見て)

「お前までそんなこと言うのかよ。諦めるなんて、絶対にしねぇ。」


チクタ(顔を上げて、かすかに微笑みながら)

「だからこそ、私も共に戦います。あなた方と共に、最後まで。」


その言葉に、少しだけ場の空気が和らぐ。仲間たちはそれぞれの不安や焦燥を抱えながらも、互いを確認し合う。


夜明け前――再び旅立つアルカディア

仮設本部の外には、夜明け前の空が広がっていた。東京の街並みには炎がちらほらと見え、静寂の中に遠くの争いの音が響いている。


和成(夜明けの空を見上げて)

「終わらせるぞ、この争いを。俺たちが、世界に“本物の力”を見せてやる。」


夏美

「……次は伝説の祠ね。そこに眠るスコープが、私たちの答えになるかもしれない。」


ライトマン(ふざけた笑みを浮かべつつも真剣な目で)

「さぁて、最後に笑うのは俺たちだ――どう転んでもな。」


ChinaRibonn

「うん!みんなで行こう、みんなで勝とう!」


やーちゃん

「さっさと準備しろ。のんびりしてたら、世界はとっくに終わっちまうぞ。」



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