シーン69: 「氷の神殿――閉ざされた真実」
氷の神殿の前――静寂と威圧
アルカディアの一行は、ついに北の地の最深部にそびえ立つ**「氷の神殿」**へと辿り着いた。そこは、純白の氷と雪でできた荘厳な建造物。神殿の表面には古代の文字や紋章が彫られ、微かに青白い光が揺らめいている。冷気が濃く、近づくだけで肌が凍りつきそうなほどだ。
和成
「ここが……氷の神殿か。空気が張り詰めてやがる……。」
彼は剣を握り、周囲を警戒する。
夏美
「見て、神殿の扉……何かを守っているみたい。」
彼女は杖を構えながら、扉に刻まれた古代文字を読み取る。「『氷の心を試されし者、その意志の力を示せ』……。」
たかゆき
「要するに、また試練ってことだな。」
彼は大剣を肩に担ぎ、不機嫌そうにため息をつく。「いい加減、冷たい試練は勘弁してほしいぜ。」
ChinaRibonn
「わわっ、しゅごい寒いよー！みんな、早く中に入ろうっ！」
彼女はルミエルの翼にしがみつき、震えながら扉を見上げる。
やーちゃん
「まぁ、試練ってのはいつもキツいもんだろ。」
彼は短槍を回し、不敵に笑う。「行こうぜ、さっさと終わらせよう。」
7（なな）が光を放ちながら神殿の扉に近づくと、その光に反応するかのように扉がゆっくりと開いていく。中から冷たい風が吹き出し、神殿内部へと道が続いている。
神殿内部――試練の間
アルカディアの一行が神殿内部に足を踏み入れると、そこには広大な氷の回廊が広がっていた。壁や床、天井までもが透明な氷でできており、その表面には何かが閉じ込められたかのように影が揺れている。
葵
「何……？これは……人影？」
壁の中には、まるで氷に囚われた人間の姿が無数に閉じ込められていた。その表情は苦悶と恐怖に満ち、見る者の心を締め付ける。
夏美
「この神殿は……過去に異界の力に触れ、力に飲まれた者たちの墓標……。」
彼女の声は震え、仲間たちに警告を送る。「ここで試されるのは、私たち自身の心の強さよ。」
たかゆき
「クソッ、妙に気味が悪いぜ……。」
氷の幻影――心の試練
突然、神殿が揺れ始め、足元の氷に青白い光が走る。次の瞬間、空間に無数の氷の幻影が現れ、アルカディアの仲間たちを囲んだ。
幻影たちは、それぞれの姿を映し出し、言葉を放つ――それは仲間たちの心の弱さを試す声だった。
和成の幻影
「お前は仲間を守れると思っているのか？力が足りないお前に、何ができる？」
夏美の幻影
「お前の魔法は冷たく孤独だ。誰もお前を理解しない――ただの道具だ。」
葵の幻影
「光も闇も使いこなせる？結局どっちつかずのまま、何も成し遂げられない。」
たかゆきの幻影
「炎なんて力だけじゃ何も守れない。お前はただ壊すだけだ――それが分からないのか？」
ChinaRibonnの幻影
「守る？お前みたいな子供に何ができる？ただの足手まといだ。」
幻影たちの言葉は、仲間たちの心を突き刺し、彼らの動きを鈍らせる。
和成
「……黙れ！そんなもの、俺じゃねぇ！」
彼は剣を握りしめ、幻影を睨みつける。「確かに俺はまだ弱い。だが、だからこそ戦うんだ――仲間と共に！」
剣が輝き、幻影を打ち砕く。
夏美
「私の力は冷たくても……それで守れる命があるなら、それでいい！」
氷の魔法が強まり、彼女の幻影を包み込んで消し去る。
葵
「光も闇も受け入れる――それが私の強さ！」
双刀が光と闇を放ちながら幻影を一閃する。
たかゆき
「俺の炎は壊すだけじゃねぇ！未来を切り拓くためにあるんだ！」
炎の大剣が燃え上がり、幻影を焼き尽くす。
ChinaRibonn
「足手まといなんかじゃないもん！わたしはみんなを守るよっ！」
ルミエルが光を放ち、幻影を浄化する。
試練の突破――氷の守護獣との対面
幻影を全て打ち破ると、神殿の奥から静かな光が差し込み、巨大な氷の扉が開かれる。そこには、氷でできた神獣――**「氷牙の霊獣ユキノオウ」**が待っていた。
ユキノオウ
「見事だ、人の子よ。心の弱さを乗り越え、真の力を示した。」
その声は静かで威厳に満ちている。「汝らの力、認めよう。我が力を授ける――未来を切り開くために。」
ユキノオウが天に向かって咆哮すると、仲間たちの武具と召喚獣に新たな力が宿る。
和成
「……この力、すげぇ。」
彼の剣が氷の力を宿し、周囲に冷気が漂い始める。
夏美
「フェンリルが喜んでる……新しい力をもらったのね。」
ChinaRibonn
「しゅごい、キラキラだよ！みんな、これでまた強くなったね！」
