シーン59: 「西の地への旅路――絆と選択」
荒野の道――新たな目的地
7(なな)の光に導かれ、西の地を目指すアルカディアの一行。目の前には広大な荒野が広がり、ところどころに朽ち果てた建物や枯れた木々が立ち並んでいた。吹き荒れる風は乾き切っており、どこか不吉な予感を漂わせている。
その中で、一行の足取りに紛れるように、少し遅れてついてくる二つの影――たかゆき と やーちゃん だった。
たかゆきとやーちゃん――仲間の絆と口喧嘩
たかゆき は剣を背負い、やや不機嫌そうに口を尖らせている。
やーちゃん は短槍をくるくると回しながら、ニヤリと笑いかけた。
たかゆき
「おいおい、なんで俺たちがいつも雑用ばっかりなんだよ。先頭に立たせろって言ってるだろ。」
やーちゃん
「バカ言ってんじゃねーよ。お前、先頭立ったら3分で迷うだろ?道案内は7ちゃんと和成に任せとけって。」
たかゆき
「はぁ?なんだと?道に迷うことぐらい、誰だってあるだろ!」
彼は槍を片手に振り回すやーちゃんを睨みつける。「お前こそ、ずっと後ろでへらへらしてるだけじゃねぇか!」
やーちゃん
「お前なぁ……頭使えよ、頭!俺は後ろから全体を見てんだよ!前だけ見てりゃいいってもんじゃねーの。」
2人の言い合いに、和成が呆れたように振り返る。
和成
「お前ら、いつまでガキみたいにケンカしてんだよ。」
彼は溜息をつきながら、2人を見下ろす。「たかゆき、お前はもっと自信持て。やーちゃん、お前はもうちょっとフォローしろ。」
たかゆき
「うっ……。」
彼は少しバツが悪そうに視線をそらす。「……分かってるよ。俺だって、本気になればやれる。」
やーちゃん
「おっ、それならいいじゃねーか。次の戦いじゃ前に出て、俺を守れよ?」
たかゆき
「守る?逆だろ!お前が俺を守れっての!」
周囲に響く2人の掛け合いに、ChinaRibonnが笑いながら声を上げる。
ChinaRibonn
「しゅごい、たかゆきもやーちゃんも仲良しなんだねー!」
みのたん
「仲良しっていうか……ただのバカ2人だろ。」
彼は呆れながらも、口元に小さな笑みを浮かべた。「だが、元気があるのは悪くねぇな。」
夏美
「ふふ、確かにね。」
夏美は少し微笑みながら、先頭を進む7(なな)を見つめる。「この先に何が待っているか分からないけど、私たちなら乗り越えられる――そう思えるわ。」
荒野の異変――黒い霧の出現
一行が歩みを進めると、遠くの地平線から黒い霧がゆっくりと立ち上り始めた。霧は不自然な速さで広がり、あっという間に一行の周囲を包み込んでいく。
葵
「みんな、気をつけて!これは瘴気……敵が近くにいる!」
たかゆき
「ようやく出番だな!」
たかゆきは剣を抜き、霧の向こうに目を凝らす。「おい、やーちゃん!お前、ちゃんと後ろ見てろよ!」
やーちゃん
「お前こそ、ビビって剣を振り間違うなよ?」
彼は短槍を構え、背中合わせに立つたかゆきを軽く小突く。
和成
「この霧……どこから湧いてきやがった?」
霧の中から、奇妙な影がいくつも浮かび上がる。それはかつて人間だった者たち――黒い瘴気に囚われた亡者の姿だった。
亡者の声
「……裁定者……我らを救え……。」
呻き声を上げながら亡者たちは一斉に襲いかかる。
戦闘――2人の活躍
亡者たちは数が多く、体を瘴気で強化しているため通常の攻撃では倒し切れない。しかし、たかゆきとやーちゃんが絶妙な連携を見せ始める。
たかゆき
「俺が前に出る!やーちゃん、援護しろ!」
たかゆきが剣を振り上げ、亡者たちの群れに切り込んでいく。彼の動きは粗削りながらも力強く、霧の中で剣が光る。
やーちゃん
「言われなくても分かってる!」
やーちゃんは短槍を投げ、たかゆきの背後に現れた亡者を正確に貫く。「ほらな、だから後ろは任せろってんだ!」
たかゆき
「お前……やるじゃねぇか!」
2人は背中合わせで次々と亡者たちを撃破し、戦いの中心で輝きを放つ。
ChinaRibonn
「たかゆきもしゅごい!やーちゃんもしゅごい!」
和成
「あいつら、なんだかんだでいいコンビだな。」
彼は剣を構え直し、仲間たちに叫ぶ。「全員、連携して霧を突破するぞ!」
葵
「たかゆき、やーちゃん、後方を頼む!前は私が切り開く!」
霧の核心――新たなる敵の出現
霧の中心から現れたのは、黒い法衣をまとったカルト教団の新たな司祭「ベルフェン」。彼は禍々しい瘴気を操りながら、不気味な笑みを浮かべている。
ベルフェン
「ようこそ、愚かな人間たちよ……裁定者の試練を乗り越え続けても、未来は見えないというのに。」
夏美
「あなたは……カルト教団の司祭!」
ベルフェン
「これからお前たちには新たな“真実”を知ってもらおう。」
彼が手をかざすと、霧が一斉に動き、亡者たちがさらに力を増して襲いかかる。




