シーン8: 「静寂の影、次なる扉」
一時の安堵――新たな目的地への予兆
異界の扉が封印され、バフォメロスの狂気は散った。崩壊しかけた大地は静けさを取り戻したものの、アルカディアのメンバーたちの表情には疲労の色が濃く浮かんでいた。7(なな)は封印の紋様が残る地面の上でじっと座り込み、その青白い瞳を静かに閉じていた。
和成
「……これで、一つ片付いたってわけか。」
荒れた大地に腰を下ろし、息を整える。「だが、どうも胸糞が悪ぃ。まだ何か隠されてる気がするな。」
葵
「そうね。」
風をまとわせながら立ち上がり、周囲の地図を見つめる。「異界の扉が一つ封印されたからといって、これで終わりとは思えない。あのカルト教団、残りの石板を使って他の扉を開こうとしている可能性が高いわ。」
夏美
「他にもあるってこと……?」
彼女は疲れた表情で周囲を見回しながら呟く。「私たち、全部止めないと……。」
その時、7(なな)が再び静かに立ち上がり、小さく鳴いた。彼女の瞳には強い光が戻り、前方の大地を指すように歩き始める。
ChinaRibonn
「わぁ、7ちゃん、また何か見つけたの?」
彼女は小さな杖を持ちながら、無邪気に7(なな)を追いかける。「次はどこに行くのー?」
和成
「ったく……休む暇もねぇってわけか。」
剣を肩に担ぎ、立ち上がる。「7が反応してるんだ。どうせまた、ヤバいもんがあるんだろ。」
均衡管理局の動き――新たな脅威
一方、均衡管理局の施設では、石板を巡る動向が政府内でも緊張をもたらしていた。特別対策本部の会議室では、秋元局長が厳しい表情で報告を受けている。
秋元局長
「異界の扉……一つは封じられたが、他にも存在するとなれば問題だ。」
彼は部下たちを睨みつけるように見渡す。「カルト教団に先を越されるわけにはいかん。石板の力を掌握しろ。そして、次の扉が現れたら即座に封印、いや――利用するのだ。」
研究員
「しかし、局長……アルカディアが再び動き出しました。彼らは異界の力を封印し続けるつもりです。」
秋元局長
「奴らは甘い。」
彼は椅子に深く座り込み、皮肉な笑みを浮かべる。「異界の力を制御することこそが、人類の未来を救う唯一の方法だ。」
同時に、地下施設では裁定者のDNAを使った「人工異能力者」の訓練が進行していた。しかし、その中の一人が突如として暴走し、制御不能になる。
研究者
「くっ……制御が利かない!止めろ、止めろ!」
その混乱の中、異能力者の目には異界の光が宿り、まるで異形に飲み込まれたかのように叫び声を上げる――。
アルカディアの次なる旅路
次の目的地に向かう途中、アルカディアのメンバーは荒廃した村に立ち寄っていた。村には人の気配はなく、家々は崩れ、風が寂しげに吹き抜けている。
夏美
「ここも……もう誰も住んでいないんだね。」
彼女は寂しそうに小さな家の扉を開け、埃まみれの部屋を見渡す。「異界の影響で、こんなところが増えてるなんて。」
和成
「異界の力ってやつは、思ってる以上にヤバいな。」
剣を軽く振り、埃を払う。「これ以上、こんな場所を増やしちゃならねぇ。」
ChinaRibonn
「なんだか、かなしい場所だねぇ……。」
彼女は泣きそうな顔で村の中心に立ち、杖を掲げる。「みんなの痛いの、とんでけー……!」
ChinaRibonnの光が村全体に優しく広がり、僅かだが花や草木が元の姿を取り戻し始めた。
葵
「ChinaRibonn……あなたの力は、やはりただの癒しではないわね。」
ChinaRibonn
「えへへっ、かっくいぃ?ChinaRibonn、みんなを守るんだから!」
その時、遠くから低い唸り声が響き、黒い霧が再び村を包み込むように迫ってきた。
和成
「来やがったな……次の扉の手がかりか。」
7(なな)が霧に向かって歩き出し、再び青白い瞳で何かを探るように前方を示す。
次なる敵の予兆――新たな司祭の登場
村の霧の向こうから、不気味な影が姿を現す。それはカルト教団の新たな司祭――「ガルゴス」だった。彼は異様に長いローブをまとい、顔は鉄の仮面で隠されている。
ガルゴス
「ほう……アルカディアか。我がバフォメロスの失態を埋めるため、ここに来たか。」
その声は冷たく、静かだが、内に狂気を秘めている。
和成
「またかよ……次から次へと面倒な連中が湧いて出やがる。」
ガルゴス
「貴様らのような愚かな者たちには分かるまい。裁定者さまの計画こそが、この世界を救済する唯一の道なのだ。」
ガルゴスは手を振ると、霧から異形の兵士たちが次々と出現し、村を包囲する。
葵
「また戦いね……!みんな、準備して!」
ChinaRibonn
「わぁっ、こわいけど、みんなで守るの!」