シーン63: 「歪められた科学――深淵の研究所」
荒野のその先――廃墟に隠された秘密
ブラックヘリオスとの激戦を終え、アルカディアの一行は荒野をさらに進んでいた。破壊された機械兵器の残骸が点々と転がり、異様な静けさが辺りを支配している。
7(なな)の光が示す方角の先には、朽ちかけたコンクリートの建物――かつての軍事研究所がそびえ立っていた。壁面には亀裂が走り、何十年も放置されていたかのように錆びと苔が広がっている。
和成
「ここか……7が示す場所は。」
彼は剣を握りしめ、慎重に辺りを見回す。「どう見てもヤバい匂いしかしねぇな。」
夏美
「ここは……異界の力を研究していた施設かも。」
彼女は杖を軽く回しながら、施設の外壁に浮かぶ黒い瘴気の痕跡を見つめる。「瘴気が壁に染み付いている。軍が何かをやらかしたのね。」
葵
「人間の欲望が、また異界と繋がってしまった――その代償がここにあるのね。」
たかゆき
「研究所?ふざけるな……こんなもん、すぐにぶっ壊しちまえばいいんだろ!」
彼は剣を構え、今にも突撃しそうな勢いだ。
やーちゃん
「おいおい、落ち着けって。こういうのは罠がつきもんだ。ちゃんと頭使おうぜ。」
彼は短槍を構え、扉の前で辺りを見張る。「それにしても、変だな……誰もいないのか?」
その時――。
扉の向こう――機械と異界の融合実験
アルカディアが慎重に施設内へ足を踏み入れると、そこには異様な光景が広がっていた。部屋の中央には巨大な試験管が並び、中には人型のシルエットが浮かび上がっている。
夏美
「これは……人間?いいえ……異界の力で変異した……。」
彼女の声には震えが混じる。「人間を兵器にするための実験場よ。」
天井からぶら下がる配管、液体が流れる試験管、壁には科学式や軍事計画が書かれたスクリーン。遠くの部屋からは、かすかに機械音が聞こえる。
和成
「軍がここで人間を……。」
彼は拳を握りしめ、怒りを滲ませる。「ふざけやがって!こんなことを許していいわけがねぇ!」
葵
「異界の力を取り込んだ人間は、きっと普通ではいられない。それでも彼らは――。」
その時、奥の扉が開き、異様な姿の男が現れる。背は高く、軍服を着ているが、その右腕は瘴気に侵食されて異形の形へと変貌している。
異形の研究員「リンドバーグ」
「おやおや……こんなところまで辿り着くとは、愚かなアルカディアの諸君。」
彼の声は冷たく、笑い混じりに響く。「この研究所は新世界への扉だ。異界と人間の力が融合すれば、我々は神にだってなれる。」
和成
「貴様……自分が何をしているのか分かってんのか!?」
リンドバーグ
「分かっているとも。愚かな人間どもを“進化”させるのさ。」
彼は笑みを浮かべ、手を上げる。「お前たちもこの実験の一部になるがいい――!」
戦闘――異界の兵器「融合体α」との対決
リンドバーグがボタンを押すと、試験管が割れ、中から巨大な異形――**「融合体α」**が姿を現す。それは人間と機械、異界の瘴気が一つに混ざり合った異形の存在で、体中が黒い瘴気の膜に覆われ、目が光っている。
融合体α
「……ガアアァァァ!」
絶叫と共に床を砕き、アルカディアに襲いかかる。
和成
「来やがったな!絶対にこんな実験、終わらせる!」
バトルの展開――個々の技と召喚獣の共闘
葵
「みんな、左右に分かれて!中心に誘い込むわ!」
彼女は双刀を光らせ、「光影乱舞」の残像攻撃で敵の動きを牽制する。
夏美
「氷結の陣、展開――氷晶の鎖!」
彼女の氷魔法が融合体αの足元に巻き付き、動きを鈍らせる。
たかゆき
「今だ!俺の炎で燃やし尽くす!」
彼は大剣を振り上げ、「烈火の大剣・爆炎の咆哮」で敵の装甲を打ち砕く。
ChinaRibonn
「ルミエル、突撃!みんなを守って!」
天馬ルミエルが光の突進を繰り出し、敵の瘴気攻撃を跳ね返す。
やーちゃん
「雷槍・天穿つ貫撃!」
やーちゃんの槍が融合体αの胸部に命中し、瘴気の核が露出する。
決着――融合体αの破壊
和成
「核を壊す!全員、力を合わせろ!」
**7(なな)**が光を強く放ち、敵の弱点を照らし出す。その光に導かれ、全員の攻撃が一点に集中する。
葵
「これで終わりよ――光影裁断!」
最後の一閃が融合体αを貫き、黒い瘴気が爆発音と共に消え去った。
戦闘後――残された映像と人間の愚行
崩壊する研究所の中、スクリーンには海外勢の軍幹部たちが笑みを浮かべながら語る映像が映し出される。
軍幹部の映像
「これが新たな兵器だ――異界の力を手にすれば、我々は無敵だ。」
夏美
「これが……人間の選択?」
和成
「裁定者が見ているのは、こういうことなのか……。」




