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シーン74: 「チクタ――寄生する知識の守護者」

真実の告白――チクタの本当の姿

遺跡の中心で光を放つAIのような存在チクタは、どこか人間味のある表情を見せながら仲間たちに向き直る。そして、静かにその真実を語り始める。


チクタ

「……私は“記録者”と名乗りましたが、正確には異界の寄生生物です。」


その言葉にアルカディアの仲間たちは一瞬、息を呑む。


和成

「……寄生生物だと?」

彼の表情は警戒に満ち、剣の柄に手をかける。


チクタ

「怖がらないでください。私は知識を与え、正しい道を示すために存在しています。あなたたちの敵ではありません。」


チクタの姿が一瞬歪み、AIのような形状の背後に、淡い光を纏った寄生体の本来の姿――柔らかく、透明な生物のような形状――が浮かび上がる。


夏美

「寄生生物……どういうこと?あなたが誰かに寄生しているの?」


チクタ

「はい。私は“知識の継承者”として、かつての異界の文明によって生み出されました。人間や異界の生物に寄生し、その体を借りて知識を残し、伝えるのです。」


「……ということは、あなたは今、この遺跡そのものに寄生しているの?」


チクタ

「その通りです。この遺跡が古代の知識と力を持っていたため、私はここで眠りについていました。そして、今――皆さんに出会ったことで目を覚ましたのです。」


やーちゃん

「待てよ……寄生ってことは、寄生先を乗っ取るとか、そんなんじゃねぇだろうな?」


チクタ

「その恐れもあります。しかし、私は意思を持つ寄生体。敵意がある者には寄生し、力を奪うこともありますが、今の私はあなたたちの協力者です。」


チクタはそう言うと、ゆっくりと和成たちに近づく。その姿に、ChinaRibonnが後ずさる。


ChinaRibonn

「わ、わわっ……ちょっとこわいよー!でも、チクタは味方なんだよね?」


チクタの提案――寄生と共存

チクタ

「皆さんに理解してほしいのは、私はあなたたちに害を与えないということです。むしろ――知識と力を共有することができる。」


チクタが再び手をかざすと、光が和成たちに向かって広がり、過去の映像や技術的な図が脳内に直接流れ込んできた。まるでデータがダウンロードされるような感覚だった。


夏美

「これは……知識?異界の技術や、古代文明の記録……?」


チクタ

「私に触れ、共存すれば、あなたたちはこの世界を守るための新たな力を手にするでしょう。ただし――それには強い意志が必要です。寄生された者が弱ければ、精神を乗っ取られ、異形へと堕ちる危険もあります。」


和成の決断――信頼と覚悟

和成

「……つまり、俺たちがチクタと“共存”すれば、その力を借りて試練に立ち向かえるってことだな。」

彼は剣を手にしながら、チクタを真っ直ぐに見つめる。「だが、信じていいのか?お前の言葉を。」


チクタ

「それを決めるのはあなたたち自身です。私が力を与える代わりに、皆さんの意志を試し、支える――それだけです。」


和成は一瞬目を閉じ、そして力強く頷いた。


和成

「……分かった。俺たちはお前を信じる。それに、試練だろうが何だろうが、絶対に乗り越えてやる。」


「共存ね……あなたの知識が必要なら、それも選択の一つよ。」


夏美

「気をつけましょう。私たちが弱い心を見せた瞬間、どうなるか分からないのだから。」


チクタの力――融合と新たな力

チクタが光を放ち、その一部が和成たちの体に触れると、彼らの武具や召喚獣に新たな力が宿り始める。


和成: 剣が光り、大地の力に加えて「古代の重力場」を操る力が目覚める。

夏美: 氷結魔法に「構造分析」の能力が加わり、敵の弱点や仕掛けを見抜く力を得る。

葵: 光と闇の力に「残像解析」が加わり、戦闘中に相手の動きを瞬時に解析する能力を手に入れる。

たかゆき: 炎の大剣に「共鳴振動」が宿り、周囲の地形や敵に振動波でダメージを与える。

ChinaRibonn: ルミエルの光に「浄化」の力が加わり、瘴気や異界の汚染を癒やす力を強化する。

チクタ

「これが私の力の一部です。あなたたちが試練を乗り越えるための力――しかし、使い方を誤れば、その力に飲まれることもあるでしょう。」

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