シーン72: 「沈黙の遺跡――知恵と解の試練」
試練の次なる舞台――大地の裂け目
異界の門の暴走を乗り越え、アルカディアの一行は新たな旅路に進んでいた。北の地の雪原を抜けた先には、大地が深く裂けた巨大なクレーターが広がっていた。裂け目の底には、かすかに光る古代の遺跡が姿を見せている。
和成
「大地が……裂けてる?」
彼はクレーターを見下ろし、そのスケールに驚きを隠せない。「なんだよ、あの光ってるのは……。」
夏美
「この裂け目、自然のものじゃないわね。何かの力がここを抉った……異界の力か、それとも……。」
葵
「何かの遺跡のようね。こんな場所に古代文明が?」
彼女は慎重に双刀を構え、辺りを見回す。「試練はまた、ここにあるということ……。」
**7(なな)**が光を放ち、遺跡の方向へ進む道を示す。雪と岩を越え、彼らは裂け目の中へと降りていく。
沈黙の遺跡――知恵の試練
裂け目の底に広がっていたのは、無数の石柱と機械仕掛けが入り混じった奇妙な遺跡だった。天井には輝く模様が描かれ、壁面には古代文字と図形が彫り込まれている。何かの仕掛けや装置が、遺跡全体に張り巡らされているようだ。
夏美
「これは……古代文明の科学技術?それとも、異界の知識?」
彼女は壁に触れ、そこに刻まれた文字を読み取ろうとする。「見たことがない言語だけど、これ、ある法則で解読できるかも。」
ChinaRibonn
「なんだか、頭がぐるぐるしちゃうよー……しゅごい機械だらけ!」
ルミエルの光が壁を照らすと、天井の装置が微かに動き始める。
ギミック1――天井の模様と光の反射
天井の模様が動き出し、光が反射することで遺跡全体が輝き始める。しかし、光は複雑に分岐し、正しいルートを導かなければ遺跡が崩壊する仕組みになっている。
やーちゃん
「なんだこれ……迷路みたいに光が動いてやがる。間違えたらヤバそうだぞ。」
夏美
「これは光の反射を利用した古代のパズルね。光を正しい場所に導けば、次の扉が開くはず。」
和成
「パズルだと?力で解けるもんじゃねぇのか。」
葵
「考えなさい、和成。ここは力じゃなくて、知恵を試されているのよ。」
たかゆき
「俺、こういうの苦手だ……夏美、頼んだ!」
夏美
「分かった。みんな、反射する鏡やレンズがある場所を探して!動かせるものは調整するわ。」
パズル解決――知恵の協力
夏美が中心となり、メンバーたちが光の反射を調整するためにそれぞれの位置へと向かう。
ChinaRibonnはルミエルと共に天井近くにあるレンズの角度を修正。
たかゆきは力任せに重い鏡の台座を動かす。
やーちゃんは光が漏れている箇所を探し、細かい調整を担当。
葵は全体のルートを確認し、夏美に指示を送る。
夏美
「もう少し左!その光を合わせれば――!」
光が一筋の道となり、遺跡の中央にある扉へと集まっていく。石が軋む音と共に、次の扉がゆっくりと開かれた。
和成
「やったか……?よし、突破だ!」
ギミック2――古代の天秤と選択の試練
次の部屋には巨大な天秤があり、左右には異なる物体――**「宝石の山」と「古びた石板」**が置かれていた。そして天秤の中心には、裁定者を象った石像が立っている。
天秤の声
「我が知恵を求める者よ――欲望を選ぶか、真理を選ぶか。お前たちの選択を示せ。」
和成
「何だよこれ……宝石か、ただの石板かってことか?」
夏美
「明らかに、石板の方が何かの鍵を握っているわね。でも、宝石の山は目を引く……これは人間の欲望を試しているのよ。」
ChinaRibonn
「うぅ……石板は地味だけど、なんか大事そうだね。」
たかゆき
「答えは決まってるだろ。欲に目が眩んだら、次に進めねぇ――石板を選ぶぞ。」
やーちゃん
「だな。こんなもん、罠に決まってる。」
和成が天秤に石板を載せると、天秤が静かに揺れ、次の道が開かれる。
天秤の声
「知恵ある者よ、真理の道へ進むがよい。」
チクタの登場――遺跡の奥で待つ者
最奥の部屋に辿り着くと、そこには一人の人物が立っていた。青白い光を放つ機械のような姿――それはチクタと名乗るAIの存在だった。
チクタ
「……やっと来ましたね、人間の皆さん。」
彼の声は冷静だが、どこか人間味を帯びている。「私はチクタ。この遺跡の守護者にして、異界の記録者です。」
夏美
「AI?まさか、古代文明の遺物……?」
チクタ
「そうです。この遺跡は、人間と異界の交わりを記録し、管理するために作られました。そして、あなたたちには知ってもらわねばならないことがあります。」
7(なな)が光を強め、チクタの言葉に反応するように輝く。
和成
「何を知れってんだ?」
チクタ
「この世界が異界に飲み込まれるまでの“真実”と――あなたたちが辿るべき“次の試練”を。」




